第五話 潜伏
注・本作は、残酷な描写が含まれています。
15才以下の方は閲覧を控えることを推奨します。
きけん!このおはなしには、とてもこわいとかんじるものがあるよ!
まだ15さいになっていないよいこはすぐにこのおはなしをみるのをやめようね!
また、本作は、実在した事件も一部モデルにしている描写も含まれている場合がございます。
不快に感じた方には申し訳ございません。
舞…?
何をする気なんだ…?
「大神様に血を!生贄を!」
いきなり村長が叫んだ。
生贄?それって体を捧げる儀式みたいなやつか?
俺は正直生贄というのは漫画でしか見たことがなかったので、
少し頭が混乱し始めた。
そんなことを考えているうちに手足を大人たちに縄で縛られる。
だが子供たちは一切反応せず、虚ろな目をして立っているだけだ。
いかにも死んだ魚の目のようで、もうすでに死んでいるのではないかとさえも思った。
近くにあった大木の周りに子供が仰向けに寝かされた、というよりモノとして置かれたように見えた。
「これで終わりじゃ。帰るぞ。」
村長より先に村人たちが帰っていく。
よく見ると、村長以外の村人には目に光が宿っていなかったように見えたような気がした。
恐怖でたまらない俺は、その場から動けない。
しびれた足を動かそうとしたその時だった。
パキッパキィ!
「あ…」
小枝を踏んだ衝撃で思わず声が出た。まだすぐそこに村長がいる。
気づかれた。確実に気づかれてしまった。
「誰 か い る の か」
恐ろしく低く太い声で村長が尋ねてくる。
ザッザッザッ
だんだんと近づいてくる。
俺は静かにして息を潜めることを選んだ。
逃げたら確実に追いかけられて捕まってしまうような気がしたから。
一か八かの賭けだ。気づかれないように潜めている方がいい。
見つかったら終わりだ。
ザッザッザッ
「こ こ か?」
相変わらずの低音ボイスだ。今まで一度もこんなに怖い村長はみたことがない。
むしろ子供に対してとても優しかった。
いつもにこやかに俺たちを見ていた目は、今は冷酷な、蔑んだ目をしている。
「こ こ か?」
ガサッ
音がした瞬間、俺の脳内は”見つかった”という情報で溢れていた。意識は半分飛びかけた。
だが、まだ生きている。
どうやら隣の茂みの中を覗いたようだ。
「ふむ…いないのか」
ザッザッザッ
村長は帰っていったようだ。
俺は近くに誰もいないことを確認すると、ほっと息をついた。
そういえば子供たちはどうなったんだ?
俺はすぐに立ち上がった。
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