表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バッチグー戦士ビューティーダー  作者: 九木十郎
プロローグ
1/52

コレで終わりのハズだった

 スマホによく分からないCMだの広告だのがメール配信されてくるのは、昨今の世間一般における常識の一つだ。


 そして溢れんばかりの同業他社をかき分け、たとい毛先一本分でも突出しようと、短い枠に素っ頓狂で珍妙なセールストークを刻むのもまた、よく見る光景であった。


 その日に着信した広告メールもまたその類い。

 そう確信して、ろくに読もうともせず削除しようとしたのだが、ほんの気まぐれで開いてしまったのはコピーライターの勝利と言えよう。


 曰く「きみもなろう、魅惑の美少女戦士」


 なんじゃコリャ。


 男の娘でも、もう安心。

 ジェンダーレスの昨今で生物学的性差を論じるのはナンセンス。

 美少女戦士に変身して此の世の悪を殲滅せんめつだ云々。


 ちらりと斜め読みしただけなのだが、これを書いたヤツのIQを疑った。

 なんて頭の悪そうな宣伝コピーなんだ。

 恐らくゲームかアニメのイベント配信の類いだろうが、もうちょっと別の煽り文句があるだろう。

 こうしてメールを開いてしまったオレが言うのもなんだけど。


 そーいや、柳田とかいうネット廃人一歩手前の同輩やつが言ってたな。

 仮想現実な世界では「バーチャル美少女受肉」とか云って、自分の描いた美少女のイラストを自分でプロデュースする文化があるとかなんとか。

 なんでもイラストの少女になりきって、描いた本人が声あてしたりチャンネルに訪れたネット民と会話を楽しんだりしているらしい。


 本人も、自身がオトコであるコトを公開しているのが、なりすましとは根本的に違うのだとかなんとか。

 略して「バ美肉」とか言うらしい。

 ついていけない世界なので「なるほどそうですか」とかしか言えないけれど。


 恐らくこのメールもその類いのコンテンツだな、そう見当を付けた。


 吃驚びっくりするくらい長い文面だった。

 契約だの規約だのという文字が躍っていたが、全部読むのも阿呆くさくてそのまま削除した。

 これでこの件は終了、実にしょうもない。

 そのままこのメールが来たこと自体、忘却の彼方へと蹴り飛ばした。


 そう、コレで終わりのハズだったのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ