アイラブ白米
前回・メイドの前で腹の虫が鳴り響く
ガヤガヤガヤ
人の溢れる食堂の一角をお借りしてご飯を大人しく待ってますよ。
私の腹の虫が盛大な音を鳴らしたあとメイドさんが仕方なくって感じで食堂まで連れてきてくれた。
本当は自分でご飯取りに行こうとしたんだけど、めっちゃ必死に止められて危うくもう一度泣かしそうだったので大人しく留まっています。
ちなみにメイドさんの名前はフーリアちゃん(16)なんだって!!年下なのにめっちゃくちゃしっかりしてる〜かわいい〜
「お待たせ致しました。アマネ様」
「わぁーい!!ありがとう。ってか、フーリちゃん様付けなくていいよ?」
「良くないです」
シュンとしながらトレーにあるご飯に目を落とす。フーリちゃんとは是非とも友達となりたいのに…様付け寂しぃ。
「・・・やっばァァァ!!!!美味そう!ほっかほっか白米バリサンキュゥHey!!」
なんと異世界に白米がございました。驚きでまする。いやね、正直小麦かじゃがいも生活乙とか思ってましたよ。神が見放さなかった私の主食
ありがとう残酷神よ
その調子で私を元の世界に戻していただけたらすこぶるハッピーライフだよ?!
手に持ったスプーンで白米を掬って口の中へ
もちもちした食感に、噛めば噛むほど出る甘味
ふわぁぁぁぁぁぁ!本当に白米だァァ
嬉しさのあまりバクバク食べ進める。
スープはコーンスープっぽくて美味しい、飲みやすい、腹が満たされる。祝福の三拍子
「・・・ごちそうさまでした!」
無言で食べ進め、あっという間に完食
いや〜おなかいっぱいだわ。幸せぇ
さてと、トレーを持って立ち上がり返却口と思わしき場所にトレーを返却しに行く。返却口からは厨房の様子がよく見えた。こういう作りは日本のセルフサービス飲食店システムと変わらないみたいだ。
皿洗いの方に食器を渡して美味しいご飯をありがとうという気持ちを込めて「ごちそうさまでした」と伝える。中の人はそれに酷くびっくりした顔をしたけど気にしない
何せ私は今すこぶる機嫌がいいのだ!
元の席まで帰って来るとフーリちゃんがポッカーンとした表情で私を見ていた。
?私の食いっぷりがこの美少女にこんな顔さしちゃったのかしら?あらまぁ、腹のすきすぎも良くないらしいぞ自分…。そっと心のメモに書いておこう。
「ねぇフーリちゃん。ここで働く人はいつもあんな美味しいご飯食べれるの?」
「はっ!はい!この食堂は下働きの者しか使用しませんから」
「まじか…」
これは王子様方に下働きしたいってお願いしてみようか……。そしたら食堂のご飯毎日食べれる。
「ちなみに下働きの仕事内容ってどんなのがあるの?」
「え?えっと、城内の掃除・洗濯・パーティや来城客御一行がありましたらその準備。食品、物資の管理等ですかね」
「へぇー(むっちゃ優良物件)」
これはますますお願いする価値あがりますね。
「下働きってお給金いくらぐらい-」
バァンッ!!
「ウェ?」
食堂の扉が勢いよく開けられる。
私の口からは変な音漏れた気するけど気のせいにしておこう。
よーく目を凝らすと1番前には王子様がいる気がする(たぶん)。何しに来たんだ?あの人達…
ちなみに王子らしき人の後ろには騎士っぽい人が10人ぐらいいる。圧…圧がやばいよ?どうしたその圧
下働きの皆さんも一瞬固まったがすぐに頭を下げる。これは私もした方がいい感じだろうか?
「アマネ殿!」
「え、あ、はい」
名前を呼ばれた。しかし私は彼の名前を知らない。oh…私の記憶力
「なぜこのような場所にいらっしゃるのですか?」
「お腹が減ったので…」
なぜ私は怒られているのだろうか?
「ーっ!今後おひとりで城内を歩かないでください。貴女は迷い人ですから」
「嫌です」
「はっ?」
「ですから嫌だといいました」
1人で城内歩き回るなってむちゃ言うなよ。むしろ自由にしてくれよ。誰が付きっきりとかもはや監視役でしょ?私悪いこと何もしない。
「なりません。貴女様が迷い人である限り護衛を付けなくてはいけませんから」
「・・・それ最小限でお願いします。私の護衛に人を裂くとかおこがましいにも程があるんで」
「・・・」
やはり護衛は付けられてしまうのか…。異世界召喚あるあるだから仕方ないのもわかる。だから付けるなとは言わないけどせめて1人。2人は嫌だ
じぃぃっと睨み合っていると王子の方が先に折れ、ため息を零す。
「分かりました。最大限の配慮は致します」
よっしゃぁぁ!!
ではこの流れで言ってみようレッツGo!!
「あの!」
「なんですか?」
「私下働きしたいんですけどいいですか?!」
『ダメに決まっているでしょう!』
王子、フーリちゃん、騎士さんが見事にハモりました。
白米って美味しいですよね〜
あれだけでも生きていける