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みんな同じ夢をみていた  作者: 海那 白
第1夢 序曲
5/40

第1夢 序曲5

 カフェテリアの前にある階段を上っていると、放送が流れた。


『華菜様、華菜様、至急音楽室まで来てください。繰り返し放送します。華菜様、華菜様、今すぐ音楽室まで来てください』


 華菜様とは、誰のことだろうか。……まあ、いいや。

 二階まで階段を上ったとき、白髪ツーサイドアップの小さな少女とばったり会ってしまった。


「先、生……おは……よ、う……」

「おう。おはよ」

「体調……良く、なった?」

「ああ。おかげさまで」

「それなら……良かっ、た。みんな……先生の、こと……心配、してた……から」

「そっか。それは悪かったな」

「ううん……大丈夫」


 しゃべるのが苦手な子なのかな?


「自己紹介……する」

「お、おぉ」

「私、は……二年、の……柊 水樹。よろ、しく……先、生」

「ん、よろしくな」


 二年でこの身長かー……。


 不意に前方へと目をやると、職員室が見えたと思ったその瞬間、無意識にそこのドアを開けていた。

 中には一、二……三〇もの机と椅子とパソコンがあった。

 俺以外の先生はいないらしいのに……。


「あの、この学校には俺以外の教師なんていないんだよな?」

「うん……その、はず……」

「じゃあなんでこんなに机と椅子とパソコンがあるんだ?」

「……分から、ない、です……」


 分からないのかぁ……。


「それ、では。放送が……終わった、ら……帰ってくる、ように……言わ、れて……た、から……私は、もう……行く」


 あの放送、こいつだったのか……?

「あ、あと……先生も、あと、で……音楽室……来れ、たら……来て」

「ああ。分かった」

「じゃあ……」


 そう言って彼女は目の前の階段を勢いよく駆け上がって行った。

 俺も仕方なく目の前の階段を勢いよく駆け上がり……は、しなかったが、ゆっくりと上っていった。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 『華菜先輩とは、誰のことだろうか』  誰も先輩なんて言ってませんよ……?
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