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みんな同じ夢をみていた  作者: 海那 白
第1夢 序曲
3/40

第1夢 序曲3

 目を開けると、真っ白な天井があった。


「おはようございます、先生」

「うおぇあっ!」

 

 思わず驚いてしまった。

 声がしたほうを見ると、あの男子が椅子に座ってこちらを見ていた。

 

 よく見ると、整った顔立ちをしている。

 黒髪ストレートをボブの長さにカットし、少し長めの前髪から見えるタレ目に黒縁のメガネをかけている。

 色白で背はやや低め、華奢な体つきをしているため一見女子に見えるが、俺が彼を男子だと断定したのは、彼だけズボンを履いていたからだ。

 彼は今、片手に本を持っている。


「驚かせてしまって、すみません」


 聞き取りやすいアルトボイスだ。


「……あの、誰?」

「僕は夢神 優と言います。この桜高校の三年生で、生徒会長を務めているものです。自己紹介もせずにすみませんでした」

「ふーん。で、なんで保健室にいるの?」

「ああ、先生が急に倒れたので、運びついでに看病を……と思いまして、勝手ながら入らせていただきました。ダメでしたか?」


 その上目遣いはアウトだろっ。……男として。


「いや、別に俺は構わんが……」

「体調はいかがですか?」

「まだちょっと頭が痛いが、それ以外は大丈夫だ」

「それは良かったです」


 そう言って彼は微笑んだ。


「今は何時だ?」

「午後五時三八分二七秒一九です」

「うん。細かすぎる回答をありがとう」


 時間をだいぶ忘れていた。


「先生に記憶と感情を一気に流し込んだので、脳への負担が大きいはずです。でも、さすがに八時間以上も寝れば大丈夫そうですね」


 俺、そんなに長い時間寝てたのか……。てか、どうりで頭が重いわけだ。なるほどなー。


「だいぶ回復してきたみたいですし、僕はもう行きますね」

「……ああ」


 彼は静かに椅子から立ち上がると、静かに保健室から出て行った。

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