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みんな同じ夢をみていた  作者: 海那 白
第1夢 序曲
11/40

第1夢 序曲11

「華菜姉様、華菜姉様、お目覚めの時間ですよ」

「ん~?もぅ朝なんですかぁ~?」

「残念ながら夕方です」


 強すぎず、弱すぎない風があたる、気持ちの良い屋上。

 だからこそ、眠くなるのだろう。

 桜色の髪を二つのゆるふわ三つ編みの少女が俺の目の前で仰向けに寝ていた。

 左胸には、さっきのの子と同じエンブレムをつけている。


「ん?あ~……先生ぇ~、おふぁようございまふ~。ふあぁ……」

「ん?……ああ。おはよう……ございます」


 こいつが華菜とかいう奴なのか……。


「あぁ、私ぃ~三年の桜 華菜ですぅ~。よろしくお願いしま~すぅ」

「よ、よろしくお願いします」

「それじゃあ、も~ちょっと寝ててもいいですかぁ?」

「華菜姉様、それはちょっと……」

「おやすみなさぁい……すうすう……」


 寝やがった……。


「ち、ちょっと、起きてください、華菜姉様」


 そう言われて揺らされていると、コイツの胸が大きいのが余計に目立つ。


「そーいえばっ、音楽室に呼ばれてましたよー、華菜……様?」

「ひゃうっ」


 彼女は飛び起きた。


「そっ、そそそそれは本当ですかぁ?」

「ん?あ、はい」

「ひゃわーっ。早く行かなきゃ楓ちゃんに怒られちゃ……あっ」


 ずべしゃっ。

 な……何もないところでコケやがった……。


「もう、華菜姉様ったら。転ばないように気をつけてといつも言っているでしょう」

「ふぁい……ごめんなしゃい」


 絆創膏を張ってもらうと、彼女は再び立ち上がり、駆け出した。


「それじゃあ、行ってきまぁ~……あっ」


 ずべしゃっ。

 これはさすがにドジすぎるだろ……。



「もう……華菜姉様ったら……クスクス……」


 俺も流石にこれはフォローできんわ。


「それでは先生、私たちももう行きましょうか」


 アイツ、放置してくのかっ。

 ……結局この子は、俺の右手を離してはくれなかった。

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