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輪廻の果てへ  作者: 葉和戸 加太
二章 魔術契約
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46 続々・体力テスト 強さに関するあれやこれ

 次なるテストは投石だ。実はこの種目が一番苦手だったりする。何故かと言えば使える魔法が思い浮かばない。身体強化くらいか。


 それに投石に使う石は不揃いで、重心も偏っている。そんなに重いものでもないが、目標に命中させろってのが難しい。前世が野球部だったら有利かもしれんな。


 投げる回数は10回だ。


 うーん、自信は無いが、始めに失敗した時の保険をかけるのはいかんよね。


 悪かったら悪かったで、堂々と悔しがればいいさ。弱さを認める強さを持つ事も大事な事だ。さっきの短距離走でワカに対して思っていた事が、ブーメランの様に返ってきたぜ。でも、これも負けた時の強がりに入るのか?


 考え過ぎると訳が分からなくなってくる。弱気になってる証拠だ。まあ、なる様になるさ。


 投げ終えた結果は的中5だった。こんなもんか。


「おーい。投石はおいの勝ちじゃな。」

「ん?」


 ワカが得意げに話しかけてきた。


「そっちはどうやった?」

「的中8。」

「うわぁ、相手にならんなあ。」

「こいで1勝1敗、次で勝負じゃな。」

「おう。」


 最後は長距離走だ。おおよそ1,500メートル位だ。これまでの競技で体力をどこまで温存できたのか、僅差の勝負となった時、それが結果の分かれ目になるだろう。


 短距離で決勝まで残った分、僕は皆より1本多く走っているが、影響は少ないと思う。何故なら、ぽっちゃりさんが多いからだ。裕福な者達が多いからか?


 ぽっちゃりさんは、懸垂の時に体力を消耗しているはずだ。身体強化魔法は筋力不足を補ってくれるが、出力を上げた分だけ使うエネルギーが大きくなる。長距離走に響くはずだ。それを考えると、僕はそれなりの順位に入り込めると思う。


 問題は勝負を挑んできたワカさんだが、残念ながら彼は太ましい体型では無い。体力は十分にあるだろう。


 さてさて、少し話は変わるが、これまで、太っている事が不利であるかのように述べてきたが、決してそういう事では無い。競技により向き不向きがあるだけだ。ほとんどの競技で、体重があるというのは大きな武器となる。


 健康問題という話は別とするが、そもそも、大きくて体重がある事はそれだけで強い。相撲最強論の理由のひとつだろう。


 僕は前世において、空手を習っていた時があった。格闘技を習っていたといっても、実践で使ったことは無い。実践とは喧嘩の事である。所謂いわゆる、殴り合いの喧嘩はした事がなかった。そりゃ平和が一番でしょ。


 そんな者の言葉にどこまでの説得力があるか分からんが、競技としてはともかくとして、実際に争いになった時、重要だと思う順に挙げていこう。



1. 性格(心)


 普通の精神をしてたら、他人の顔に拳を叩き込む事など出来ない。何らかの理由により、一時的に理性というストッパーを外す必要があるだろう。いじめられっ子がキレて、いじめっ子を叩きのめすケースもこれにあたる。タイソン少年の逸話を思い出してもらいたい。


 もっとも、このストッパーが非常にゆるい人達がいるのは否定しない。


 また、どこまでストッパーを外せるかという深度も重要になるだろう。手段を選ばなければ、武器を持ち出す事も考えられる。これの最たるものがテロリズムだ。


 仮に、自分はどうなろうがかまわない、アイツだけは殺すと、心の底から思った場合、これを防ぐ事は不可能に近い。常に最高レベルの警護が必要となるだろう。



2. 身体の大きさ(体)


 でかい事は純粋に強い。質量がある事はそれだけで大きな力となる。


 それは空手の組手で実感した。


 僕の習っていたものは伝統派空手で寸止めだった。体重別のクラスというものが無く、自分より体重の重い、大きな相手とも組手を行った。


 自分で言うのもなんなんだが、格闘センスについては、悪い方ではないと思っていた。大きな相手とも十分に闘える。ただし、寸止めに限ってはだが。


 体重の重い相手と組手をする時、感じる圧力が違う。自分の突きや蹴りなどが、実際に当たったとしても、どれ程のダメージがあるのかはなはだ疑問だった。


 逆に体重の乗った相手の拳は、僕の体力を容赦なく奪っていくであろう。


 理不尽極まりない差を感じたものだ。



3. 技術(技)


 同じ条件だったら技を持ってるヤツが強い。技術の質によっては、自分より大きな相手を倒す事も可能だろうが、技量が同じであれば重いヤツが強い。


 以上が僕の意見だ。ぜんぜん違うよって人もいるだろう。あくまで勝手な考えだと述べておきたい。


 何事も心・技・体の3つが大事だとは、よく言われる事だが、格闘技については一に心、次には体、フィジカルが大事で、最後に技なのかなという気がしている。圧倒的物量に勝つのは難しい。それ故に、技で力を制すのはロマンなのだ。


 相撲最強論ってのは、元横綱が総合格闘技で醜態をさらしてから、あまり耳にする事が少なくなったが、僕自身は、それでも相撲は強いのではないかと思っている。


 大晦日に行われた試合で、元横綱の姿を思い出してみると、試合のゴングが鳴るやいなや、元横綱は相手をコーナーへと追い詰めていた。


 大相撲であればそこで勝負がつくのだが、悲しいかな、ブレイクなるルールにより二人は引き離され、勝負は続行される。体力の無い元横綱は、もはやなすすべも無くマットに沈んだ。


 しかし僕は思うのである。ロープが無く、そのまま押し倒す事が出来たのなら、その後に踏み付け等の技が出せたのなら、勝利する事が出来たのではないかと。


 僕は思うのである。デブをあなどっちゃあかんぞと。何が有利となるのかは、ルールという条件次第で左右される。そして次の競技は長距離走だ。


 結論。今回のデブは敵じゃないぜ。

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