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輪廻の果てへ  作者: 葉和戸 加太
二章 魔術契約
43/306

43 1年1組

 入学式があった夜、1年1組について話を聞いた。


「あの組はなぁ、有力者の子弟が集まってるんだ。」

「へぇー、ウチって有力者やったのか。」

「残念だけど、そんな力は全く無いな。」


 病院と言っても家族経営の零細だしね。


「じゃあ何で、僕はそんなトコに入れたの?」

「それはね、頑張ってた事が認められたからだよ。」


 選考基準となるのは、1に家柄2に実力らしい。僕は孤児である為に、家柄などは話にならない。実力はそれなりに自信はある。就学前児童が医者の真似事をしているのは、異世界とはいえ普通じゃないだろう。その事が認められたんだと思う。


 訓練で負傷した侍達が治療に来ていたが、兵士というのは公務員って事だろう。想像に過ぎないが、そこから噂になり、認められたのかもしれない。たとえ実力があっても、認知度が低ければ話題にならない。人の和の結果と思いたい。


 そしてこの事から分かるのは、僕の編入される組は、実力がある奴等が多いかもしれんという事だ。


 大部分を占めるであろう、良いトコの坊ちゃん嬢ちゃんは、教育が充実してると思われる。子供に良い教育を与える事が出来るのは金持ちだ。転生前の社会でも、教育レベルと親の所得は比例する傾向にあるとされるデータがあった。


 そして教育レベルが高ければ良い職を得られ、所得も増えるのが一般とされる。トマ・ピケティが示したもので、所得の高さが相続で引き継がれるという説を補強する材料でもある。金があるから良い教育を、そして良い職をというサイクルだ。


 ただし、この社会で職業選択の自由がどこまで許されているのか分からないが。


 金持ちの子は子も富貴に、貧乏人の子は貧賤きせんとなりやすく、経済的階級が生れる事となる。これを打破する為に、奨学金制度等が整備され、低所得層の教育について議論される。


 この世界においての奨学金がどうなのか知らんが、家柄に関係なく認められる者たちは、真に才能のある子供たちなのだろう。


 ワタクシですか? ワタクシもその一人ですよと言いたい気持ちもあるが、少し事情が違う。前世の記憶という、反則のような知識があるからだ。本当の天才どもと比べると、どんなもんだろうか。


 そんな奴等をまとめる事は大変な事だ。子供達だけでなく、親が有力者である事も非常に面倒くさい。石神先生ことガミラは大丈夫なんかね。自分だったら絶対にやりたくないな。


 どうやらガミラは常に1年1組で固定らしい。口煩くちうるさいおっさんではあるが、家柄に関係なく生徒を公平に扱う為に重宝されているとの事。分かり易く言えば、生活指導を担当する先生だ。そんな人でないと問題が多い教室を抑えられんのだろう。


 学校生活を楽しみにしていたが、こんなんやっていけるんか、不安いっぱいだ。入学に備えて努力してきたが、その結果が原因となり、この様な事態におちいったのは皮肉な事である。


 いや、未だ何も始まってはいない。


 冷静に考えれば、属性魔法をふたつ、複合魔法ひとつに加えて、既に門すら修得してるヤツなんて、ゴロゴロいてたまるかってもんよ。


 今回の試験を通して自分に自信を…、いや、自信はそれなりに付いてはきてる。自信を確信に変える時だ。ナチュラルに優秀な奴等のなかで、どこまで通用するかやったろうじゃない。


 決意を新たにしたところで、いよいよ学校生活が始まった。やはりと言って良いだろうか、先ずは校舎案内、所謂いわゆるオリエンテーションが行われた。


 この機会に、同じ組となった奴等をこっそりと観察してみる。組の総勢は30人で男女同数。さらに、親の所属する職業グループ分け(武士・肉体派・頭脳派)も同数で各10人のようだ。つまり、1グループに男女5人ずつ。


 別の言い方をすれば、官僚グループ×1に、民間グループ×2といった感じか。官僚にも武官と文官とあると思うが、さすがにそこまで判断できない。


 そして着用している衣服を見ると、家柄選抜3人と、実力選抜2人と思われる。家柄の方に人数が多くなるよう、調整しているのかもしれん。


 僕自身は、頭脳派の実力グループだろう。肉体派でも負けてないと思うけどね。くわさばきだったら負けないぜ。


 これらは見た目から推測した、僕の感想に過ぎないが、そこまで間違っては無いのかなと思う。


 どこまで仲良くなれるんかねぇ。

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