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輪廻の果てへ  作者: 葉和戸 加太
五章 北関市総合大会
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189 ルート選択

 これがルート分岐点だと言う確かな根拠は無い。


 僕が感じただけで、全くの見当違いってのもあり得る。しかし、ゴール地点から逆算すると、たとえ僅かでも、それぞれの成功確率を上げられるかもしれん。


 やらんよりマシってレベルだがね。そーいう訳で何もしないって選択は無しだ。選考から漏れたらそれまでよ。


 残る3ルートはどれも魅力的で甲乙つけ難いが、ひとつに絞るべきだろう。複数に参加するってのは、ちょっと現実的じゃあ無いな。




 先ずは、代表に選ばれる可能性から考えてみよう。


 可能性で言うなら魔法選抜が一番やな。


 一年の時、特別クラスに入れたのは、魔法選抜枠としか考えれん。って事はだ、既にある程度の評価を受けてると判断しても良いだろう。


 入学してから二年の月日が流れたが、この間で力関係に大きな変動が無ければ、代表になれる望みはある。もっとも、家柄など実力以外での選考基準があるなら、話は変わってくると思うけどね。




 次に、僕の人生を掛けたテーマである輪廻の謎に迫るのなら、武力選抜コースを選択すべきかな。魔術契約の成果を稼ぐことに繋がるかもしれん。


 可能性は低くても当たればデカい。タケに勝った勢いに乗り、このまま剣の修行に邁進するのも悪くない。




 最後は知力選抜だが、これも捨てがたいんだよね。


 全体を俯瞰してみれば、この知力選抜を選ぶのが最もバランスが良いんや。


 ゲーム的な考えだが、僕がこれまでに起こしたイベントは武力と魔法関連のものが目立つ気がする。


 武力 …… 剣道・相撲

 知力 …… 水栓便所

 魔法 …… 魔術契約


 水栓便所イベントは、メインの魔術契約イベントを起こす前提条件フラグってのが僕の認識だ。なので、他と比べると少し弱いのよ。


 学業関係の人脈を作っておけば、両親の遺志を継いで古代文明に手を出す場合、何らかの助けになるかもしれん。




 勿論、こんな計算は代表に選ばれなければ絵に描いた餅だ。


 もうちょっと踏み込んで考えてみるか。


 そもそも総体ならぬ総大のレベルって、一体どんくらいなんやろ。都市大会って位置付けなら、地区大会か県大会レベルだろうか。


 ソウタイと言う響きから、全国大会をイメージしてしまい少しビビったが、前世の総体と比べれば、レベルは格段に落ちるはずだ。


 僕ら北区の学校は1校だけだが、他区も同じなら大会に参加するのは最低で5校と言う事になる。


 5校程度なら地区大会レベルやん。ほんならビビらんで良かったかもね。


 よく考えれば全国レベルの大会なんて、交通網が充実してるのが大前提だ。徒歩しか移動手段が無ければ、地区大会でも宿泊せざるを得ない人がいるだろう。


 移動で疲れた体のまま競技に挑めば、パフォーマンスも落ちる。


 まあ、ソウタイってのがどんな大会なんかは、実際に経験してみんと分からん。準備はしっかりやって、後は状況次第やな。




 今んトコはこんな感じか。


 選ぶのが難しいって事は、どれを選んでも外れなしと言えるのかもしれん。まだ時間はあるんや。焦らずじっくりと決めていこう。


 ゲームに例えれば今回の選択は、将来に起きるイベントのフラグってとこかな。若しくは、イベント成功率を上げる要素かもしれん。ラプラスの魔物に質問できるもんなら質問したいわ。


「ラプラス先生、人生のチャートが読み取れません。」


 神ならざる身であれば、因果律を完全に読み切る事など出来はしない。現時点でベストだと思える道を選ぶだけ。やるだけやって全力を尽くせば、失敗したとしても諦めは付く。


 とは言うものの、これまでは良い感じにきとるんちゃうかな。上出来やろ。


 前世の記憶という成長ボーナスがあるお陰やな。そやけど、このボーナス効果も年を経る毎に効かなくなってくるはずだ。


 アドバンテージがあるうちにリードを稼ぎ、回収できるフラグを拾っとくのさ。


 フラグと言うとゲームっぽいが、前世における僕のゲームスタイルはやり込み派だった。隠しアイテムやイベントは全てこなすタイプやったね。


 現実の人生ゲームを、納得するまでやり切るのは難しい。


 リセットは無いし、再挑戦が不可能なものも多い。勿論、何度も挑戦を繰り返す事は出来るだろうが、人の命は有限だ。気力体力は衰え、最後は寿命というタイムリミットが来てしまう。


 願望の量と質にもよるが、全ての望みを叶えるなど不可能に近い。


 いづれ僕にも、何を捨てるか選ばねばならぬ時が訪れるのだろう。その来るべき時の為に、今から実力を蓄えておくのだ。


 世の中には年齢その他の要因をを言い訳にせず、己の目標に向かって邁進している人達もいるが、そういった人達は心からすげえと思うね。尊敬に値するわ。


 僕も彼らを見習って、目標を再確認してみよう。

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