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輪廻の果てへ  作者: 葉和戸 加太
四章 モラトリアム ― 実験開始前 ―
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162 第三の道

最低賃金の内訳が間違っておりましたので、訂正致しました。

 長い物には巻かれよとは言うが、巻かれるのが嫌なら、自分が他人を巻けるほど長くなれば良い。


 でもさ、そういうのはしんどいのよ。


 身の丈以上の権力なんて要らないし、かといって無茶な命令に従うのも勘弁だ。小市民と呼ばれようが、そこそこの生活で十分な気もする。


 田舎のスローライフ物語が人気なのは、同じような考えの人が多いからなのか。ただ、田舎暮らしに憧れる人に気を付けて欲しいと思うのは、田舎の良い面ばかりに気を取られ、不都合なところを無視していると、思ってたのと違うと泣きを見る事になる。


 僕の考える問題点を挙げてみよう。



1. 経済的格差


 経済における人口ボーナスってのはデカい。


 それに伴い、インフラ面も地方より都市部のほうが良く整備されている。政治に関しても、人口が多く声のデカい都市部の主張が政策に反映され易い。


 日常生活では、圧倒的に都市部が便利だ。


 都会では、電車やバスの一本逃しても、大した問題じゃあないが、これが田舎になってみろ。下手すると一時間待ちとかあるぞ。田舎を舐めんな。


 現代の田舎は、車が有るのを前提として、生活が成り立っているところがある。無くても生きてはいけるが、著しく不便な生活を余儀なくされる。


 高齢の人が車で事故を起こすのが良く問題となるが、高齢者は一律に免許を返納せよというのは暴論だ。車が無いと、食料の買い出しが出来なくなる人達もいる。


 それならバスを使ったらどうだと言われても、過疎化が進み運行本数が減らされたり、廃止となる路線も珍しくない。車の有無は死活問題なのだ。


 地方自治体はコミュニティーバス等を導入し、この問題の解決を試みているが、例えそれが上手くいったとしても、都市部の利便性には遠く及ばない。


「そうは言っても都会は物価が高いぞ。駐車場の維持費も馬鹿にならん。」


 それはごもっとも。


 地方と都市では物価が違う。都会暮らしをしていると、街に広告や魅力的な商品が溢れており、財布の紐も緩みがちになる。


 都市部の生活に金がかかるというのは、最低賃金を見れば明らかだ。



 令和元年度 最低賃金時間額【円】


 最高 東京都 …… 1,013円

 最低 複数県 ……  790円


  複数内訳  …… 東北4県、中国2県、四国2県、九州6県、沖縄県



 人が集まれば経済が活性化するが、それに連動し物価も上がる。最低賃金とは、その土地で最低限の生活を維持するのに必要な金額ということ。


 この問題の手っ取り早い解決方法は、安い郊外に生活圏を置き、都心の職場まで通勤するという手段だ。


 高い家賃を払える収入があれば、都心に居宅を構えても良いだろう。通勤時間は短くなる。これは金で時間を買うという発想。


 金さえあれば時間を買る事が出来る。金が全てとは言わんが、金があれば大概の事は出来るのだ。社会が安定しているという前提はありますがね。どこぞの世紀末世界では、札束なんてケツを拭く紙にもならないとの噂だ。


 貨幣経済が崩壊したら物々交換に戻るのだろうが、そんな事態に陥ったのなら、どれほどの混乱が待ち受けているのだろう。想像するだに恐ろしい。


 最近までは、これが一般的なスタイルだったが、近年は文明の発展で新たな手段が可能となった。


 パンデミックを機に見直されたリモートワークだ。


 当然だが、それが出来る職種と出来ない職種、メリットとデメリットがある。


 リモートに向かない職種は土木・建築、それに製造業等の現場作業。さらには、高度な設備を要する技術・研究職だろうか。


「そんなん完全オート化すりゃええやん。遠距離操作で出来んの?」


 完全オートの機械化が出来れば良いのだろうが、それはちょっと難しいような気がする。


 不測のトラブルってのは必ず起きる。そんな時に必要となるのは、現場にいる人の手作業だったりするのだ。


 もっとも僕が知らなかっただけで、どんなトラブルも遠隔で解決できるシステムがあるのかもしれないが、それをやろうとすれば、設備投資がべらぼうな金額になりそうだ。現実的じゃあ無いな。


 製造業の工程は機械化で人手を減らしやすいが、限界というものはある。だからこそ、製造業者は安い人件費を求め、海外に生産拠点を移すのである。


 それに、遠隔操作は便利だが、常にハッキングのリスクと隣り合わせだ。工場が乗っ取られて生産ラインが止まったというニュースを聞いた事もあるだろう。


 さて、これらの現場作業と比べれば、営業や事務等、必要な設備が少ない職種はリモートワークに向いていると言える。必要なデータはオンラインでやり取りし、自宅から一歩も出ずに仕事をこなす事すら可能かもしれない。


 技術の発展で、昔は無理だったものが、現代では当たり前になったものある。


 少し話は変わるが、日本の国民的アニメのひとつで、未来から来た猫型ロボットが沢山の便利グッズを持っているが、一番仕事に使えるものは何だと思う?


 ただし、もしもボックスは禁止。


 ありゃチートすぎるわ。

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