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いつか

作者: 草津花堂
掲載日:2018/03/26

暗然とした場所。

微かな霊香があるのみ。

「これは夢に違いない。」

ここから出るべく、

私はただ歩いた。

独特な怪しげな雰囲気は幾度なく私を立ち止まらせた。

香りが少しづつ自分の意識を蝕むのが解る。

一つの単語が浮かび上がる。

気が付けば私は走っていた。


少しづつ光が見えた。

私はさらに速くなった。

光もさらに強くなった。


一瞬だけ目の前が白くなった。


気が付けば海の上。

見上げれば見たこともない鳥が飛んでいる。

大きく翼を広げ、こちらを睨んでいる。

動けない。

怖くなり下を見る。

気配は消えた。

代わりに残響が聞こえる。

遠くから、果てしない所から。


暖かい残響の揺らぎ。

下の海の海藻がリズムに合わせて揺らいでいる。


私の影が二つに割れ、水面に映る。

何処かで見たことのある輪郭。

私は安らぎと懐かしさを感じていた。


金縛りの時間は気が遠くなるほど長かった。

太陽を

蜃気楼を

雲を

鳥を

私は見つけた。

さえずりを

波の音を

残響を

私は聞いた。


その時間はここはどこか考えさせるのに十分だった。


そのうち私はこの世界に来てから寝ていないことに気づき、

目をつぶった。


その後の私を私は知らない。








恥ずかしいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 不思議な雰囲気が出ていていいですね。静かな、暗ーい雰囲気が。ピンクフロイドの「エコーズ」が聞こえてきそうですね。 [一言] 草津さん、私もフロイドのファンです。 こないだ「原子心母」という…
2019/10/28 13:35 退会済み
管理
[良い点] 表現は詩的ともいえますし、ロマンティシズムな小品ともいえます。現状に不安を感じて希望を望む苦しみが、上手に表現されていると思います。文章の「なめらかな流れ」に好感を覚えました。 [気になる…
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