アゲハチョウのサナギ ~希望の中で~
ボクはサナギ。
いままでイモムシとして生きたきたんだ。
足が短いとか太っているとか言われてもアゲハチョウになりたくて、バカにした奴らを見返したくてここまで生きてきた。
もうすぐボクは綺麗な羽で飛べる。
希望に溢れた世界。
綺麗なお花に止まって美味しい蜜を吸うんだ。
ボクをずっと見ている人間の子ども。
もうすぐ綺麗な蝶々になるから待っててね。
もうすぐ空を飛ぶボクを見せるから待ってて。
カマキリさん、こんにちわ。
君はずっとボクのことをバカにしてたよね。
でももうすぐ見返すから待ってて。
綺麗になって君をバカにしてやるんだ……!
カマキリさんはボクに鎌を掛けた。
そして、頭からバリバリとボクは食べられてゆく
やめてやめてやめてやめて!!!やっと綺麗になれるのに!殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで!いままでバカにされても耐えてきたのに!ボクは何の為に生きてきたんだ!いじめられる為に生まれたわけじゃないんだ!!こんな所で死ぬ訳にはいかな--
こうして、ボクは緑色のドロドロとした液体になった。
綺麗になれずに死んでしまったボクに希望なんて似合わなかったんだ。