薔薇色蝶々
真黒な蝶々が羽ばたいている
つとそれを振り返って見る
いくら見つめてもちらりとも
こちらを振り返りはしないそれはなんだか滑稽じゃないか
ひらひらと危うげに飛んでは
潜って跳ねる
危険な世界を
それはなんと儚て
頼りなさげな姿だろう
でも
僕は知る
真黒なその羽が薔薇の花になる瞬間を
光を浴びてきらきら光ってる
燐粉だとかたった一言でお偉いさんは片付けるけど
ああ、それって意味あるかい?
あるだろう 世の中には
名前なんか知らなくても
とても とても
綺麗なもの
たった一言で語らないでおくれ
命の火を ひらひらと舞わせる
薔薇色の蝶々
真っ赤に燃えて
その羽で
歪んだ世界を切り裂け