ルームメート
ラゴ達と別れ教室から出て、廊下を歩いていて気付いた…辺りを見渡し
「…ここは?」
取り合えず階段を降りて、あれ?どの道から来たんだっけか?よくよく思い出そうとして「!」そうだ思い出した、セレスの後ろを付いて来ただけで道順覚えて無い!
「………」
そうだ!今は自分だけじゃない皆と!他の生徒達が一緒に居るんだから一緒に学校から出れば問題はないはず!誰かの後ろを付いて行けば!と周りを見渡したが、時は遅く生徒は誰一人として残っておらず自分一人だ…どうしたものかと悩んでいたがいい考えも浮かばず、取り合えず右を見て左を見て
「本当に…どっちから来たんだっけ…」
いやそもそも、左右のどっち方から来たとゆう確証もないし建物自体の構造がおかしいジジの屋敷でもこんな風じゃ無かった。…何だろうかこの建物はやたらに広くて色々な階段やら廊下が入り組んでいて分かりづらい!学校とゆう物はこうゆうものなのか?ふと…どこからか人の声が聞こえたような気がする?どっちからだろう?
「右から?あの!誰かいるんですか!」
声をかけたが答えがない気のせい?でもと、いちるの望みをかけて声の主を追いかけるように小走りで右に進むと更に下に行く階段があった、でもそこはもう使われて居ないようで、人が入らないように柵がしてあった、階段の奥を見るが暗くてよく見えない。
「おかしいな…こっちから声がしたのに?もしかしてこの先に行ったのかな?」
柵には「ここから先は立入禁止」と書かれた看板がある。来た道を振り返ってみても一方通行だ…と言う事は声の主はこの先に行ったとゆう事か?どうする行って見ようか?さっきからここに居ると気持ちが落ち着かない。柵は申し訳程度の物で押せば開いた。何かに導かれるように、フラフラと階段を降りていくと暗くて先は見えないが足は勝手に進む…更に先に進むと、いくつもの分かれ道があり、まるで迷路のようにいりくんでいる、それを迷いなく歩いていて…ふと我に返り。
「……あれ?何で?」
自分は何で地下にいるのか?外に…寮に帰りたいのに…わざわざ地下道に?更に迷子どころの話じゃ無くなっている!我に返ったのはいいが自分は前の道から来たんだっけか?後ろから?……考えていても埒があかないと…取り合えず前に進もうと歩いていると大分目も慣れてきて迷路の様子が見えて来た。ところどころに行き止まりがあったり小さな部屋になっていたりと面白い造りになっている、所々見て回っていると見覚えがある部屋があった…ドアの前で立ち止まりジッと見詰め
「ここ…知ってるような?」
そんな訳が無いのに…でも知ってる、この部屋から左に曲がれば外に出れるはず。思った道順どうりに進むと外の明かりが見えて出れた。外に出るとそこは開けた場所になっていて木々が生い茂りその奥に寮が見えた。どうやら寮からそんな遠くないようで安心した、もう一度迷路の出口を見ると、ここは昔に使われていた通路のようだ。少し離れた所に井戸らしきものまである、今はもう使われていないようだけど…
「なつかしい?気がする…気のせいかな」
見ていると胸が絞めつけられる様な気がするのは何故なんだろう…いくら考えても答えは出なかった。風も吹いてきて寒くなってきたし、もう帰ろうときびすを返し寮の方へ帰ろうとした…その時自分を見ているような視線を感じた。誰かに見られている?後ろを振り返ったが誰も居ない…もしかしてさっきの迷路にやっぱり人が居たんだろうか…もう一度迷路の出口を見たが暗くてよく見えない…人が居るような気配も感じない、気のせいだったのか?中に入って確認しようかと思ったが日が大分傾いていた、あんまり遅いと寮の世話役のミーアの嫌味が面倒だし帰ろうと寮に急いだ。でも寮にはミーアは帰ってしまっていたのか居なかった。それにホッとして勝手知ったるでノックも無しで部屋に入ると、何故か荷物が増えている?いや違うこれは自分の荷物なんかじゃない…もしかして自分以外にも誰か居るのか?でもそんな事言ってなかったはずだけど、でもだったら一体誰の物なのかと悩んでいると、ドアがノックされ入って来たのはセレスだった、とっさに
「え!何で?」
訳が分からず後ずさると、セレスは自分の荷物を解きはじめた。どうゆう事だ?こいつは貴族だろ?この寮は家が遠いとか庶民とかがここ使うはずじゃないのか?もしかして…自分の方が部屋を間違えたのか?急いで部屋から出てドアの横のネームプレートを確認すると、そこにはきちんと自分の名前が表記されてる…だったら一体と思っているとドアが開きセレスが顔を出し
「何してる?部屋に入らないのか?」
「え!あ、はい」
中に入り取り合えず自分の机に荷物を置き
「あの?」
声をかけると、セレスは手を止めこちらを見て
「何?」
「イヤ、何?ではなくて!何故貴方がここに居るんですか?」
セレスは首をかしげ
「……居てはダメなのか?ここは学校の寮のはずだが」
それはそうなんだけど…そうじゃない言いたいのは
「ダメとかじゃなくて!この寮は庶民とか貧乏なのが使う所だって!」
貴族の貴方がいてはダメだろと?セレスはため息を付き
「そんな事は無い、この寮は庶民だとか貴族とか制限なんかしては居ない。学校に通うのが不便がある者は誰でも使っていいんだよ、分かったかロッカ?」
「そうなんですか!」
セレスは頷きまた自分の荷物をほどいてる、ん?あれ今…名前呼ばれた?急に心臓がバクバクと、何だこれ…心臓がおかしくなった?走ったりしてないのに…胸を掴み考えていると
「どうした?調子が悪いのか?医者を呼ぶか?」
いつの間にかセレスが目の前に居て自分を覗き込んでいた。
「ハァ!大丈夫です!」
あまりの事に変な声が出てしまった。首を振り大丈夫と言うとセレスは一言「そうか」と心配してくれた、自分のような人間でも普通に接してくれるけど…自分みたいな人間と一緒の部屋でも…もしかして出て行った方がいいんだろうか?…それに自分は元々外で生活していたようなものだし大丈夫か?言われる前にと薄い毛布を掴み部屋から出て行こうとすると、セレスが前に立ち
「何処に行くんだ?もう遅い時間だ」
「えっとあの、この部屋使って下さい、私は廊下でも何処でも寝れるんで」
頭を下げて言うと、腕を掴まれ
「私が一緒では、イヤか?」
真剣な顔で聞かれ、思わず首を振り
「違います。嫌とかでは無くて…流石に私みたいな貴族でも無い人間が貴方様のような人と同じ部屋と言うのは…そちらが嫌ですよね?私は廊下でも外でも寝れるんで大丈夫です」
昼間のスノッブ達の言葉を言うと、セレスは
「そんな事は無い!私は君と…、一緒に居たい…もしロッカが嫌と言うのであれば、私が廊下で寝よう」
もしそんな事がバレでもしたら、学校どころか外も歩けなくなってしまう…首を振り
「いいえ、大丈夫です…ここに居てください。是非とも」
セレスはホッとしたように笑った、その顔に「ドキ」とした…やっぱり心臓がおかしいのか?
「安心して欲しい、決してロッカに無理な事を強制するつもりもない、ただ側に一緒に…居させて欲しいんだ…」
セレスの真剣な顔にそれ以上何も言えず頷いて自分も戻って明日の準備をしようと、その姿をセレスが独り言のように
「…まだ、今は…な」
うんと後ろを振り返り
「何か言いましたか?」
「いや?」
腑に落ちなかったが、まあいいかと、いくら自分が女とバレても、まぁ別に隠してはないけどセレスのような貴族が自分のようなのに手は出さないだろうし、それに部屋には各個人のブースにはカーテンがあり着替える時とか引けば問題もないと思っていたが後で後悔するこになるとは、思いもよらなかった。