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初めての友達

どうしょうと何度となく教室を覗き込み…自分も中に入りたいのに足が前に動かない…恐くて、また人から奇異な目で見られたらと思うとすくんでしまう…もう一度教室を覗くと、そこには大勢の人が男女問わず居る年齢もそんなに変わらないが圧倒的に男性の方が多い、少ない女性陣は一ヶ所に集まって騒いでいた、その中心にはさっき案内?してくれた男がいた、女性達はその男に群がっている、成るほどな確かに顔は良い今さらに気が付いた。それもそうかと声の印象の方が強くて顔まで気が回らなかったからな…すると男がいきなりこっちを見て目が合ってしまった!反らす事が出来ずにいると、男の横に居た男が話しかけてくれたお陰で反らした、何だろうあの人を見ていると不安な気持ち?何だろうかよく分からない気持ちになる…さっきの感情も……。


「あれ?」


いきなり声がし顔をあげると、いつの間にか自分の前に人が立っていた、そこに居たのは自分と年が変わらないか同じぐらいの生徒が居た、不思議そうに自分を見ている、そして自分も目の前にいる生徒だろうか?を凝視してしまった、目の前に居る人物の目が明らかに細い!…果たしてこの人は自分が見えているのだろうか…いやもしかして…今目を閉じているのかも?それにこんな細い目をした人を見たことがない!あまりにも見ていたせいで生徒であろう男が戸惑いながら


「あの…?君新入生だよね?違ったのかな」


見えているのかこれで!そうかと一人納得して、ようやく、自分の事を聞かれた事に気付き何か返そうとするけど、緊張してうまく声が出ない。すると何か勘違いされたのか…


「もしかして…私何か君の気に障るような事しちゃったのかな?」


どうしょうと慌てた様子だ、自分も誤解を解かなければと首を振り


「違う!ご免なさい…あの…」


かすれた声でどうにか謝ると、男は細い目を更に細くして笑った。


「良かった、私の言葉で何か君の気に障っちゃったのかと…違うのなら良かったよ。あっとまだ自己紹介がまだだったよね?私は ラゴ=レイトナーって言うんだ。ラゴって呼んでくれ」


その言葉に頷き自分も


「私はロッカ=ラティラ。私の事もロッカでいいラゴ」


「そっか、ロッカよろしく」


ラゴが手を差し出してきた、握手かと自分もおそるおそるその手を握ろうとした瞬間後ろから


「オイ!邪魔だ退け!」


ドンと背中を押され前につんのめってしまった、転ける瞬間何とか踏みとどまり後ろを振り返ると、不遜な態度の男が鼻をならし、こっちを睨んでいた。どうやら教室に入ろうとして自分が邪魔だったようだ…いきなりの事にビックリしていると、不遜な態度の生徒の後ろを、腰ぎんちゃくの様な二人組の生徒がこっちを睨み


「全くこんな所で喋ってるな!スノッブさんの邪魔なんだよ!」


「そうだ!邪魔なんだよ!」


いきなり怒鳴られた、いきなりの事で何も言えずにいると、ラゴが自分の前に立ち頭を下げて


「スイマセンでした、ほらロッカも!」


何がなんだか分からないけど、ラゴと一緒に謝ると、スノッブは自分達の態度に満足したのか行ってしまった、その後ろを追いかけるように二人の男が


「あ!待ってくださいスノッブさん!」


と追いかけて行った。ラゴを見ると、あらかさまにホッとした顔をして


「あ~良かった!おっとロッカさっきはゴメンな!あれぐらいしないと厄介なんだよ」


手を目の位置で合わせ謝り、それに首を振り


「いや、別にいい。それよりさっきの男達は何?」


聞くと、ラゴに腕を掴まれ教室の後ろに連れて行かれた。ラゴはキョロキョロと回りを見て人が居ない事を確認して小さな声で


「さっきの偉そうだった男はスノッブ、まぁさっきのを見れば分かると思うけど、アイツ等には極力近付かない方がいい、アイツは貴族を鼻にかけてて、庶民は召し使いか何かと勘違いしてる…自分より下の人間は馬鹿にする、だから歯向かうより流すほうがいいんだ」


ラゴが済まなそうに、文句は有るだろうけどこらえて欲しいと、そんなラゴに頷き「分かった」と実際こうゆう人種は近く居たから全然何とも思わない免疫が出来ているしと一人頷いてるとラゴに


「ラゴ!さっきのはヤバかったな!」


ラゴの背中にのしかかるように男がニヤニヤと、ラゴは男を振り落とそうとしてると、また違う方から


「エンデ。ラゴ嫌がってるよ、ほら退いてあげなよ…ラゴ大丈夫?さっきは大変だったね?大丈夫だった?」


「お前等、見てたんなら助けろよ!」


ラゴが二人に文句を言うと、二人は首を振り


「嫌だ」


「ゴメンね?彼等とは関わりたくない。それで…そっちの子は?」


いきなりこっちに話が来た。ラゴは二人に


「ああ!さっき友達になったロッカだよ。ロッカこの二人はボクの悪友のエンデとモモだ」


紹介された二人はラゴに


「そんな紹介あるかよ!ロッカって言ったけ?オレはエンデ=デュリス。エンデで良いぜ!」


エンデはモモに「お前も自己紹介」とモモを押した、押されたモモは人見知りなのか、顔を真っ赤にしながら


「あの…ボクはモモ=アザレアって言います。ボクの事もモモで…」


今度はラゴがこっちを笑いながら見てる。ゴホンと咳をして二人に


「えっと、ロッカ=ラティラです…私の事もロッカで…あの、いいです」


緊張でうまく自己紹介が出来ない。さっきから色々な事がある過ぎて処理が出来ない。ジジとメイトの時以来の事だ…手は汗で濡れてるし必死だった、するとモモが


「あの、大丈夫?凄い汗だよ?もしかして…調子悪い?」


心配そうに聞かれ、首を思いっきり振り


「大丈夫だ!」


怒鳴るように言い返してしてしまった、モモが小さな声で「ごめんなさいと」と内心しまったと、あれほどメイトに言葉使いに気を付けなさいと口酸っぱく言われていたのに…謝まらないと!とモモに


「ゴメン…済まない。そうじゃ無い…いきなり大声を出して…怒鳴った訳じゃないんだ…気を悪くしてしまったのならば本当に申し訳ない!実は友達って初めてで、緊張してて…」


頭を下げて謝ると、3人ポカンとした次の瞬間一斉に笑い出した。ラゴは涙を流しながら


「大丈夫だよロッカ、そんな事私達思ってないよ!な?」


二人に聞くと二人も頷いて


「そんなの、スノッブ達に比べれば全然だよ!むしろロッカの方が好感が持てるし」


「そうだよ!ボクもゴメンね」


二人の言葉に胸を撫で下ろしてると、ラゴが


「この二人は良い奴だから安心してくれ…それにしてもロッカお前面白いな…もしかして天然なのか?」


ラゴの言葉に首をかしげ


「天然?いや?一応外では暮らしては居ないが?」


「!!!」


3人はお腹を抱え大笑いしてる、何か自分は間違った事を言ってしまったのか…?天然物は高くて見付けるのは大変とメイトが言ってた…逆に養殖物は安く手に入りやすいとジジが言ってたのを思い出した。それがどうしたのだろう?


「何か…変な事言ったか?」


ラゴが涙を拭きなが


「イヤそうじゃないけど、そっか天然かロッカは」


エンデとモモも頷いて天然の言葉の意味を教えてくれた、納得して思ったやっぱり一人ではダメだなと


「あのさ、3人にお願いがあるんだ…」


3人が神妙な顔で


「何?」


それに頷き


「私実は…ここに来る前…少し?普通の人と違う生活環境じゃなかったらしいんだ…だから皆と違う事をしてしまったりしたら、注意してくれないだろうか?」


3人の顔を見ると、ビックリした顔をしていた、3人はお互い顔を見合ってる、もしかして無理な事だったのか…自分一人だったら何を言われても平気だが、今はジジとメイトの養子となっている身だ、二人に迷惑かけてしまう事は避けたい、二人の養子になって三ヶ月の間にメイトに色々教えてもらったが、なんせ三ヶ月と付け焼き刃だ…どんな所でボロが出るか分かったもんじゃない……だけどそれを注意してくれる人が入れば安心だ、と3人に真剣に言うと3人はニッコリと


「そんな事?良いよ」


「別にそのままでも良いと思うけどなー」


「うん」


ラゴがズイと


「それじゃロッカの為に私が、ここに居る生徒達の事を教えるよ!」


「ああ、それは良い考えだな、知ってて損はないな」


「そうだね」


エンデとモモが頷きラゴが「ゴホン」と咳をして


「このクラスの人数は約20人ぐらいかな?だいたいの生徒は貴族の出だ、ロッカの様に庶民の出で学校に来ている者は、そんな居ないと言うかほぼ0なんだ…これはまた今度説明するよ。そんなで学校に居る生徒はほとんどが貴族と、それに連なる人達…つまりボク達の事ね。まぁ貴族と言っても末端に属してる様な家。それらは別に対した事じゃない害は無いかr安心していいよ…厄介なのはさっきのスノッブ達の様な奴等、貴族で名家と呼ばれる人達がいるんだが…これには近付かない方がいい」


二人もラゴの言葉に頷いてる


「名家って?」


「名家って言うのは、ほらあれ」


ラゴが前にたむろしている生徒達の中の一人を指差した、指差した先を見ると、そこにはさっきの道案内してくれた男が居た。男は複数の女生徒達に囲まれていた。


「あの方の家柄はこの国の伝説とまでとなっている人の子孫なんだよ、こっちから話かけるなんておそれ多いし…もし話かけてファン達が黙ってない…」


成る程と頷く、名家の人間と関わるとろくなことがないと言いたいのか。でもさっき関わった事は黙っていようと…ふと男を見ると…また目が合ってしまった見てたのが分かったのかと慌てて反らした。


「どうしたロッカ?」


「え!何でも無い」


ラゴが心配そうに聞いてきたが言えずにいると、エンデが興奮した声で


「うわ!ヴェロ―ナ様がこっち見てる!見てみろよラゴ、モモ、ロッカ!」


ラゴとモモはエンデの声で見ると、もう見ていなかった


「えー?エンデ本当だったのか?」


「本当に見てたんだよ!」


エンデは必死に言いつのったが、聞いてもらえなかった、ラゴが自分に向き


「ロッカはあの人の名前まだ言って無かったね丁度良いから教えるよ、まぁ先にエンデが言ったけど、セレス=ヴェローナ。皆はエンデが言ってたようにヴェローナ様って呼ばれてる、あっとほらヴェローナ様に今話しかけてる人が居るだろ?その人も伝説の家柄のバルカン家のシンク」


そう言えば、ヴェローナが教室に入るなり真っ先に話かけた人物だった。ふとさっきのを思い出し…もしかしてヴェローナは私みたいな下の人間とは喋りたく無くて無視したのか…所詮は貴族様なのか3人は尊敬してる風だけど…ラゴが思い出した様に


「おっと言い忘れてた!ヴェローナ様は余程の事が無い限り喋らないからね!話かけるならシンクにね?まぁ話かけるような事はまず無いだろうけどね」


「……喋らない?」


「そうなんだよ、現に私達もヴェローナ様の声を聞いた事が無いんだ」


エンデとモモも頷いた、もう一度よく見るとヴェローナは確かに黙っている…ひたすら喋ってるのはシンクだけだ、ヴェローナはそれに頷いてるだけ


「あれでいいの?大丈夫なのか?」


聞くとラゴ達が「う~ん」と


「噂だとシンクはヴェローナ様の言おうとしてる事が分かるらしいって噂を聞いたけど…なぁ?」


「ああ!オレもそれ聞いた事がある!伝説とまでになった人達はもしかして…出来るのかと、なあモモ?」


モモも聞いた事があるのか頷いてる、思わずゾッとしてしまった、そんな人間がこの世の中にいるなんて…絶対に関わり会いたくないと心から思った。

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