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闇空  作者: 闇の使徒インフェルノカイザー
第七章 ~覚醒、封印サレシ太古ノ力~
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覚醒の覚醒

「己を超える…畜生、また越えなきゃいけねーのか…」


インフェルノカイザーは超える度に現れる更に高い壁に疲れ切っていた。

一体、いくつ超えればいいのか…。

真の闇を習得する際も、不可思議な世界を彷徨い、やっとの思いで習得した。

今回は、自分の影との戦い。それは自分自身との戦いを空間化したようなものだ。

真実を突き止めれば更にその奥に真実がある…。覚醒をすればその先にはまた覚醒があるのだ。

しかしカイザーは超えなければならなかった。父の死、それが自分自身を縛りつけているのだ。

地を蹴り、影に向かい右足をふんと振る。闇のオーラで増強された脚力は大木をも闇へと沈める。

が、影はその右足を両腕でガードし、隙が生まれたカイザーに左足で蹴り飛ばす。

カイザーは50m程吹き飛ばされる。体力テストなら10点レベル。


「グッ…流石影だぜ…俺の動きを把握してやがる…」


両手で地をしがみ、ゆっくりと立ち上がる。気合で。

そして闇を放つ。しかしその絶対量は普段のインフェルノカイザーを遥かに超越していた。


「真闇―解放」


インフェルノカイザーからは火山の噴火の如く闇のオーラが放たれた。

そのオーラ、嵐の如し…。闇のオーラは暴風となった。しかしこれは闇のオーラであるので語弊がある。しかし、その禍々しいともいえる暴風はカイザーの身体を包み込み、カイザーの身体は見えなくなってしまった。暴風である。


【真闇―解放―】全てのリミッターを外し、真の闇のオーラを全て放つ。限界を超えたこの技は自身の身体をも闇のオーラへと変え、全ての能力はケタ違いに跳ね上がり、闇のオーラは全てを消し去る。新闇使いの最後の切り札。


「真闇―解放―…この状況で使ってくるとは…。こやつ、本当に覚醒したいんじゃのう…死にかねんぞ…」


永遠の闇は遠くで起きる闇の暴風を眺めていた。このインフェルノカイザーの思い、そのものを…。

インフェルノカイザーは覚醒したいと言うよりは、我武者羅なのかもしれない。永遠の闇はそう思った。

このままでは、闇に飲まれてしまうかもしれない…。そう、真実の闇を取得したものでさえ闇にのまれる事は少なくない。

真を知れば危が増える―まさにその言葉通り、インフェルノカイザーは己自身が作り出した暴君により、身体を蝕まれる。

しかし、これは想いである。


「うおおおおおおおおおっ……!」


カイザーは飛び出す。



「ハアアアアアアッ!」


暴風が飛びだした。その闇の暴君は荒野の全てをもぎとった。荒れた芝は毟り取られ、枯れ木は宙へと舞い上がる。

空間さえもその暴風に吹き飛ばされそうな勢いで、その暴風は凄まじい速度で影に迫る。

インフェルノカイザーは何も見えていなかった。しかし目は血走り、歯を食いしばり、身体は自分自身から受けたダメージによりボロボロだ。

もう、止まる体力さえない。ただ突き進んでいく。

影は何もせず、立っていた、棒立ちであった。それでもカイザーは構わなかった。自分自身を超越するために、この存在を飛ばさなければならない。


「真黒砲―DDTC(Darkness Darkness Tornado cannon」


ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!


全ての闇がインフェルノカイザーから離れ、その暴風は影を飲み込んだ。

凄まじい轟音とエネルギー。荒野は一瞬にして丸裸の地へと化した、辺りは何も無い。

これが仮に現実世界であれば、世界は崩壊していたのかもしれない。

それはDDTCの威力である。全てを飲み込み、闇へと帰属させる。

そのエネルギーはブラックホールをも超越する。


インフェルノカイザーは身体が軽くなったと同時に、全身に重いものがのしかかった。自分自身のダメージである。


「グッハッ…!や…ヤベェ…」


もう闇のオーラを1mmも放つ事はできなかった。身体はもう限界だった。否、限界は超えていたのかもしれない。

地にそのまま倒れる。


「此処まで…したが…覚醒…バース・ト…」


しかし、指輪は光る事は無かった。

己の超越とは、自身の限界を超える事ではなかったのだろうか。

しかし今のカイザーにはそんな事を想う体力さえ無かった。考えるという行為すら不可能な程疲労している。


「無茶しおって…えすか奴ばい…。このままじゃ~おっちんじまうとね…」


永遠の闇は分かっていた。

そう、闇の限界を知る事が覚醒の覚醒をする事ではない、と。

己を超えるという事がどういう事なのか?それをインフェルノカイザーはまだ知らなかった。


「凄まじい才能だが、まだまだ未熟じゃな…先が見えとらんわ」


永遠の闇はインフェルノカイザーを抱え上げ、異次元から姿を消した。

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