光る闇
「しかし此処は暗いな…まるで脱臭炭みたいだぜ」
インフェルノカイザーは辺りを見回しながら言った。
「当たり前だ、ここはUNDERGROUND(地下)…。光という光は閉ざされ見える物は皆無…その上ここには恐ろしい邪蛇が潜んでいる、こんな危険な所からは早く脱出した方がいい」
エルリークは斧を肩に担ぐ。
「邪蛇というのは―」
「そう、先刻のバルバロイスネーク…略してバルロスだ」
刹那、奇声が響き渡る。その声は背後―
振り返りバックステップを取る。
その声の主は―
「バルロス!!」
「クッ…追ってきたか…」
「バルロスはインド象の1200倍もの嗅覚をもつ…貴様の臭いを手繰る事など容易いことだ」
「やはりダークネスワールドだけでは」
バルバロォイスネークは鋭い眼光で三人を睨みつける(蛇睨み―いや、蛇でさえ逃げ出すであろう、と思う)
その瞬間、三人は石のように体が硬くなり、身動きがとれなくなった。
「バルバロ・アイ!これはヤバイ!誰か闇魔法を!」
「任せとけ!」
インフェルノカイザーから全身に闇のオーラがいきわたる!
「おいっインフェルノカイザー!その技はまだ…!」
「フルバースト!!暗黒式対獣砲ヤミノマ」
インフェルノカイザーの全身のオーラが一気に解放され、散弾となりバルロスの身体をバラバラに引き裂いた!
「クッ」
「むちゃしおって!」
ウルフが驚くのも無理もない。
この技は闇の住人でさえ相当のエネルギーを要する…そう、無理もない。
「全然大丈夫だ…さあ、先に進もう」
「…(こいつ…あれだけのエネルギーを…たやすく扱えるだと…?)」
早くもエルリークは彼のその非凡の才能に気付き始めていた…。
「地下から地上に出るには漆黒の闇の塔通称DDTを通らなければいけない…」
エルリークは静かに語った。
「DDT…あれが、その塔か?」
ダーク・ウルフが指さした先には真っ黒い塔がそびえたっていた。
トッポ
「登ってみせる…さあ、行こうぜ?」
「ああ」
三人は登ることにした。
塔の中は湿っていた。まるで梅雨の時期みたいだ。
「しけってるな…そこら中に苔が生えてんぜ」
「あぁ」
その時、奥のほうで話し声が聞こえた
「ヒソヒソ…ヒソヒソ」
「俺等のほかに…何者かがいる?」
ウルフは闇の千里眼を使い奥を見てみた。
「あれは…!」