表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇空  作者: 闇の使徒インフェルノカイザー
第六章 ~光による独裁と黄昏の闇~
57/474

無情の光

タケシのワープによって一命を取り留めたインフェルノカイザー達はフラッシュタウンの近くの丘に出現した。

丘からはフラッシュタウンを一望でき、さっきまで死闘を繰り広げていた光軍の基地も見える。


「いやー危なかった!ひやひやしたにぃ!」

タケシは相変わらずふざけた口調で辺りを見渡す。


「カイザー!大丈夫か!?今闇の瞑想で応急処置をするからな!」

真っ先にダークウルフはインフェルノカイザーの傷の手当を始めた。

一命は取り留めたものの、やはり傷は深く血が大量に出ていた。



「で、あんたはなんでこんなところにいるんだ?」

禿が冷静にタケシに質問を持ちかける。


「そーれーがーさー、ある物を探してこの街きたらさー。街の様子おかしいんだわー。んでんでんでー見かけた街の人に事情聞いたら光軍の基地にあんた等が乗り込んでるって言うもんでさー。気になったから忍び込んでみるとあんた等がフルボッコにされてて助けたってわけよ~ん!」


禿の質問にタケシは事の経緯を話した。

タケシが来なかったらインフェルノカイザー、ダークウルフ、エルリーク、アージョの4人の命は無かったであろう。





一方、インフェルノカイザー達を逃がしたクリス・ディオールが統治する基地内はクリスの冷静な判断により落ち着きを取り戻していた。

冷静な判断と明確な指示、そして武力も持ち合わせるクリス・ディオールという男は「光軍の下で働きたい上司ランキング」に5位に入る。



「そういえば兄さん^^^」

「なんだ?」

チャン・ディオールの呼びかけにクリスは静かに応じる。


「エクストリーム砲の試し撃ちはやらないの?^^」

「僕はそれを見に来たんだけどな^^^」


クリスは無言で無線機を出し、何者かに連絡を取る。


「例のブツの調子はどうだ?・・・ああ・・・そうか。ではすぐ試射体制に入るよう命じろ。・・・ああ、着弾位置に変更は無い。」


クリスは無線を切ると窓から見えるフラッシュタウンを見つめ、口を開いた。


「エクストリーム砲の第一セッティングが完了したようだ。これよりお望みの試射を行う。じっくり見ておけ。」

クリスはニヤリと表情を変えながらエクストリーム砲の試射に期待を寄せた。


「話が分かる兄さんで助かるよ^^^^^^^」

チャンは相変わらずの笑顔でクリスに答える。








「う・・・ううん・・・?」

気絶していたアージョが目を覚ます。

何が起こったのかが分からない様子で辺りをキョロキョロ見渡す。


「気がついたか。えーっと、アー・・・ジョさんだっけ?」

ダークウルフがアージョに声をかける。

インフェルノカイザーの応急処置も終わりすっかり疲れた様子である。


「一体何があった!?街の人たちは?光軍の奴等はどうなった!?」

剣術の達人(自称)は近くにいたダークウルフに鬱陶しいテンションで質問する。


「そがん焦らんでもちゃんと説明すっけんおちつけ」


茶色の禿ことエルリークがアージョをなだめる。

アージョは一転しダークウルフの前に正座し説明を待つ。


「(顔近ぇ)街の人達はあんたがやられてから制圧されたらしい。基地に入った俺たちは・・・光の幹部に負けたよ・・・。」


アージョは己の不甲斐なさに怒りを覚えた。


「そうか・・・クソ!私がいれば幹部なぞ3秒で倒していたのに・・・!」


自称剣豪は涙を流してそう叫んだ。

「めんどくさい奴」ダークウルフはそう思ったから今回はスルーした。



「なんだあれは・・・」

唐突にエルリークが呟く。

禿の目線の先には光軍の基地があった。


禿の言葉に釣られ、ダークウルフ等も基地を見る。


そこには先ほどまで無かった何かがあった。


それは筒のような物が突き出していた。

緑色の光を淡々と点滅させ、一同の注目の的となっていた。(カイザーは寝てる)


「なんだあれ・・・」

「あれはエクストリーム砲・・・」

ダークウルフの言葉にタケシが呟くように答える。


「エクストリーム砲といえば街のじいさんがぶっ放すとおっしゃっていたあの大砲か!?」

自称剣の達人が言う。



「とするとあの筒のような物は砲身か・・・砲身の向き、フラッシュタウンだな」

エルリークは静かに分析する。



「まさかそんな事までしないだろう」

ダークウルフの言葉とは裏腹に無情にも「ドン」と言う音が聞こえた。


紛れも無くエクストリーム砲から弾が発射された音である。


弾は弧を描き、やがてフラッシュタウンの中央にある公園に着弾した。


四人は言葉を一切発せず、見ていることしかできなかった。


着弾した弾はものすごい音を出し爆発。フラッシュタウン全体を飲み込んだ。

見ていた4人に強力な衝撃波が襲う。






そして




フラッシュタウンは無に帰した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ