地獄にBOUZU
「・・・・・・・っ」
声を出そうにも出せない。
インフェルノカイザーの絶望は深海より深かった。
「終わりだ。」
クリスは瞬時に槍を召喚し、
インフェルノカイザーに突きつけた。
「カイザァー!!!!!!!!!!!!!!111」
ダークウルフの咄嗟の叫びにハっとし、インフェルノカイザーは身を反らした。
ズギュル!!
「グァtッツ!!」
インフェルノカイザーは激痛に声を上げる。
咄嗟の判断により致命傷は避けれたものの、槍は右腹部をえぐっていた。
「あの状況からなお致命傷を避けるとは流石。と言っておこう。」
「だが・・・もうかわす力も残っていまい!!」
クリスは再度槍をインフェルノカイザーに向け突き出した。
インフェルノカイザーは激痛にひたすら耐え、動く事もままならない状況であった。
(ここまでか・・・)
インフェルノカイザーは激痛の中、ダークウルフ、エルリークを横目で見る。
ダークウルフが何か叫んでいる。
だが頭に入ってこない。
エルリークも何か叫んでいる様子だ。
しかしやはりその言葉はインフェルノカイザーには届いていなかった。
「終わりだ・・・!」
槍は勢いよく突き刺さった。
だがインフェルノカイザーにではない。
突如インフェルノカイザーを覆うように出現した"木"に突き刺さったのである。
「何!?」
これには流石のクリスも動揺を隠せない。
クリスは槍を離し、即座に距離をとる。
「ッハッハァ!!ナイスタイミングだねィ!!」
聞き覚えのある陽気な声と同時に木が部屋全体に侵出する。
同時に倒れていたインフェルノカイザー、アージョをダークウルフと禿の場所へと枝が運ぶ。
「この木・・・このオーラ・・・まさか・・・!」
ダークウルフは見覚えのあるオーラに興奮していた。
まさかこんな状況で"ソイツ"が来るとは思ってもみなかったからである。
完全に不意を突かれたクリス・ディオールとチャン・ディオールの兄弟はドア付近まで移動し辺りを警戒する。
「小癪な真似を・・・何者だ・・・!?」
クリスが光のオーラを放出させながら問う。
「俺の名前はタケシ!異世界の住民さ!」
タケシはそう言い放つと同時にドヤ顔で木の上に立っていた。




