鮫鯱鮪
「クリス様から命令が下された。反逆者は根こそぎ息の根を止めろ」
「ハッ!」
それまで民を抑えていただけの兵達はそれぞれ、武器を構えオーラを発する。
「やばい!奴らが手を出すぞ!皆の衆、撤退しろ!」
「わーっ!逃げろー!」
蜘蛛の子を散らすように民は逃げていく。
しかし…一人だけ逃げずに剣を振う者が居た…。
「残念だが、俺は剣術の達人!貴様等なんかに負けるような軟弱者では無い!」
剣術の達人(自称)アージョである。
「ほう…よほど死にたい愚かな民が一人いるようだ…」
「俺等と戦うなんて、命知らずだな。いいだろう。光に妬かれて死ぬがいい!!」
兵隊達は光のオーラをアージョに向けて一斉に放った。
「貴様等は剣術の達人を分かっておらん!名刀サメハダ!呻けッ!」
アージョは迫りくる光のオーラに向けて名刀サメハダを振るう。
「【気斬】―オーラカット―」
ザンッ!!
スパァ
「オーラを斬った…!?そんな馬鹿な!?」
物理的な物でエネルギー体を切断するというのは、実際ありえない事である。
しかし、アージョは剣を振り、オーラを真っ二つに斬った。
斬られたオーラは宙で消滅する。
「不可能を可能にする男とも言われているこの私に不可能などない。もう一つの刀を貴様等に見せよう!」
アージョは腰に携えていた柄から、もう一つの剣を取り出す。
「真刀シャチゼン!」
「二刀流か…構わん、お前等行けッ!」
「イエッサー!!」
号令と共に光軍の兵隊が一気にアージョへと襲い掛かる!
しかしアージョは怯むことなく迎え撃つ。
ゾバ!
「ぐあ!」
「っが・・・!!」
ゾババ!!
「ぐはぁああ!!」
「あああああああ!!」
「うわああ・・・!!」
ゾバ!ゾバゾバ!!
「ぐわぁ!!」
「ぎゃああ!!」
「ぬわーー」
「がはぁああ!!?」
アージョの剣術の前に光の兵士はなすすべも無く切り刻まれる。
その姿はまさに斬撃の暴風。またはシュレッダーと言ったところか。
「おのれ…!!攻撃止め!!距離を取り一斉にオーラを浴びせてやれ!!」
何百人もの兵隊が一斉に光のオーラをアージョに向けて放つ。
これは斬って裁ける程の量ではないし、避けられる程の量でもない。
光のオーラがアージョの姿をとらえきれない程にぶち当たる。
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!
「可哀そうに。此処までされては跡形ものこらんだろう。お前等、もうやめておけ」
兵たちは光のオーラを放つのを中断する。
アージョがいた場所には、煙が漂い、コンクリートは粉々に粉砕され窪みが出来、土が露出している程だった。
アージョの姿は跡形もなく消えていた。
「全く、何百人もの兵に一人で相手をするとは―いかに愚かであろう…」
「ぎゃああああああっ!!」
「うわあああああっ!!!」
刹那―後方で叫び声。
「!?」
「光刀ヌシマグロ!」
ズバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ
「えっ」
ブッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
隊長が振り返ると、そこにはさっきまで立っていた何百人もの兵が一人も立っていなかった。
そう―全員がやられた。一瞬にして―
誰に…?
「おいおい…本当かよ」
隊長は目を疑った。
そこには、凄まじい程大きな光のオーラ―30Mはあるだろうか―を噴出している刀―それを持っているアージョがどや顔で立っていたのだ。




