残酷な真実
暫く進んでいくと、廊下の右側に扉が一つ半開きになっていた。
「どうする?入るか」
「そうだな…何かあるかもしれん」
インフェルノカイザーが扉を開け、中に入る。
そこには…
「うっうっうっ…」
なんとアパートで泣いていたあの光の兵が壁に背を向け椅子に座ってまた泣いていたのだ。
(やばっ、人いたんだ…DMPの影響で全然分からんかった)
DMPの影響で闇エネルギーの電磁波を充満させているので、普段なら気づくことのできる気配も、つかみ取る事ができないのである。
インフェルノカイザーは一つ誤算をしてしまった。
「ん…?あっ、お前たちは…!」
男は振り向きこちら側に気付き、立ち上がる。
「どうやって此処に入って……」
しかし、男は俯き、また椅子に座った。
「いや、もうどうでもいい……どうせ俺は此処で終わるつもりだったんだ…」
「…あんた、確かウエポアパートの方でも…」
ダークウルフが口に出す。
「ああ…何でお前等がこんな所にいるんだ…早く帰ってくれ」
「光の軍の情報を得に来たんだ。此処で帰る訳にはいかない。そして、お前には此処で消えてもらおう」
インフェルノカイザーが闇のオーラを拳からバーストした。
しかし、男は戦う様子も見せず、ただ項垂れているだけだった。
「…戦わないのか?」
「俺はもう、戦うのはゴメンだ…。俺の求めている光っていうのはこういうんじゃねえ」
「…」
インフェルノカイザーは拳を下ろした。
「何なんだ、あんた。前の時も、俺等を追い出し、かと思えば基地に侵入している自分達を排除しようともしない。一体どういうことなんだ?」
「…ああ、普通は排除してる所だ…。だが、俺は光軍をやめるつもりだったんだよ。もうこんな過酷な生活は辛い…」
男は続けた。
「俺はブルジョワシティ在住の者で、一番の光使いとも言われいた。俺は自分自身の力を光の住民達の為に使いたいと思い、軍に入った。光の為に、命を預けると…。そう、そして入った結果がこれだ。光という名目の元、明らかに間違った正義を振い、人々を惨殺する毎日…。挙句の果てに住民を殺せだと…?俺は、こんな事をしに此処まで来たんじゃない。俺が殺した人達の事を思うと…いや、どうしてあんな事をしたのだろうか…。絶対に俺はあんな事、しない筈だったのに」
そう言うと男はまた泣きだした。
「何言ってっかわかんねーが…あんたはブルジョワの方から来たんだな。道理でつきちゃんがあんたのとこに行けって言うはずだ」
「つきちゃん…というと」
「ツッキ・ユービだよ。あんたが光についてよく知ってるって聞いてね」
「ああ…あの武器屋の娘か。そう言えば、何度か会った事があったな。懐かしい…。故郷が懐かしいよ。あの子も良い光のオーラを持っていた…」
男は立ち上がった。
「誰だか知らないがあんたらに全部ぶちまけたらふっきれたよ。俺はこれから故郷に戻る。そして故郷に戻って殺めてしまった人々の償いをしていこうと思う。こんな所はもう真平だ」
「よくわかんねーけど、じゃあなおっさん。光軍の情報については知らないか?」
「ん…もう俺は光軍と関係ないし、いいか…この部屋を出て奥に進むと、基地の中枢となる場所がある。そこのパソコンに色々データが入ってるからそこから好きにするといい。だが、あそこはオートロックもかかってるし、警備も厳重だ。まあ、それくらいしか知らないな。俺も光軍については最近はいったばかりの新参だしな…」
「分かった。ありがとう」
「お前が何をしたいのかよく分からんが検討を祈るよ。じゃあな」
男はそう言うと涙を拭き、部屋を去った。
「戦いになるかと思いきや、懺悔みたいなのを聞かされて…何なんだ?」
エルリークはつまらなさそうに斧をしまう。男がいた時には既に彼は斧を構えていた。
「さあな…ただ、光の軍というものがいかに非道であることはよく分かった」
「…ああ。人間のやることじゃねえぜ」
「中枢部に行ってあいつらの情報を根こそぎ奪い取ってやろう!」
三人は中枢部へと歩を進めた!




