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闇空  作者: 闇の使徒インフェルノカイザー
第十七章 ~聳え立つ巨塔。解き放たれるは救済か破滅か~
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ミッション:インターナショナル

「ほう、残念だ」


「!?」


突如部屋に入って来たその男にアウスは見覚えがあった。

堂々たる所作と鋭い眼つき、そしてどこか全てを見透かしたような眼差し。


「ア、アンタは・・・ポラリス・・・!?」


そう。その男の正体はつい先ほど見ていたブリーフィング映像の護衛対象、ポラリスご本人であった。


「お!ポラリスニキ~!来てたんですかい?」


「うむ。少々野暮用でな」


息を呑むアウスとは正反対に馴れ馴れしい態度とナメた口調でタケシはポラリスに挨拶する。


「・・・この者がお前が見出した傭兵か」


「そっス!彼ならピッタリだと思ったんですがねェ・・・。どうやら依頼は受けてくれないみたいですわ」


「それは残念だ」


一人状況について行けていないアウス。

だがポラリスを一目見た瞬間、アウスは悟っていた。この男の底知れなさを・・・。


(コイツがポラリス・・・!なんだこの感覚は・・・まるで心臓を掴まれているような緊張感・・・!)


アウスは思わず委縮してしまう。これでは戦闘中に木の実を食べる事が出来ない。

強張る身体を奮い立たせ、足早にアウスは歩を進めた。


「わ、悪いな。俺は帰らせてもらうぜ・・・」


ポラリスを避け、ドアノブへ手をかけるアウス。

その時、ポラリスが口を開いた。


「ああそうだ。そう言えば報酬の件を伝え忘れていたな」


「!?」


報酬・・・その二文字に対し思わず動きを止めるアウス。

確かに映像では報酬について触れられていなかったが・・・。


「報酬だと・・・?」


「そうとも。君の望むものを言ってみると良い」


ポラリスはどこか見下したような口調でアウスに提案した。


「ふ・・・ざけるなよ・・・?アンタ等光の連邦軍が何しようとしてんのか知ったこっちゃ無いが金でそれに協力しろってのか!?」


「ふむ・・・」


「連邦の悪事は色々見てきたし色々聞いたぜ?それに俺の親友もお前等のせいで死んだんだよ!今更協力できるかよ・・・!」


アウスは思わず怒りをぶつけた。

親友を死に至らしめた十二幹部ゾディアックの一人を倒し復讐は果たしたものの、その傷が消えたワケではない。

そう、死んだ友はもう戻ることは無いのだ。そんな悲しみを背負うアウスの拳は強く握られていた・・・。


「ならばその親友を蘇らせてやろう」


「は?」


怒れるアウスの耳に返ってきた言葉は予想だにしていないものであった。


「何言ってんだアンタ・・・バカにすんのもいい加減にしろよ・・・!?」


「私は星の核という物を探していてね」


アウスの言葉を無視し、ポラリスは自分語りを始めた。


「それは地下深くに封印されていて地脈と深いつながりを持っている。そしてそれがもたらすエネルギーは無限大と言っても良い」


「な、何の話だ・・・?」


「星の核を用いれば死者を蘇らせる事も可能だろう」


「は・・・?」


ポラリスが語りだした事は突拍子もない事だった。

さすがのアウスも怒りを鎮め、呆れる他ない。


「死んだ者がどうなるか・・・考えた事はあるかな?」


「は?興味ないね。天国だか地獄にでも行くとでも言えばいいのかい?」


「フッ・・・。その様な低次元の話ではない。人の魂は命を堕とすと地脈へと還るのだ。そしてそれがこの世界に満ちるマナとなる」


「そんな設定あったのか・・・?」


アウスは唐突に聞かされた宗教じみた世迷言に困惑する。


「地脈に干渉する星の核を用いれば死者の魂を呼び出し、蘇生する事も可能だろう・・・」


「っ・・・!」


「今回の依頼は私が星の核を手に入れる為の依頼だ。私の指示にさえ従ってくれればそれで良い。どうだ?考えを改める気になっただろうか?」


ポラリスは再度、アウスに依頼を提案する。

アウスは何かを言おうとしたがうまく言葉が出なかった。


「・・・少し考えさせてくれ」


「良いとも。だが長くは待てない。二日以内に答えを聞かせてくれたまえ」


それを聞いたアウスは魂が抜けたかのように部屋を後にした。


「アウスの旦那、受けてくれまっかねぇ~?」


「フン・・・。あの様子なら心配なかろう」


「てか星の核でそんな事できたんスか!?俺っちにも教えてくださいよ~!」


「フッ。そんな事出来るワケないだろう。おとぎ話じゃあるまいし・・・」


「草」


などと二人は今後の計画について語り合うのだった・・・。



一方で、突拍子もない事を聞かされたアウスはトボトボと外へ出るとそのままライジングボルトシティの宿屋へと直行した。

チェックインし、部屋に案内されたアウスは備え付けのベッドに腰を下ろすと頭を抱えた。


「・・・死者を蘇らせるだと・・・!?」


アウスはポラリスが語った事が頭から離れなかった。

本来、死んだ者が蘇るなどあり得ない話だ。生命の理に反し、倫理的な観点でもどうなん?って所だ。


「ハッ!バカバカしい!そんな旨い話あるかっつーの!」


バカデカイ独り言と同時に笑い飛ばすアウス。

だが・・・


「・・・それが出来るんなら・・・アイツを・・・」


胸元のポケットに手を伸ばし、中に入ってるペンダントを取り出した。

ペンダントには一枚の写真が嵌め込まれている。そう、アウスの親友の写真だ。

ポラリスが語った「人を生き返らせる」という事にアウスは気になって仕方がなかった。

それがあるとすればそれは禁忌の力・・・。そんなモノに手を出してタダで済むはずがない。

「タダより高い物はない」と言う言葉があるが正にその通りでこの依頼の裏にどのような代償があるか計り知れない・・・。


「・・・俺も焼が回っちまったな・・・」


アウスは自分に対し嘲笑し、一言呟いた。

そして翌日。一晩寝たアウスはとある場所へ向かった。


「やはり来たか」


出迎えるのは光の連邦軍の宰相、ポラリスであった。

すなわち、アウスが出した答えと言うのは・・・


「昨日の依頼を受けるぜ」


「クックック・・・。歓迎しよう。盛大にな・・・!!」


こうして・・・アウスは悪魔の契約を結んだのであった・・・。

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