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闇空  作者: 闇の使徒インフェルノカイザー
第十六章 ~開幕せし聖戦-ラグナロク-、破壊と創造の鎮魂歌-セレナーデ-~
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ドラゴンが如く

バギンッ!


ボゴッ!!


バヂン!!


ガィンッ!!


「ッッッあああああ!割殺ッッ!!!!」


「ホハァ!」


ドゴォン!!!


十二幹部ゾディアックの一人、牡牛座(タウラス)のバランと砂漠のドラゴンことエルリークは甲板上でしのぎを削っていた。

ぶつかり合う互いの得物。バランの持つ棍棒とエルリークが持つ斧はぶつかり合うたびに激しい火花を散らし、鈍い打撃音を響かせる。

互いに殺意の高い武器を全力で振り回すのだ。一発でも食らえば致命傷だ。当たり所によっては最悪、デスもありえる。

だが二人は怯む事無く正面から力と力をぶつけ合う・・・!


「滅砕ッッッッ!!!!」


ドゥゥゥン!!


「ぐっ・・・!」


バランの渾身のドライブインパクトをガードし、思わず後方へよろめくエルリーク。壁際だったらヤバかったかもしれない。


「あークソ・・・なんてパワーだ。手ェビリビリしやがる・・・。攻めるしか脳無いんか?コイツ・・・」


エルリークは手の痺れを紛らわす様に手のひらをパタパタしながら小言を言う。

ここまで何度か打ち合っているがバランは棍棒による打撃以外なにも繰り出していない。

今まで戦ってきた幹部連中とは根本的にバトルスタイルが違う事にエルリークは違和感を感じていた。


「ばってん、攻撃が単調な分対処は楽たい。さっさと終わらせてカイザー達に合流せんば・・・!」


そう言うとエルリークの身体からドラゴンオーラがブラスト!


「ドラゴン拳!ドラゴニック・グランド・キャニオン!!!」


ドドドァ!!ドドンドンン!!!


エルリークの叫びと共にドラゴンパワーを纏った岩がバラン目掛け降り注ぐ。

その見た目はまるで雪崩のようだ。これに飲まれればただでは済まないだろう・・・。


「カァアアアッ!粉砕ッ!!!!」


ドンッ!


ドバッ!!


バランは咆哮を上げると棍棒に光のオーラを込め、岩雪崩に対しぶちかます。

するとその余りの破壊力の前に岩雪崩は跡形も無く消し飛んでしまう!


「うお!?なんて奴だ・・・!」


「玉砕ッ!!!!!」


予想外の事に狼狽えるエルリークに対しバランはそのまま突っ込みダイレクトアタックを試みる!


「そう何度も・・・!」


エルリークは冷静さを取り戻すと斧を背中に納刀しながらバックステップでバランの一撃を回避。

だがバランはそこで止まらず飛び出すとエルリークを追撃する!


「大喝采ッッ!!!!!!!!」


「ドラゴン拳!ドラゴニック・エル・クロウ!!!!」


バチコンッ!!!!


エルリーク両腕にオーラが纏わり、龍の腕が具現。その龍の強靭な両腕でバランの棍棒を受け止める。

その衝撃により周囲の瓦礫などは瞬く間に吹き飛ばされる。


「捕まえたァ!!!」


エルリークはそう叫ぶと口にドラゴンエネルギーをチャージする!


「ドラゴン拳!ドラゴニック・ブロアッ!!!」


キュィィィ・・・!


ハクショォォォォオンン!!!!


エルリークの口から放たれる龍気を纏った衝撃波はバランに直撃し大きく吹き飛ばす。

至近距離でのクリーンヒットだ。ただでは済まないだろう。派手に吹き飛ばされたバランは観測塔の壁に激突し、そのまま地に伏した。


「フゥン・・・。確かにお前さんの攻撃力は大したモンじゃき。パワーだけなら正直言って俺様より上かもしれん。ちっくと前じゃったらもっと手こずっただろうのぉ・・・」


エルリークは得意げに語る。そこにいるのはもはやハゲの大男では無くちゃんと強い大男であった。


「が、所詮はそれだけ。パワーだけで押し切れるほど俺様はヤワじゃあ無かとよ。お前は今まで運が良かったから勝ち残って来れただけに過ぎん・・・。あと喚きながら攻撃的になるネタはワイが昔やったぞ」


エルリークは勝ちを確信し、起源主張をする。

バトルフェイズを終えエンドフェイズに入ったエルリークはオーラを収束させるとじゃあのと言わんばかりにその場を去ろうとする。


(フン・・・。キマったな・・・)


「・・・ッァアアアア!!!!」


ンゴッ!!


その刹那、バランは雄叫びと共に身体を起こすと完全に気を抜いていたエルリークに対し飛び掛かってきた!


「えぇ!?」


BONG!!!


繰り出された棍棒による一撃。

エルリークは咄嗟に身を逸らし直撃を避けるがその衝撃波によりぶっ飛ばされた。


「ぐぇ!」


ドヤ顔でキメゼリフを吐いたエルリークだったがクソ程情けなく甲板へ叩きつけられる。

頭を抑えながら身体を起こすとバランが闘志をむき出しにしてエルリークの事をキッと睨みつけているではないか。これには防御力ダウンも不可避(PP30)


「ホンット学習しねぇバカ! お前程度じゃ相手にならんと、証明してやっただろうがァ!」


奇襲を喰らったエルリークはよっこらせと立ち上がりそう言い放つと再度戦闘モードに入る。

一方のバランは左腕に光のオーラを纏わせ聞き取れないレベルの声量でボソボソと何かを呟く。


「あ?」


エルリークが様子見しているとバランは徐に左腕を伸ばす。

すると左腕は空間に飲み込まれるように消えてしまったではないか。

だが次の瞬間左腕は引き抜かれるように空間から出現する。

そしてその左手にはめっちゃ美味そうな骨付き肉が握られているではないか。上手に焼けている。


「えぇ!?!?」


「ガツッガツゥ!!ムシャムシャ!クチャクチャ・・・チャパチャパ・・・」


さすがにビビるエルリークだがそのようなハゲなどお構いなしにバランは肉をかっ食らう。

その姿は正にビースト。戦闘中だというのに良い食べっぷりだ。


「ゴクン・・・。はあぁあああああああッ!!!!!」


ズゴォン!!!


肉を食べ切ったバランはガッツポーズと共に咆哮を上げる。

同時に溢れんばかりの光のオーラがバランの身体から迸る!


「な、何だコイツ・・・肉食ってパワーアップしやがった・・・」


エルリークは一連の流れに動揺を隠せないでいた。と言うよりも理解が追い付いていなかった。

そう、無理もない。人は肉食ったからと言ってすぐに強くなれる訳ではないのだから。そう、無理もない・・・。


「・・・意味分からんわ・・・。面倒くせぇヤツの相手引き受けちまったなァ・・・」


エルリークは若干の後悔の念を抱きながら再度斧を構え、戦闘モードへ移行した。

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