真の闇の力~truth of Darkforce~
ブルジョワシティを後にしたインフェルノカイザー一行。しかしブルジョワシティの周りには相変わらずの霧がかかっている。
「全く、何も見えねーなぁ。行きの道なんて覚えてねーぞ!なぁ、インフェルノカ…」
エルリークがインフェルノカイザーを見たその瞬間、エルリークは戦略した。
インフェルノカイザーの眼には常人でも感じ取る事のできる絶対的闇のオーラが放たれていたからだ。
「見える…全て見える」
インフェルノカイザーはそう呟いた。
その言葉は真実だった…そう、霧が透けて見えるのだ。道が遠くまで見渡すことができる。
「インフェルノカイザー…これが真の闇の力ってことか…」
ダークウルフも同じようだ。
【マコトの闇の力①】全ては真実、閉ざされし≪偽り≫は解放される。
「なんだよ、お前等、新しい力を身に付けたとでもいうのか?」
エルリークは一人置いてけぼりにされているので困惑する。
「ヤムチャ」
「残念だったなエルリーク、お前が闇の住民じゃなくて。ま、これも運命だがな」
「うざコング!!!もういい」
エルリークは不貞腐れて霧の中に消える。
「おいエルリークごめんって!俺が悪かったよ」
「どうせお前等は闇の住民で俺はハゲの住民だよ。ドラゴン拳(笑)」
「馬鹿野郎!!」
ドゴオッ
「ギフ」
「自分の力を信じろ!!!」
ドゴドゴオッ
「おお…」
ダークウルフはエルリークの腹を殴り、エルリークを正気に戻した。
「すまん…俺が悪かった」
「俺もさ…」
霧は晴れ渡り、友情の太陽が全てを照らす。(これは地元ではフレサンとも呼ばれるが真偽は定かではない)
しかしそんなことはどうでもいい。
俺達は仲間だったんだ。
何はとモワレ三人は霧を出、新たな町【フラッシュタウン】を目指す。
フラッシュタウンはブルジョワシティから東に30km、しかしその途中には踏み入れた者は命を絶やすと言われる【死の森】が存在する。
デス・フォレスト…通称デフォである。
なにゆえこの森がデスフォレストと呼ばれるのかというと、由来がある。
「この森には、とんでもねェ怪物の大木がうじゃうじゃいるらしーぜ」
立ち入り禁止!の看板を前に森の入口でエルリークは口を開く。
「何だよ、お化け骸骨の次はお化け大木ってかァア?」
「全く…怪物だらけだな」
シャキイン(剣をなめる音
ザッ
ザッザッ…
インフェルノカイザー達は不気味な森の中をただ只管に進んでいた。
鬱蒼と茂る漆黒に染まりし木々…。まるで彼等を死界へと誘う様だ。
昼間だと言うのにこの薄暗さは光を吸収する木々―DarkForestのもう一つの由来なのかもしれない。
「それにしても不気味だぜ…何が出てもおかしくないな」
エルリークは辺りを見回すと、木々には大きな傷跡が点々とつけられていた。
(獣の縄張り、か?それにしてはおかしすぎる…あらゆる木々に傷がある…)
まるで爪で全てを引っ掻いたような傷跡が残っている。
エルリークは何かが出るような予感しか感じなかった。
「どうしたァエルリーク、顔色が悪いぞ」
「ん?あぁ…そりゃこんな所に居たら顔色も悪くなるさ」
「お化け大木って奴が怖いのか?そんなもの俺等の敵じゃねェ」
新しく手に入れたブリンナイフを構えながらダークウルフは自信満々だ。
【ククッ…随分と命知らずな奴等だ…】
ザワザワ
ザワワ~
「何者だ!??!」
木々が葉を擦り合い、共鳴する。
【我が名はデスツリー…死へと誘うこの森の主…】
バキバキ…
ンゴォ
「ん!?」
インフェルノカイザーは足元に違和感を感じた。
何か下から…来ている!
バッ
ズキュル
「うおっ!?」
土の中から鋭くとがった根っこが顔を現す!
「あっぶねぇ…間一髪だったぜ…ってわっ!」
ズキュッ!
ズキュルン!
次々とインフェルノカイザーに向けて刃物のように尖った根っこが土から突き出し、インフェルノカイザーを襲う。
「クッ…!これが森の主って奴か!?」
【さよう…貴様等が此処に立ち入れる事は禁忌…あってはならぬ事なのだ】
「なんで入っちゃだめなんだよ。俺等が何かしたってかァ!?」
【当たり前だ。貴様等人間は、森を壊す―そう、この森は死にかけた。人間は木を切倒し、動物は棲む場所を失う―そして、先ほど侵入してきた奴等も同じ様に我が子供達を傷つけた】
ズキュッ
「クッ…」
【奴等は笑いながらナイフで子供を傷つけた。許せぬ…断じて許せぬ】
ゴゴゴゴ…
地響きが森全体に響き渡る。
「くっ…どうやらまともな姿で帰してくれそうもねぇな…」
「このままだと養分にされちまうぜ!インフェルノカイザー」
「おいおい、ハゲの養分なんてたかがしれてるぜ…いったん逃げよう!」
「おう!」




