覚醒の光
~地下一階~
トッ
インフェルノカイザー、ダークウルフ、そしてタケシは華麗に着地した。
地下一階は真っ暗で視界がよく見えない。
「闇の千里眼!」
「暗視―ブラックサイト」
各々暗闇を見る事が出来る技を繰り出す。
しかしタケシは何もしない。
「タケシ大丈夫なん?」
「ククッ、俺は自然の存在…暗順応なんてもんじゃない、感覚でいける」
「感覚だけで…凄い」
インフェルノカイザーも圧巻の一言だった。
しかし三人はそこで凄まじい光景を目にする。
まず、直線の通路。両側は全て牢屋。寂しい、と言ってるかのような呻き声…。
「別名、死者の牢屋。此処に来るのは殆どが死刑囚、または闇の住人だよ。もっぱら闇の住人も此処で最期を迎えるがな」
「……」
インフェルノカイザー達はただ黙っていることしかできずに、突き進んだ。
牢屋を一つ一つ確認するが、エルリークはどこにもいない。
そうこうしてる内に、奥の奥まで進み、そこには一つの扉があった。
「この先に、エルリークがいるかもしれない。行くぞ」
「おう!」
三人は勢いよく突入した。
~地下の大広間~
そこは大広間だった。
いや、暗闇に何も無いだだっ広い部屋。
此処は何の部屋なのか三人には理解できない。
「いったい…此処にエルリークはいないな」
「どこにいるんだ?」
『此処にいるよォ…』
急にインフェルノカイザーの背後から声がする。
「!」
インフェルノカイザーが振り向くと
『貴様の最期は此処にある…』
そこには気持ちわるい男が立っていた。
「うわっ!」
インフェルノカイザーはバックステッポで距離をとる。
(さっきまで誰もいなかったのにいつのまに…)
『誰かなぁ…僕の部屋に侵入した愚か者は…牢屋の番人ヘルキャンパスの部屋に入るとは…ククッ…』
「ヘルキャンパス…!死刑執行人兼牢屋の番人を務めると言われる幽閉所ガチ勢…!今まで数多の死刑囚を何の躊躇いもなく死刑を執行してきたという地獄の番人…。そんな奴がなぜこんな所に」
「光に雇われたのさァ…なんせこれからの時代は光。さぁわかったらさっさと眠りな…永遠にな!」
ヘルキャンパスが光の剣を取り出し、インフェルノカイザーに物すごい速度で切りかかった!
「インフェルノカイザー!」
(駄目だ、早すぎてよけられん…!)
「死ねェ!!!」
ズバシュッ!!
「インフェルノカイザー!!…インフェルノカイザー!?」
ダークウルフが斬られたインフェルノカイザーに近づこうとするが、そこにはなんと信じられない光景があったのだ。
シュウオオオオ…
「…何なんだ…?!」
「光を…!?」
インフェルノカイザーが全身に光のオーラを纏っていたのだ。
そう、あの闇の住人のインフェルノカイザーが。
通常、闇の住人が光を受け入れる事は不可能だし、仮に受け入れたとしてもその先に待っているのはDEATH-それだけだ。
だが、インフェルノカイザーは闇のオーラの時と同じくらいの光のオーラを身にまとっていた。
その絶対量はタケシをはるかに超えている。
「いったい…何が起こったんだ!?」
「わからない…ヘルキャンパスに光の剣で斬られようとして、もう駄目だと思ったらそれまであった闇のオーラが消えて光のオーラが発生して、俺を守った…」
「クッ…まさか光も使えるとは…!だが、これでどうだ!地獄の熱風!」
ヘルキャンパスが手を天井にあげ、思いきり振りかざす。
その瞬間、とてつもない熱風(たぶん800度)がインフェルノカイザー達を襲う!
しかしインフェルノカイザーは
「炎は俺に効かない!オラッ!」
インフェルノカイザーが前に立ちふさがる(インフェルノカイザーは炎耐性があるので地獄の熱風はイマイチという意)
そしてインフェルノカイザーが全身に力を込め、光のオーラを熱風にぶつける!
ズドオオオオオオオオオ!!!
辺りに轟音が響き、瓦礫が舞う!
「クウウッ!オーラで俺の熱風を…!」
「破壊剣グンニグルン!」
インフェルノカイザーがグンニグルンを取り出そうとしたら
バシゥア!!
「!?」
なんとインフェルノカイザーにこれまで体感したことのない電流が走る!
(そうか、今は光のオーラを出してるから闇の破壊剣は拒絶される…!光で戦うしかない!だがオーラだけでは)
インフェルノカイザーが間合いをとり、様子をうかがう。
するとタケシが飛び出し
「おい、これを使え!」
光の剣を取り出し、インフェルノカイザーに渡す。
光の剣を手に取ると、元々オーラを放っていた光の剣が更にオーラを増す。
(武器が…奴が触れることによってオーラの絶対量が上がった!?)
「喰らえ!!」
インフェルノカイザーがヘルキャンパスに光の剣で一突きする!!
ズバッシャ!!!




