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闇空  作者: 闇の使徒インフェルノカイザー
第十一章 ~明かされる過去。そして狼の覚醒~
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レヴァンの下を離れたインフェルノカイザー一行はハーナンデ港がある港町を目指して南東の方角へと歩を進めていた。

辺は白銀の雪景色。三人は寒さに耐えつつも一歩一歩進む。


「ブァックショォォォォオン!!!!!1くそ・・・寒い・・・。寒すぎる・・・。」


エルリークの特大のくしゃみが辺りに響く。

それもその筈。エルリークの服装は薄いタンクトップ一枚なのだから。


「そりゃそんな格好じゃ寒いだろうよ・・・。まぁ俺たちみたいに闇のオーラを纏えればある程度の寒さは凌げるんだがな」


「いい歳してそんな格好でいた事と闇のオーラを扱えない事を後悔するんだな!」


インフェルノカイザーとダークウルフがハハッと笑う。


「うざコング!!!もういい!!!」


そう言うとエルリークは不貞腐れて走り出す。


「エルリーク!冗談だよ!悪かったって!」


「どうせお前等は闇の住民で俺はハゲの住民だよ。ドラゴン拳(笑)」


「馬鹿野郎!!」


ドゴオッ



「グルッ!?」


エルリークがインフェルノカイザーの鉄拳を受け、倒れる。


「自分の力を信じろ!!!」


ドゴドゴオッ


「おお・・・」


さらにダークウルフはエルリークの腹を殴り、エルリークを正気に戻した。


「すまん・・・俺が悪かった」


「いや、俺達もさ・・・」


その時、曇っていた空は晴れ渡り、友情の太陽は眩しく三人を照らす。(この地方では一般的に友サンと呼ばれているが最近のトレンドはフレ陽)

しかしそんなことはどうでもいい。

俺達はかけがえの無い仲間であるということを三人は再確認した。


そして三人は再び歩き出す・・・。




「あ、そういえば」


インフェルノカイザーは思い出したかのように声を出す。

そして懐から一つの端末を取り出した。


「なんだそれ?」


「闇の宮殿から出立する時バシリアから持たされた通信機だ。今の状況をアンドレイ様達に報告しようと思ってな」


そう言うとインフェルノカイザーは通信機を起動させる。

しばらくすると通信機の画面にバシリアが映る。


「これはこれは、インフェルノカイザー様!よくぞご無事で!」


「いろいろあって連絡が遅くなっちまった。アンドレイ様に状況報告をと思ってな」


「かしこまりました。少々お待ちを・・・」


テレテレテレテレリ~♪テレリ~♪テレリ~♪


バシリアは一旦通話を中断させ、電話の時のあの曲を流す。

数分後。画面に魔皇帝、アンドレイ・グ・リーンナイトが映し出された。


「これはこれはカイザーよ。無事でなりよりじゃ・・・。それにウルフ、エルリーク殿も合流していたとは」


「お久しぶりでございます。アンドレイ様。早速ですが経過報告の方を・・・」


そう言うとインフェルノカイザーはこれまでの事の説明を始めた・・・





-数分後-


「なるほど・・・ここまで大変であったな。大儀であるぞ」


「勿体無きお言葉にございます」


インフェルノカイザーはこれまで起こった事を説明した。けして筆者が面倒くさがって説明を省いた訳ではないぞ。


「ミドリヴィッヒ、コッセティーニの二人の犠牲は尊いものだがカイザーよ、今は前を向き、前進する時じゃ」


「はい・・・!」


インフェルノカイザーは静かに、かつ力強く応える。



「これから俺たち三人は港から船に乗り、ニンテンスマッシュ島を経由して宮殿へ戻る予定です」


「カイザー様、よろしければ私めがニンテンスマッシュ島までお迎えへ参りますぞ」


バシリアが横から入ってくる。


「うむ。カイザー達も長旅で疲れておろう。アルスヘイムへは無理でもニンテンスマッシュ島なら迎えに行ける。良いか?カイザーよ」


「はい!ありがたい事です!バシリア、是非お願いする!!」


「ははっ!ではニンテンスマッシュ島で落ち合いましょう!」


「カイザー、それにウルフ、エルリーク殿よ。帰るまでが遠足じゃぞ」


(遠足だったの・・・?)


「それはそうと、もうすぐあの島では三年に一回の武道大会が行われるのは知っておるな。そこでじゃ、三人とも出てみてはどうじゃ?」


アンドレイは三人に提案する


「武道大会ですか・・・。しかし闇の宮殿内が忙しい中、我々だけ大会に出ても良いのでしょうか?」


「かまわんかまわん!むしろ大会で大いに戦果を残し、闇側から光側へと移った村や町、また中立状態の村や町を闇側にしようという魂胆じゃ。お主等の力次第では優勝も狙えるだろうしのォ!」


「勿体無きお言葉です!><なるほど!確かに我等が力を見せる事で闇側へなびく者もいる筈・・・!では大会にて優勝を勝ち取ってみせましょう!!」


「その粋じゃインフェルノカイザー!吉報を待っておるぞ!」


アンドレイがそう言うと通信が切れ、画面は真っ黒になる。


「フックック・・・まさかこの大会に出れる日が来ようとはなァ・・・」


ダークウルフがニヤニヤしながら呟く。


「とりあえず港町へ急ごうぜ!」


「おう!」


三人は再び歩き始めた。

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