疾風の申し子
【おにごっこ】の修行にて見事風曽を捕まえたアージョとしゃる。
無事修行が達成できた事で二人はハーナンデ私岳の山頂に佇む風曽の家へ招待されていた。
テーブルの上にはトマトジュースやストロベリーパフェ、くきわかめなどが並び、ちょっとしたパーティのような状態だ。
「コングラッチュレーション!!ぶっちゃけマジでこの俺様を捕まえるとは思ってなかったZE!!」
風曽は拍手しながらアージョとしゃるに対し、賞賛の言葉を贈る。
「いやぁ・・・風曽さんの教えのおかげっすよ!そして山曽さんと火曽さんの修行がなかったら崖すら登れなかったはずですし」
「しゃるは修行しても飛べないからクソなのだ」
「イェア!!だがアージョ君。君が取得した『風の波動』はまだまだ弱い。weak・・・。今後使い込むことによって更なる力を発揮できるはずだ!!」
「シカトすんなゴラァ!」
風曽はアージョの肩に手を置き、アドバイスを施す。
アージョもハイ!と元気よく答え、くきわかめを食べる。
「これでついに防御、攻撃、素早さの三つを取得できた・・・!今の俺なら光の連邦軍とも戦える!」
「それよりしゃるを海底都市に連れて行くのだ!」
しゃるがアージョを殴りながら言う。
「バッド・・・!バァァッド!!!アージョ君・・・君はこれで修行が終わったと思っているのかイ!?」
「ええ!?」
アージョは驚愕する。
今の自分に必要な要素は全て揃ったはず。これ以上修行する必要なくね?
というアージョの考えは真っ向から否定される。
「この一連の修行・・・『風林火山の修行』はあと一つ残っている。それこそ君が次に行う『林の修行』だ」
「林の・・・修行・・・!一体どんな修行なんですか!?」
「HAHAHA!まぁそれは実際に林曽にあって確かめるのが賢明だぜアージョボーイ!」
「はやし・・・林曽さんですか」
アージョは次の修行内容を頭の中で想像する。
しかしこれといった内容も思いつかず、くきわかめを食べる。
「それで、その林曽さんは一体どこに住んでるのですか?」
「フォレスト曽・・・そう、林曽はこの"次元"には住んでナッシング!彼は"水の次元"に住んでるんDA!そしてその次元の中にある一つの町、『ベチョベチョタウン』に住んでいる!!」
「なんか嫌な名前の町なのだ・・・」
「ベチョベチョタウンだって!?」
アージョが驚嘆したかのように声を上げた。
「知ってるのかい?アージョボーイ!」
「俺の・・・故郷です・・・」




