ハーナンデ私岳
アージョとしゃるは火山の町で火曽と別れ、次の目的地「ハーナンデ私岳」の麓にあると言われる町を目指して旅をしていた。
火山の町からはかなり距離が離れており、別の大陸へと進むことになる。
アージョとしゃるはバスや汽車などを使い、約1週間ほど掛けてようやくハーナンデ私岳付近まで来ていた。
気候は北の地という事もありかなり寒い。あたり一面は雪で覆われ、白銀の世界が広がっている。
「あれがハーナンデ私岳か・・・聞いてた通りデカイ山だぜ・・・」
アージョはそびえ立つハーナンデ私岳を見据え、呟いた。
ハーナンデ私岳は417年に一度、大噴火を起こすと言われてる山であり、かずかずの伝説を残している。
「寒いのだー!さっさと町へと行くのだー!!」
「ああそうだな。地図では後3kmほどみたいだ」
しゃるは寒さを紛らわす為小走りする。
と、その時・・・
「待ちな!」
「え?」
アージョとしゃるが振り向くと五人の男が居た。
肩には刺付き肩パッド、髪型はモヒカンやハゲなど個性豊かだ。
「えっと、なんですか?」
「兄ちゃん良い得物持ってんじゃねぇか・・・」
「ヘイヘーイ!金目の物差し出しなァ!!」
「ああ・・・盗賊か・・・」
アージョは面倒くさそうな顔をして呟いた。
五人の盗賊はナイフや棍棒を手に持ち、アージョ達に圧力をかける。
「アージョ、友達か?」
「ダァホ。友達はちゃんと選ぶもんだぞ」
だが二人は全く動じず、会話する。
「無視してんじゃねぇぞォォオォ!!」
その時、盗賊の一人がナイフを振り上げ、アージョへと斬りかかった!!
「やれやれ・・・」
スパスパ!
アージョは瞬時に背中に納刀していた名刀サメハダを抜き、盗賊を連続で切りつける。
だがアージョは盗賊の衣類のみを切り裂いていた。
「ひゃあ///」
「な、なんだこいつゥ!!?」
「谷岡の服だけを切り裂いただとォ!??!?!」
盗賊達は叫喚。
アージョはフゥーと深く息を吐き、剣を鞘に収める。
「俺は最強の剣豪を目指している男だ。切り刻まれたくなかったらさっさと消えな!」
「こ、この野郎!お前ら!やっちまおうぜ!!」
「コイツサプオフグリ野郎並にウゼェぜ!」
盗賊はアージョとしゃる目掛けて走り出した。
「ああ、めんどくせ・・・」
「アージョ、こいつらは敵なのか?」
「ああ。やっちゃっていいぞ」
すると、しゃるの拳からウルトラマリンブルーのオーラが懇々と湧き出し、一撃。
「鮫拳<シャーク流>鮫肌パンチ!」
ドゴォオオオオオ!!!!!!!!
「うわあああああ!!」
「ぐわあああああああ!!!?」
「あああああt!??!!」
山賊たちは一瞬で吹き飛ばされる。
(こいつが一番えげつないんだよなぁ・・・)
「く、くそ!!お前らずらかるぞ!!」
「覚えてやがれ!!」
「お前のカーチャンでーべそ!!」
「オマエラヒドイ!」
「俺の服が・・・」
しゃるの一撃により盗賊達はたちまち戦意喪失。
各人捨て台詞を吐きながら一目散に逃げていった。
「さて、さっさと町に向かうぞ」
「温かい物が食べたいのだー」
二人は気を取り直し、町へと向かい歩き出した。




