誘拐はよくない…そう、闇は全てを包み込む。
「どうして、あんな大軍が…」
「もう連邦軍があんた等の存在に気づいてるみたいっすね…」
「クッ、なんて事だ!邪巣湖の方向に向かっていったって事は…誰かが告げ口しやがったのか!」
「おい、エルリークは?あいつはまだ宿でばかみたいに寝てるぞ」
「…!エルリーク!」
インフェルノカイザーが思わず外に出ようとするが、男がインフェルノカイザーの手を掴む。
「今表に出るのはDANGEROUS!皆キャプチャーされて一巻の終わりっすよ!」
「うるせぇ!エルリークが光のアホどもに連れ去られちまう!」
「いや、落ち着けインフェルノカイザー。そいつの言う通りだ、今出たらやられちまう」
「じゃあ此処で指加えてろってかョ!」
「邪巣湖へ続く裏道ならあるっすよ」
男が口を開いた。
「さっさと家や」
三人は邪巣湖に向かった。
---------------------------------------
「じゃあ俺は此処で。幸運祈るっす」
軽めの男は邪巣湖の裏口まで連れて行ってくれ、そう言って表通りに去った。
「ウルフルン、俺等の部屋はどこだっけ?」
「一番奥の部屋、窓があったから外から様子を見よう」
二人は裏口から中には入らずに窓の外から様子を見ることにした。
なぜなら、邪巣湖の入口にはあの連邦軍が列をなしていたからだ。もう少し出ていくのが遅ければ連邦軍に捕まっていたかもしれない。
店の中では店長と連邦軍の一人が話をしていた。
「それじゃ、インフェルノカイザーは五分前に此処を出て行ったのか」
「ああ…二人でな」
「それじゃまだ近くにいるってことだ。ひょっとしたら奴等、のこのこと帰ってくるかも知れん。表を固めておけ!」
一方、インフェルノカイザー達は…
「クッ、エルリークの野郎、やっぱいねぇ…連れ去られたんだ」
ダークウルフが窓から部屋の中を覗き込むが、部屋の中はすでに空っぽであり、エルリークの姿はなかった。
「どうする、相棒?助けに行くか?」
「ああ…当たり前だ!だが、エルリークはどこに連れて行かれたのか」
「さぁな…どうする、聞きこもうにしても連邦軍の奴等がうろついてやがるし、情報なんて集める事はできねーと思うが」
「お困りのようだな!」
後ろから声がした。
その声の主は…
「連邦軍!?」
続




