敵と看做された哀愁の旅人達
~邪巣湖店内~
カランコロンカラン
「いらっしゃいませ!」
店内には愛想がいい店主がカウンターに立っている。
三人は早速部屋をとることにした。
「お客人、本日はどのようなご用件で?」
「部屋を予約したいんだ、三人いる」
「へい、それでしたら空き部屋がぁございますので息子に案内させやす、おい!」
すると奥から体の細いポッキーみたいな奴がのそのそと出てきた。
(なんか気持ち悪い野郎だな)
インフェルノカイザーは思った。
「根暗な野郎だな」
エルリークは口にしていた。
(口にしたらアカンやろ…)
「部屋案内しまぁす…こちらでぇす…」
息子が案内するのを見送った後、店主はカウンターにある電話の受話器を取り、静かに言った。
「連邦軍、連邦軍。インフェルノカイザーを確認した…場所は邪巣湖の店内だ」
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顔だけでなく言動まで暗い宿屋の息子は廊下の一番奥にある部屋に案内してくれた。
その部屋はお世辞にも奇麗とは言えなかった。部屋の隅にはクモの巣が張っており、ベッドは3つあるがベッドの足にはカビが生えており床も一部が剝げている。
そして少し臭かった。
「まぁ少しボロだが一泊50G、都会にしては激安な宿だ。一番設備は悪いけどな」
「いや、礼を言うよエルリーク。正直この町の人間の視線が妙だったんでな。隠れるには多少ボロい方がいいだろう。」
「それで、どうするんだ、インフェルノカイザー。此処から天上天下唯我独尊戦国無双連邦まで1200万kmはあるといわれる…たどりつくのは難しいぞ」
「確かこの街から20km程離れた【シャドウレイク】という湖の近くにある町に天上天下唯我独尊戦国無双連邦について詳しく知っている人物がいるらしい。そいつに会ったらどうだ?」
砂漠のドラゴンことエルリークが提案する。
「そんな奴がいるのか。それなら、そうしよう。今日はいろいろと疲れたからよく休んで明日また出発しよう」
三人は明日に備え休む事にした。




