飛翔する禿
翌日。
鳥のモンスターの群れを一掃したダークウルフ、エルリークの二人は偶然見つけた洞穴で休息を取っていた。
「洞穴があって助かったな。幸い食料も木に生ってる木の実でなんとかなった」
「ああ。そんじゃあ、山菜集めでもしますか」
エルリークは焚き火を脚で踏み消し、自身の斧を担いだ。
洞窟から出ると既に日は登っていた。時計は無いが日の位置からして10時過ぎくらいだろう。
「昨日は西の方を探索してたから今日は東の方へ行こう」
二人は東の方角へと進んだ・・・。
3時間後…
「なかなか集まんねぇな」
「採取クエストはクソ」
二人は愚痴を吐きつつも山菜集めに没頭していた。
籠には徐々に山菜が溜まっているものの、それに合わせて重くなる籠が腰に来る。
と、その時
ズ ゴ ゴ ゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
「うおお!?」
「昨日よりでかい地震だな」
謎の地震が再度大地を揺るがす。
作られた空間での謎の地震。いったい原因は何なのか、ダークウルフは考えていた。
「ウールフ!!あぶねぇ!!!」
「・・・っは!」
ドゴォ!
地震の影響であろうか。突如木がダークウルフめがけて倒れてきた。
そして颯爽と救援するエルリーク。
「すまん!助かったぜ!」
「ボサっとすんなよ」
二人は周りを警戒する。同時に二人は何か嫌な予感を感じ取っていた。
ガッサガサ!
その瞬間、草むらの奥から猪のようなモンスターが飛び出してきた!!
「モンスター!?でかいな・・・」
「どうやらコイツ一匹みてぇだな・・・。片付けちまおうぜ!ウルフ!!」
ゆうに4メートルはあろう体格の猪。そしてその猪へと戦闘を仕掛ける一人のハゲ。
「オラァ!!」
エルリークの斧が薙ぐように猪を強襲!
だが・・・
「ぶもおおお!!」
「こいつ!早い!!」
バゴッスウウウウウ!
エルリークの攻撃より速く、猪はエルリークへと体当たりを繰り出す。
攻撃を受けたエルリークはたまらず吹き飛ばされる。
「エルリーク!!くそ!!闇魔法・・・」
「ブモオオオオォ!!!」
ダークウルフが攻撃しようとすると今度はダークウルフへ向け猪が猛進する!
だがダークウルフは瞬時に詠唱を中断し、飛びのき回避する。
「コイツ・・・巨体のわりになんて俊敏さだ・・・」
「ぶおおお!!!」
体勢を立て直した猪は再びダークウルフへと突進を開始した。
「だが・・・」
シュン!
ズバァアアア!!
「速さなら俺のほうが上だァ!!!!!」
ダークウルフは瞬時に横へとステップ。そして猪の横腹へと斬撃をくりだした!
横腹に攻撃を食らい、怯んだ猪はバランスを崩し転倒する。
「今だ!闇魔法!ダークネス・ストーム!!!」
漆黒の竜巻が猪を飲み込んだ・・・!




