表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/38

Lotus00 エピローグ



 数年後――



 「こら〜っ! 何時だと思ってるの!」

 いつも通り、早朝から私の怒鳴り声が響く。これも相変わらず私の日課になっていた。まぁ、これでも起きないのは分かっているんだけどね。

 「もう、いい歳してまだ自分で起きれないの!?」

 いくつになっても寝起きの悪さだけはどうも直らない様子の旦那様は、昔と同じでまだ夢の中。本当に自分で起きてくれたら私の苦労も減るのですがね。

 「仕方ないな〜。今日も最終兵器の登場ですよ!」

 そう言いながら一旦部屋を出ると、“最終兵器”を連れて再び部屋へと戻って来る。

 「は〜るひ〜、パパを起こしてあげてね〜!」

 「あ〜い〜」

 手を挙げて返事をすると、勢い良く渉の上に飛び乗ってジャンプを繰り返しては渉を起こし始める。

 「うっ、うん……こら、ハル! ダメだって……ぐえっ」

 「パパー! おっきしてね、おっきしてね」

 ジャンプしては体を揺するその行為に限界を感じたのか、渉は降参して体をゆっくり起こし始めた。さすがに我が子が相手だと、ちゃんと起きるんだな〜。

 遥陽ハルヒを抱き締めると、そのまま高く抱き上げてはキスをする親子のスキンシップを始める二人。遥陽も嫌がる事無くキャッキャッとはしゃいでいる。


 「パパ起きたの〜?」

 そう言って部屋を覗いているのは、長男の冬馬トウマ。冬馬は渉が起きているのを確認すると、すぐに遥陽と一緒に渉の上へと飛び乗る。すると渉はそんな冬馬を抱き上げると、腕を掴んでクルクルと振り回して楽しませていた。

 男の子二人が相手だと体力も結構使うのに、それでも渉は力いっぱい二人の相手をしてくれていた。


 「なぁ、蓮子。俺、思うんだけどさ〜。トーマとハルって、瑛と薫にそっくりだぞ」

 あの暴れっぷりはまさしくそうだ! そう呟く渉のいう事もあっているかもしれない。確かに瑛と薫も兄貴を困らせる問題ある弟だったからなぁ。あの悪ガキの血が流れていると思ったら、ホント将来が恐ろしくなってくるわ。

 私と渉が結婚してしばらくして私は無事に冬馬を出産して、その後遥陽も生まれて四人で幸せな家庭を築いている。高校の体育教師をしながら、高校バスケの監督もしている渉は忙しいのも構わずにこの子達にたくさんの愛情を注いでくれる。

 自分が心に描いていた幸せがこうして現実になっているのを目にすると、本当に渉と一緒になれて良かったと思う。渉じゃなかったら、こんなにも幸せを感じることは無かったのかも知れないからね。

 「私、幸せだわ〜」

 「な、何言ってんの?」

 思わず呟いた一言に、渉は飲んでいたコーヒーを少し吹き出すと咳をしながらこっちを見ていた。その顔は徐々に赤くなっていっているから、また見ていて本当に面白くなってくる。これだから何年経ってもからかいたくなるのよね。


 大好きよ、渉。

 これからももっともっと幸せになろうね。




 これも恋の始まり?〜アイ・ロータス〜蓮子編完結いたしました! 最後まで読んで下さり本当にありがとうございます! 何とか毎日最低一話の更新も出来て、無事完結できました。この二人には冬馬と遥陽の男の子二人が出来ました。一応、この頃には琉依も日本に帰って来ているという設定でした。

 さて、次回は唯一出来ない事が“禁欲”である、琉依メインのお話です。もしかしたらこれまでのシリーズの中で一番の長編になるかもしれないこの作品は、夏海との出会いから現在までにあった出来事を思い返す感じで展開していく予定です。常に笑顔だけでは送れなかった琉依の人生、嫉妬・憎しみ・悲しみ・苦痛……歪んだ感情に悩み続けた彼の心情。これも恋の始まり?第5弾「歪んだ愛情・束縛したい欲望(タイトル仮定)」をよろしくお願い致します!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ