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幽明分かつ門

遅れてしまい申し訳ない。

さらに言うと短いです。


それでもよければ、どぞー

side~彩人~



アリスと別れ、教えられた方角に向けてしばらく飛んでいると、雪は何時の間にか止んでおり上空に行けば行くほど冬の寒さから遠ざかっていることが感じられた。


魔「上に行けば行くほど暖かくなるなんておかしいぜ」


霊「まあ、いいじゃない。 寒いよりこっちの方が全然いいわ」


暖かくなっていると言う事は、春に近づいていると言う事だ。

そして、それはそのままこの異変の黒幕に近づいていると言う事でもあった。


咲夜「そうかしら? 私はまだ寒いのだけど・・・」


彩「なんだ、咲夜は集めていないのか?」


そう言って、咲夜に掌を見せる。

その上で、桜の花びらの形をした春度が淡い光を放っている。


咲夜「それは、春度? どうしてそんなものを?」


彩「綺麗だったからさ、気まぐれで集めていたんだよ。 そうしたら、数が増えていくたびにどんどん暖かくなるんだよね」


そう言う彩人の服のポケットは不自然に膨らんでいる。


咲夜「貴方、いったいどれだけ集めたの・・・?」


彩人「取りあえず、ポケットいっぱい? ほら、咲夜も持ってみな?」


そう言って、掌の春度を全て手渡す。


咲夜「わぁ・・・本当に暖かいわね」


彩人「だろ?」


先ほどまで小刻みに震えており、唇も若干青くなっていた咲夜の顔色はすっかり良くなったようだ。


霊「そんなに集めていたの? 私にも寄越しなさいよ」


魔「私も欲しいぜ」


彩「ん? いいぜ、ほら」


霊夢と魔理沙にも春度を渡す。


霊「ふぅ、これで大分楽になったわね」


魔「あったかいぜ~」


そんな会話をしていると前方をふらふらと何かが飛んでいた。


?「春は・・・春はどこですかぁ~?」


全身白い服装を身に纏った少女(幼女?)が危なっかしくもフラフラと何かを探しているかのように飛んでいた。羽が生えている事から妖精だろう。

って言うか、今日はよく何かを探している人に会うなぁ・・・(ほとんど人じゃなかったが)


彩「何を探しているの?」


妖精少女に話しかけるとビクッと驚いたように振り返った。


?「あ、貴方達はだれですか!?」


彩「俺は、彩人。 こっちは右から霊夢、魔理沙、咲夜だ。 何か探していたようだけど、何を探していたの?」


そう聞くと、だんだん目尻に涙が溜まってきてついには大粒の涙が零れ出した。

その姿は幾度と無く見てきた、大事なものを失くしてしまった子供が出す雰囲気と同じだった。


?「春が・・・・・何処に行っても春が無いんですよ~。 私は皆に春が来た事を知らせなくちゃいけないのにぃ~・・・・・う、うえ~~~ん」


服の袖で懸命に涙を拭うが後から後からどんどん溢れてくる涙は一向に止まる気配が無い。


「私は・・・・春を伝えられない私は一体どうしたらいいんですかぁ~?」


目の前で泣きじゃくる少女。

霊夢達も少々戸惑っているようだ。

少し前なら問答無用で蹴散らしていたのに、少しは丸くなったのかね?

そして、俺は目の前で泣きじゃくっている少女をそのままにして置くなんて性格上無理だ。

ゆえに、俺がとるべき行動は火を見るよりも明らか、すでに答えは出ている。


彩「大丈夫だよ」


できるだけ優しく、少女の頭に手を乗せ言の葉を放つ。


?「ふぇ?」


彩「俺達は、今から春を取り戻しに行くんだ。 このままじゃ綺麗な桜が見れないまま春が終わっちゃうからな。 そんなの、俺は絶対嫌だ」


驚きかそれ以外の何かの仕業か、少女の涙は何時の間にか止まっており、ただひたすらに彩人の言葉に耳を傾けていた。


彩「俺達がこの異変を解決できたら、きっと春は帰ってくる。 君が皆に春を伝えられるように、この異変を解決してくるからさ。 だから、少しでいい、少しだけ俺達のことを信じて待っててくれないか?」


少女は淀みの無い綺麗な瞳でこちらを見つめてくる。


?「本当に、春を取り戻してくれるんですか?」


彩「ああ、約束するよ」


?「分かった、お兄さんのこと、信じるね。 私はリリー・ホワイト、春を告げる妖精、春告精です」


彩「リリーか。 それじゃあリリー、ちょいと異変を解決してくるぜ」


リリー「お兄さん、お姉さん、頑張ってねー!!」


先ほどよりもちょっぴりだけ元気になったリリーが大きく手を振って見送ってくれた。

さてさて、これでますます異変を解決しないわけには行かなくなったな。













彩「ここか・・・」


あの後、唯ひたすらに異変の黒幕が居るであろう方角に飛び続けて数刻。

途中で演奏している三人組を見かけたが今は異変解決が優先、混ざりたい気落ちを押さえ奥へと進んでいくと・・・

周りには桜の花びらが舞っており、その奥には悠々と聳え立つ巨大な門があった。


霊「こんな所にあったのね、幽明を分かつ大結界」


魔「へっ、じゃあこれが顕界と冥界をつなぐ門ってわけか!」


咲夜「この先に今回の黒幕が居るのね」


その門の前で対峙するかのごとく宙に浮かんでいる人影が4つ。

言わずもがな、異変解決のためにやってきた霊夢、魔理沙、咲夜、そして彩人の4人だ。


彩人「さて、この先に黒幕が居ることは確実。 問題はどうやってこの先に行くかだけど・・・」


霊・魔「「そんなの決まっているわ(ぜ)」」


霊夢と魔理沙の声が重なると同時に、二人は力を練り始めた。


彩「え? お前ら、まさか!?」


霊・魔「「力ずくに、決まってるでしょう(ぜ)」」


霊「霊符『夢想封印』」


魔「恋符『マスタースパーク』」


二人の技が門に向かって放たれた。


そろそろ、妖々夢編も大詰め。

しかし、いつ投稿できるかわからない・・・orz

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