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マヨイガ

大分、時間が空いてしまった。

調子に乗って新作を出したせいと、リアルで忙しいせいだ!


それでは、どぞー

side~彩人~



レティとチルノに別れを告げ、今度は魔理沙を先頭に追いかける形で飛んでいく。


霊「おそらく、この花びらが飛んでくる方向に黒幕が居ると思うわ」


そう言う霊夢の掌には桜の花びらの形をした何かが淡い光を放っていた。


霊「これは春度って言って、平たく言えば春そのものよ。 犯人は幻想郷中の春度を集めているから、何時まで経っても暖かくならないんだわ」


咲夜「犯人は春なんて集めて何をするつもりなのかしら?」


魔「そんなの気にしたってしょうがないだろ? 分かっていることは、このままじゃ花見が出来ないって事だぜ」


確かに、魔理沙の言うことは一理あるが今はそんなことよりも、目先の問題を解決した方がいいと思う。


彩「なあ、ここどこだ?」


霊・咲・魔「・・・・・・・・・・・・・」


魔理沙は目を逸らし、二人は魔理沙をジト目で睨みつける。


咲夜「まったく、私に任せろなんていうから信じて着いていけば、」


霊「完璧に迷っているわね」


魔「いや~、ついさっきまでは自信があったんだがな」


さっきまでしんしんと雪が降っていたが、気が付けば雪は止んでおりさらに進むと眼下には小屋とか屋敷が転々と立ち並んでいた。


魔「ちょうどいい、あそこの村で聞き込みしようぜ」


そう言って、一足先に魔理沙は降下していった。


霊「おかしいわね、こんな所に人が住んでいたかしら?」


次いで霊夢も魔理沙の後を追った。


残ったのは俺と、咲夜だけだが咲夜はなにやら神妙な顔つきをしていた。


彩「どうした、咲夜?」


咲夜「いえ、おそらくここは廃村だと思うのだけど・・・」


彩「あ~、咲夜もそう思うか? なんだか人の気配がしないしな」


咲夜「廃村・・・もしかして」


咲夜が何か言いかけたとき、下のほうで小爆発が起きた。


咲夜「何!?」


彩「あっちの方からだ!」


おそらく、霊夢か魔理沙が弾幕ごっこをしているんだろうけど、なんだか胸騒ぎがする。

俺と咲夜は爆発が起きたところへ向かって飛んでいくと、




霊「う~ん、もう少し小さめで持ち運びやすい物はないかしら?」


魔「おっ、霊夢これなんかどうだ?」


霊「壷? あんたもう少し考えて物を選びなさいよ。 どうやって、壷を持ったまま異変解決するのよ? 邪魔でしょうがないわ」


霊夢と魔理沙が屋敷の中を漁っていた。


咲夜「・・・・・・・・ハァ」


彩「何やってんだよ、二人とも」


俺の声に気付いた二人は嬉々とした表情で、


魔「おい彩人、ここはマヨイガで間違いないぜ」


霊「ここの物を持ち帰ると金運に恵まれるそうよ!」


なるほど、それでそんなことしているわけだ。


咲夜「正確には金運じゃなくて幸運だけどね」


霊「あら、その二つにどれだけの差があるって言うのよ?」


その言葉に咲夜は呆れてしまった。


?「・・・・・」


ん? なにやら奥から物音が聞こえたような?

音が聞こえたであろう方向の襖を開けてみると、


橙「んーー!、んぅーーーー!!」


橙が両手両足を縛られて、さらには猿轡をされて涙目になりながら転がっていた。


彩「うわっ! 橙、どうしたんだ!?」


両手両足の縄を解き、猿轡を外してやる。


橙「うえ~ん、あやとさま~」


彩「おっと、よしよし。 それで、どうして縛られていたの?」


橙「ぅっ、ヒック・・・巫女と白黒を追い返そうとしたら弾幕ごっこに負けて、捕まってしまったんです・・・」


言い終わると、また泣き出してしまった。

橙を子供をあやすように抱きかかえ、頭を撫でる。

そういえば、橙はマヨイガに住んでいるって言ってったっけ?

というか霊夢に魔理沙、それもはや強盗と同じだぞ。

これは、少しお仕置きが必要かもな。

未だに物を漁っている霊夢達の元に行き、そのまま縁側に出る。

そして、大きく息を吸って・・・


彩「にゃ~~~お~~!!」


出来る限り、猫の鳴き方に近いように泣き真似をする。

突然の俺の奇行に咲夜は唖然とし、霊夢や魔理沙も漁る手を止め、橙も驚いている。


咲夜「貴方、一体何をし・・・!」


呆れ顔で声を掛けてくる咲夜の言葉は続かなかった。

先ほどまで何も無かった庭には、たくさんの猫が集まっていた。

しかも、まだ増えている。


橙「わぁーーー!!」


その光景を見て橙の涙は止まったようだ。


彩「おい、お前ら」


俺は集まった猫たちを見渡し、クイックイッと立てた親指で霊夢と魔理沙を指すと一言


彩「やれ」


にゃあああああああああああああああ!!!!!


俺がそういった瞬間、集まった猫達が一斉に霊夢や魔理沙に飛び掛った。


霊「なっ!? きゃあああああああ!!」


魔「わわっ、ぎゃあああああああ!!」


猫玉の雪崩れは一瞬で霊夢と魔理沙を飲み込み、後に残ったのは猫で構成された巨大な猫玉だけだった。

おそらく、中で揉みくちゃにされていることだろう。


彩「さて、霊夢と魔理沙には俺がお仕置きしたから、これで許してやってくれないか?」


橙「すごいすごい!! あんなにたくさんの猫が彩人様の言う事を聞いたよ!!」


先ほどまで泣いていた少女とは思えない。

目がキラキラと輝いて、耳と尻尾は落ち着き無く動いている。


橙「ねぇねぇ、私にもあんな風に出来るようになるかな?」


彩「そうだな、橙ならきっとできるようになると思うよ」


やったー、と喜ぶ橙。

それを微笑ましく見ながらどこからか取り出した猫じゃらしでさらに集まってくる猫たちと遊ぶ。

それから15分後、猫たちにもういいと伝えると一瞬で散開し、中から恍惚とした表情を浮かべた霊夢と魔理沙が出てきた。


霊「ぁ・・・お腹の毛、やわこい・・・」


魔「・・・殺人的な威力だ・・・ぜ(ガクッ)」




咲夜「(いいな~、私もあの中に入ってみたかったな~)」


と、咲夜が考えていたのは余談である。

猫可愛いよ猫

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