冬だ! 雪だ! 遊ばにゃ損損
いや~、久しぶりの投稿です。
気が付いたら、PV100000、ユニーク10000越え!?
皆様本当にありがとうございます!
それでは、どぞー
side~彩人~
雪。
雪である。
幻想郷にも冬が訪れ、雪が深々と降っている。
流石にこんな日に剣術の修行などできるはずも無く、居候先である博麗神社でまったりとお茶を啜り、餅を焼く毎日である・・・
彩「ヒャッホゥー、雪だーーー!! お前ら、準備はいいかー!?」
チ・ル・フ・リ・ミ・橙・大・咲・舞「「「「「「「「「おーーーーーーー!!」」」」」」」」」
訳が無く、雪が積もったという事で雪合戦の為のバリケードや雪弾を作成中である。
昔っから雪が降るとメチャクチャハイテンションになるんだよね。
ちなみに霊夢は中で火鉢に当たっている。
メンバーは俺、咲姫、舞花、チルノ、ルーミア、フラン、橙、リグル、ミスティア、大ちゃん、審判として冬妖怪のレティが来てくれた。
冬に入ったと同時に、チルノがレティを連れて遊びに来たときに知り合ったのだ。
彩「よし、大体できたな。 それじゃあ、チームを決めるから一本ずつこれを引いてくれ」
取り出したのは、事前に作っておいた棒に色を付けただけのもの。
その結果、こうなった。
Aチーム・・・チルノ、フラン、咲姫、ミスティア、リグル
チ「あたい達がサイキョーよ!!」
フ「手加減しないよ~」
咲姫「彩人様は向こうのチームですか・・・」
ミ「ちょっと、リグル大丈夫?」
リ「うぅ、寒いよ~」
Bチーム・・・彩人、舞花、ルーミア、橙、大ちゃん
彩「よーし、やるからには勝つぞー!」
舞「おー!」
ル「彩人と一緒のチームなのか~」
橙「負けないよ~」
大「みんな怪我しないようにね」
ルールは、フラッグ先取戦で相手の陣地で被弾したら自軍の旗の周囲1メートル以内に戻る。
自軍の陣地で被弾した場合、5秒間行動できなくなる。
先に敵軍のフラッグを引き抜けば勝ち。
能力の使用及び飛行は禁止。
自軍に戻る際の攻撃は不可、また意図的に被弾しに行くのも駄目。
雪玉に細工をしたりするのは駄目。 細工が発覚した場合、審判から鉄槌が下る。
全員が自軍の陣地にそろったのを見計らい、レティが前に出る。
レティ「みんな準備は良いかしら? では、レディ・ゴー!!」
レティの合図と同時に動いたのはチルノだ。
チ「ようするに、先にあの旗を引き抜けば良い訳ね。 簡単じゃない」
旗と旗との距離は20メートル、バリケードは旗から一メートル間隔で作ったが真ん中に行けば行くほど小さくなる。
ようするに、ただ突っ込んでも突破できないようになっている。
人海戦術も真ん中のラインを越えるには、攻め難くなるように設計した。
橙「突っ込み過ぎだよ、チルノちゃん!」
チ「わぷっ!」
橙の投げた雪玉がチルノの顔にヒットした。
まあ、ただ闇雲に突っ込んでもこうなるわな。
レ「チルノ、アウトよ」
チ「ふん、さいきょーのあたいに当てるなんてなかなかやるじゃない」
フ「ただ闇雲に突っ込んでもチルノちゃんの二の舞になるだけだよ。だからさ・・・」
チルノが自軍の陣地に戻ってから音沙汰が無くなり、静まり返った。
彩「むぅ、フランが何か仕掛けてくるな」
舞花「彩人様、こっちは動かないの?」
こちらは、開始から一歩も初期位置から移動しておらず雪玉を作らせている。
彩「ん~? そうだな、こっちから攻めるか。 よし、みんな作戦はこうだ!」
それから3分間は互いに動かず、にらみ合いが続いた。
レ「ふふっ、どちらも何か仕掛けようとしているみたいね。 どっちが勝つのかしら?」
静まり返った境内、最初に動いたのは彩人側だ。
彩「あぁ、まだるっこしい! 全員突撃、最短距離を最高速で突っ込むぞ!」
舞・ル・橙・大「「「「おーーー!」」」」
旗と旗を結ぶ直線ラインに沿って彩人側の全員が走る。
フ「えっ!? まずい、みんな戻って!」
フランは咲姫と共に左サイドへ、リグルとミスティアは右サイド、チルノはセンターに字陣取っていた。
大方、チルノを囮にして左右から挟撃しようとしていたんだろうけど残念だったな。
彩「このまま旗を頂くぜ」
そして、相手陣地の半分くらいまで来た時、頬に雪玉が掠った。
しかも、上から降ってきた。
大「彩人さん、上からたくさんの雪玉が降ってきますよ!!」
上を見上げると、高さは疎らだが大量の雪玉がこちら目掛けて降ってきた。
咲姫「詰めが甘いのは彩人様ですよ?」
フ「最初からこっちが本命だよ♪」
左右から上に向かって放り投げている為、狙いは悪いが数が多い。
彩「チッ! 皆上手く避けろよ!」
大「キャアッ!」
言った矢先に大ちゃんが被弾した。
チ「サイキョーのアタイが居る事を忘れてもらったら困るわね」
上からは大量の雪玉、前からはチルノが雪玉を投げてくる。
彩「やられたな~、まさかこんな事になるなんて」
舞花「どうするの彩人様?」
ルーミアや橙は必死に避けているが、こんな物ただ自由落下してくるだけで普段弾幕ごっこをしている俺からしてみれば簡単すぎる。
しかし、これはあくまで旗を取り合うゲーム。 いくら回避がすごくても勝ちは拾えない。
俺は負けるのが嫌いなんだ、例えゲームであっても。
彩「雪玉が落ちてくる前に突破すればいいんじゃない?」
という訳で、チルノが投げてくる雪玉を回避しつつ徐々に差を詰めていく。
リ「わわっ、彩人がだんだん近づいていくよ!」
ミ「仕方ないわ、集中攻撃よ」
チルノ、リグル、ミスティアで3方向からあらゆる速度で玉が飛んでくる。
流石に3方向からの攻撃は辛い。
体力的にも辛くなってきた。
足場は滑る部分や深い部分など足に掛かる負担が結構でかい。
舞花「っ! 彩人様、これ結構辛い」
彩「確かに、なかなか辛いな」
ルーミアや橙はフランと咲姫の攻撃によって動けない状況だ。
助けは期待できな「きゃあっ!」い。
彩「うわっ!」
声と共にいきなり腕を引っ張られて、派手に転んでしまった。
彩「痛ててて、いったいなに・・・が?」
舞花「///////」
簡潔に状況を説明すると、俺が舞花の上に覆い被さっています。
もう熟れたトマトのように顔を赤くした舞花が消え入りそうな声で、
舞花「ぁ...あやとさま......避けて」
彩「あ、悪い」
すぐに舞花の上からどいて、手を掴んで一緒に立ち上がる。
舞花は未だに顔を赤くして俯いており、なんとも微妙な空気が流れていた。
彩「とりあえず被弾したし、自分の陣地に戻るか」
舞花「..............はい」
自分の陣地へ戻ろうとしたそのとき、
ビュンッ!
彩「は?」
恐ろしい速度で何かが頬を掠めて、後ろにあったバリケードが吹き飛んだ。
飛んできた方向を見ると、
フ「彩人、覚悟してね☆」
ル「するのだ~」
橙「・・・・・・」
チ「なんだかよく分からないけど、彩人が悪い気がするわね」
投げたままのポーズでフランがにこやかに笑っており、ルーミアは両手に雪玉を大量に抱えて、橙はむくれた表情でこちらを睨んでいる。
そしてチルノ、俺が悪い気がするってなんぞ?
リグルは寒さに耐え切れず居間に入って行ったし、ミスティアは苦笑いを浮かべている。
咲姫は舞花をどうにかして再起動させようとしている。
彩「よし、逃げる!!」
なんだかよくわからないが、このままじゃ危ない事は分かった。主に俺の生命的に。
フ・ル・橙・チ「「「「まて~~~~!!」」」」
こうして、追いかけっこが始まったわけだが・・・
大「あの・・・旗取っていたんだけど・・・」
レ「それじゃあ、大ちゃんの勝ちね」
雪合戦は大ちゃんの一人勝ちだった。
彩「まったく、酷い目にあった」
ルーミア達との鬼ごっこ(一方的に攻撃されていたが)は霊夢の一喝ですぐに収まり、今は昼食に使う為の材料を買いに人里まで来ていた。
彩「え~と、必要な材料は全部買ったかな? あぁ、それと甘味も何か買っていこうかな」
俺は、行きつけの甘味処へ歩を進めた。
彩「こんにちは~、何か新しい品はありますか?」
暖簾を潜って中に入ると、人懐っこい笑みを浮かべたおばちゃんがこちらに気付き、
?「いらっしゃ~い、ごめんねぇ、なかなかいい物が出来なくてねぇ。 でも、彩ちゃんのお陰でここ最近は景気がいいよ」
俺の行きつけの甘味処、夕遊庵の店主、ユズさんはそう言って、からからと笑う。
実はこの店、味は良いのになかなか客足が伸びない事に困っていた所に偶然俺が客として来てちょこっと助言したところ、大繁盛した経歴がある。
それ以来、こうして偶に顔を出しては菓子を買ったり、新商品の開発を手伝ったりしているのだ。
ユ「そういえば、今日は咲姫ちゃんも舞花ちゃんも居ないね、どうかしたのかい?」
彩「神社で昼飯の下ごしらえを頼んでいるんですよ」
二人とも、付いて行くと言って聞かなかったのだが何とかなだめて一人で買出しに来たのだ。
ユ「そうかい、大事にしてやんなよ。 あんなにいい娘達なんて滅多にいるものじゃないんだから」
そんなこと分かりきっている、そう答えようとした時、後ろから暖簾を潜って誰かが店に入ってきた。
咲夜と同じ銀髪を切りそろえ、リボン付きのカチューシャをしている。
緑色の服に目を引くのは背中に背負っている大太刀と小太刀、二振りの刀。
手には買い物袋を持っている少女は、
?「すみませ~ん、お饅頭を50個程ください」
と言った。
聞き違いではない、5個ではなく50個だ。
明らかに桁が違う。
ユ「ああ、妖夢ちゃんかい、いつもありがとうね」
妖「いえ、私の主がここのお饅頭を気に入っているので」
どうやら、いつものようだ。
おばちゃんは嬉々とした表情で奥へと行ってしまった。
ここが繁盛しているのって、この子のお陰だからじゃないのか? そんなことをつい考えてしまう。
そんな時、首筋にヒヤッとした感触が走った。
驚きで振り返ると、いかにも大福です、ってな感じの物体が浮かんでいた。 ちょっと、おいしそう・・・
妖「ああ!? す、すみません、私の半霊がご迷惑を!」
どうやら、この大福みたいなモノ(半霊というらしい)は彼女のモノのようで、勢い良く頭を下げてきた。
彩「いや、いきなりで驚いただけだしそこまで気にしていないよ。 ところで俺は彩人って言うんだけど君の名前は?」
妖「私は、魂魄妖夢と言います。 先ほどは失礼しました」
そう言って再度、頭を下げようとするのを手で制する。
彩「だから気にしていないって、それで妖夢は良くこの店に来るの?」
妖「はい、私の主がここのお菓子を気に入ってしまって週に二回は立ち寄ります」
週に二回って、あの量を3日4日で消費するのか!?
いや、おそらくたくさんの人がいるんだろうな。
彩「そっか、随分と大人数なんだな」
妖「いえ、ほとんどお一人で、です」
彩「・・・・・・・まじで?」
妖「マジです」
いやいや、いくらなんでもあの量を一人では消化しきれないだろう。
でも妖夢は嘘を言っている風には見えないしなぁ。
そこへ、ユズさんが戻って来て、
ユ「はい、おまたせ~って何? 彩ちゃん手が早いわね~」
彩「いやいや、そんなんじゃないから」
見ろ、おばちゃんが変な事を言うから妖夢の頬が若干赤くなっているじゃないか。
ユ「まぁ、そんなことよりもこれ食べてみて」
渡されたのは見た目普通の饅頭。
ユ「まだ試作段階なんだけど意見が聞きたいの」
彩「ふ~ん、いただきます」
妖「いただきます」
俺と妖夢はそれぞれ口に運び、咀嚼して飲み込む。
先に口を開いたのは妖夢だ。
妖「美味しいですよ、三色の違った甘さが口の中で見事に混ざってとても美味しいです」
この饅頭の餡は普通の小豆餡に栗餡とサツマイモで作った餡を三層に重ねている。
一口で4度美味しい饅頭だ。
彩「・・・・・砂糖を使い過ぎだな、栗とサツマイモで十分甘さが出ているから、小豆本来の苦味を引き出す事でもっと良くなると思う。これじゃあ、男にはくどいしなにより自然な甘さが損なわれている。 せっかく、個々の良い所を引き出せているんだから余計な装飾はいらないよ。 あ、後隠し味にしょうゆを少しだけ入れると良いアクセントになると思うよ」
正直、これだけでも十分商品として成り立つレベルだがこのままじゃ勿体無さ過ぎる。
やっぱり、良い物は受け継がれるべきだと思う。
俺が言ったことを素早くメモするおばちゃんの横で妖夢は目を丸くしている。
ユ「やっぱり彩ちゃんの言う事は違うわね、流石だわ」
彩「っと、少し長居し過ぎたな。 じゃ、また来るよ、妖夢もまたな」
ユ「ええ、いつでもいらっしゃい」
妖「はい、またいつか」
俺は、別れの挨拶もそこそこに神社へ向けて飛び立った。
side~???~
私は庭へ出ると、もう何年も花を咲かせていない巨大な桜の木を眺める。
この前、偶然見つけた書物にこの桜の事が書かれていた。
この桜の下には何かが封印されているらしい。
もしや、その封印のせいでこの桜は花を咲かせられないのではないか?
そして、この下には何が封印されているのか?
何故かは知らないが、私はどうしてもこの桜の下に封印されているモノが気になった。
そして、満開になったこの桜を見てみたいとも思った。
?「それにしても、どうやったら封印が解けるのかしら?」
そう思ったところで、封印の解き方が分からなければどうしようもない。
私は友人ほど、その手の事が得意ではないのだ。
?「もしかして、この桜を開花させるには春が足りないのかしら?」
口に出した瞬間、妙にそれが答えのような気がした。
どれくらいの量が必要なのかわからないが幻想郷中の春を集めればおそらく足りるだろう。
もしかしたら、友人が止めに来るかも知れないし、博麗の巫女が動くかも知れない。
でもしょうがないわよね、暇が潰せるし、何より面白そうなんですもの。
妖「幽々子様、ただいま戻りました!」
お使いに行っていた妖夢が帰ってきた。
この話は後回しね、お饅頭が私を呼んでいるわ。
幽「よう~む~、お腹空いたわ~」
幻想郷から春が無くなるまで、後数ヶ月・・・
いよいよ、春雪異変に入ります。
請うご期待!!
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