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宴会~始まるよ~

宴会が~~始まるぞ、コラーーー!!


それでは、どぞー

side~彩人~



かなり疲れが溜まっていたみたいだ。

体中が重い。

流石に、夜更かしはキツイな。

こっちに来てから夜更かしするなんて事無かったからなおさらか。

それにしても本当に体が重い。

両腕は人一人分くらいの重さを感じる。

丁度咲姫や舞花くらいか。

それにところどころ柔らかい感触がある。

・・・・・・・ん?柔らかい感触?

それに気付き目を開けると、一気に頭が覚醒した。


彩「・・・・・・なんだ、この状況?」


両腕にはそれぞれ咲姫と舞花が抱き枕のようにして寝ている。

それはいい、偶にあることだから。

それ以外にも、ルーミアとフランが左右から腰に抱きつきお腹を枕に寝ている。

通りで体が重く感じるわけだ。

頭だけを動かして、周りを確認すると大ちゃんはソファに寝ている。

流石大ちゃんは、常識が分かってる。

後でなでなでしてあげよう。

チルノは、床に転がっている。

大方寝ぼけて、ベッドから落ちたんだろう。

周りには何人かの妖精メイドが寝転がっている。

何故に妖精メイド?

さて、状況を確認したはいいがどうしようか?

起こさないように起きるのはまず不可能。

両腕は完全に使い物にならないし、お腹を枕にされちゃ身動きが取れない。

皆幸せそうな顔して眠っているのに起こしたくないし

こんな場面を誰かに見られたら・・・・・


咲夜「彩人、起きてる? 妹様がどこにいるか知らないかしら?」


咲夜が部屋に入ってきて、動きを止める。

あれ?咲夜は能力でも使ったのか?

冷や汗がだらだらと流れる。

この沈黙が辛い。

そのままたっぷり10秒、ようやく理解が追いついたのか頭を手で押さえ、


咲夜「どこにも居ないと思ったら、こんな所にいたのね。しかも妖精メイドまで」


呆れ半分、驚き半分と言った様子で苦笑する咲夜。

あれ?てっきり、ナイフか何か飛んでくると思ってたんだけどな?


彩「この状況を見て、俺に対してなんとも思わないのか?」


だから聞いてみた。

なんとなく、好奇心の方が上回ったからだ。


咲夜「そうね、昨日話をしなかったら今頃ナイフで滅多刺しだったわね」


とんでも無い事を笑顔で言ってくれる。

まさか、昨日の会話が死亡フラグ回避になるなんて思わなかったな~。

人生はホント何が発端になるか分からないね。


彩「とりあえず、起きたいんだけど手伝ってくれないか?」


咲夜「分かったわ」


咲夜は、フランを引き剥がそうと体を引っ張ると、

ぎゅ~~~~、メキメキミシっ

フランが尋常じゃない力で腕の力を強めてきた。

咄嗟に霊力で体を強化したがそれでも骨が軋み、嫌な音が響く。


彩「咲夜!?俺の腰がヤバイからとりあえず離してやって!」


これはまずい、これ以上はとてもじゃないが腰がもたない。

咲夜が手を離すと同時に腕の力も抜け、大事には至らなかった。

しかし、タイミング的に起きているんじゃないか?


咲夜「でも困ったわね、これじゃあ起きれないわよ」


う~ん、とりあえずルーミアを起こすか。


彩「ルーミア、起きてくれないか?ご飯が作れないから」


ル「わはー」


ガバっと飛び起きるルーミア。


ル「あれ~、ご飯は~?」


彩「ちょっと待っててね。 咲姫、舞花、いい加減起きてくれ」


すると、ゆっくりとだが起き上がる二人。


咲姫・舞花「「おはようございます、彩人様」」


声をそろえて、挨拶をする。

目はまだ寝ぼけているのか焦点が合っていない。


彩「うん、おはよう。 それと、浴衣が着崩れているから直しなさい」


それを聞くと、一気に頭が覚醒したのか俺の視界が映らないところまで移動し浴衣を直し始めた。

自由になった両手を使って、フランを揺する。


彩「フラン、俺は起きるけどどうする?」


すると、さっきまで寝ていたのが嘘のように、


フラン「フランも起きる!!」


ガバっと飛び起きた。

その一連の手際に咲夜は、


咲夜「すごいわね、貴方。 ここで働いてみない?」


冗談めかした口調で割りと本気で言ってくる。


彩「そうだな、考えておくよ」


咲夜「そう、待ってるわよ」


悪戯っぽく笑いながら、フランを連れて部屋を出て行った。

いつの間にか、妖精メイドの姿も無い。


彩「・・・起きるか」


チルノと大ちゃんを起こして、空を見ると太陽はすでに真上に昇っており丁度時間的には昼食時だ。

宴会は夜からだし、仕込みも寝る前に粗方終わらせた。

ぶっちゃけ暇である。

ふと、外を見ると美鈴が穴埋め作業をしているのが目に入った。

そういえば、俺が地上でかわし続けたのが原因だっけ?

手伝ってやろうか迷っていると、咲夜が部屋に来た。


咲夜「彩人、お嬢様が呼んでいるわ。 一緒に来て」


彩人「レミリアが?」


何の用事だろうか?まあ、行けば分かるな。




レミィ「おはよう、よく眠れたかしら?」


レミリアはテラスで優雅に紅茶を飲んでいた。

咲姫と舞花、フラン達は朝食兼昼食を食べに食堂に行っている。


彩「おかげさまで、ぐっすりと眠れたよ」


レミィ「それは良かったわ」


クスクスと、妖艶に笑う。

が、体型がちんまりとしているので何というか可愛らしい。

紫や藍がやったら似合いそうだが、レミリアにはまだ早いような気がする。


レミィ「なんだか、馬鹿にされたような気がするわ」


こちらをジト目で見つめてくる。

なんでこんなにも、ここの連中は勘がいいんだ?


レミィ「まあ、いいわ。 それよりも貴方の運命を見せてもらうわよ」


そう言ったきり、俺の目から視線を外さないレミリア。

なんというか、視線を外しちゃいけないような気がしてそのまま見つめ合う形になる。

何分経っただろうか?

不意にレミリアの方から視線を外すと同時に、強制力みたいなものが解除される。


レミィ「はぁ、やっぱり見えないわ」


ため息を吐きながら紅茶を口に運ぶ。


彩「俺の運命とやらが見えなかったのか?」


レミィ「ええ、こんな事は始めてよ。 貴方、何者なの?」


何者って言われてもな、外来人以外に答えようがない。


彩「普通の外来人だよ」


苦笑しながら答える。

外来人って時点で普通じゃない、なんて突っ込みは受け付けません。

レミリアも苦笑しながら、


レミィ「ま、私達にとって貴方は恩人だから、困った事があったらいつでも力になるわよ」


穏やかに微笑んだ。

それから、夕方になるまでお茶会を楽しんだ。

途中でフラン達も混ざり、騒がしくなったがそれはそれで平和な時間だった。

時間になったので、宴会のための料理を作る。

咲夜も手伝ってくれたため、かなり早く終わった。

やっぱり、咲夜も手際がいいな。

今度教えて貰おうかな?


そして、宴会が始まった。

チルノ、大ちゃん、ルーミア、橙、フランそれと、マントを羽織った子に帽子を被って背中に鳥の羽がついている子は遊んでいるのか、そうでないのかよく分からないが楽しそうにしている。

フランも楽しそうに笑っているところを見ると、友達になったのだろう。


咲姫「彩人様嬉しそうですね」


彩「そりゃ、フランがあんなに楽しそうにしてるんだ。 頑張ったかいがあるってもんだろ?」


舞花「確かにフラン、楽しそうだもんね」


今まで、笑う事さえ満足に出来ない状態だったんだ。

これからは、悲しい過去を笑い話に出来るくらい幸せになってくれたらと思う。


紫「ほらほら、あっちはあっちで楽しんでいるんだからこっちも楽しみましょう?」


紫がグラスを渡してくる。

藍も一緒だ。


彩「そうだな、俺達も飲むか」


こうして宴会は始まり、いつものように飲ませる者、飲まされる者の二種類に分けられる。

そして、俺は飲まされる側だ。


霊「ほらほら、一緒に飲みましょうよ~」


魔「そうだぜ~、あん時のようなことはしないからさ~」


レミィ「あら、ここの主は私よ。 私と飲むのがマナーってものでしょ?」


紫「あらあら、お子様はジュースでも飲んでなさい。 彩人は私と飲んでいたのよ?」


霊夢と魔理沙は、控えめだがしつこく絡んでくるし、紫とレミリアはなんだか一触即発な雰囲気を醸し出しているし、咲夜に助けを求めても困ったように苦笑が返ってくるだけ。

パチュリーは、小悪魔と静かに飲んでいる。

美鈴は、酔って暴れている所に咲夜のナイフが眉間に刺さり、バタンきゅ~。

チルノ達は、咲姫達と飲んでいる。

チルノが酔ったら、無差別攻撃しそうだな。

いや、その前に潰れるか?


彩「何このカオス」


誰か助けてくれ。

すると、聞き覚えのない声が聞こえた。


文「あややや、相変わらずどんちゃん騒ぎですね~」


声がした方を振り返ると、一目で妖怪と分かる少女がいた。

頭には赤い帽子的なものを被り、下はプリーツスカート、上はシャツと外でも通用しそうな服装だが。

普通の人間に翼は生えていません。


彩「誰?」


文「はじめまして、私は清く、正しい、射命丸(しゃめいまる)(あや)と申します。お見知り置きを」


営業スマイル全開で手を差し出してくる文。


彩「俺は、狂咲彩人。 外来人だよ」


その手を握り、笑顔で応える。


文「それでですね、私はこういう物を作っているんですよ」


渡されたのはどうやら新聞のようだ。

名前は、『文々。新聞』

一面にはでかでかと、

『謎の人間、妖怪の山にて天魔の孫娘とお茶をする!?』

先日、妖怪の山にて人間とお茶をしたと天魔の孫娘であるNさんから情報が入ってきた。

普通の人間は、妖怪の山には近づかない。しかし、その人間とお供の付喪神は誰にも見つかる事無く、山頂まで登りそこでお茶をして帰って言ったという。

非常に興味深い、我々はこの人間について調査を進めようと思う。

・・・・・・・ん?

さらに別の記事には、

『フラワーマスターと引き分け!?』

なんとなく、覚えのあることが書かれていた。


彩「なあ、これってもしかして俺のことか?」


というか、絶対そうだ。


文「もしかしなくてもそうですよ、というわけで取材したいのですがよろしいですか?もちろん、そこの二人にも同じ事を聞きたいのですが」


咲姫と舞花の方を見て言う。


咲姫「私達は、彩人様がやるならいいですよ」


要するに、俺に任せるという事か。

まぁ、ちょうどいい逃げ道にはなるかな。


彩「いいよ」


せっかくだ、取材を受けてみるのもいいかもしれない。

この時はまだそう思っていた・・・

次は取材編。

でも、出張があるので更新は週末になるかも?


感想・要望等ありましたらお願いします~。

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