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夢と現実の区別はついてるよ・・・多分

やっと、主人公のターン。


それでは、どぞー

side~霊夢~



誰か状況を説明して欲しい。

私達は、この霧を止めるべくこうして紅い館に殴り込みに来たわけだが、黒幕と思われる吸血鬼を後一歩の所まで追い詰めるまでは良かった。

だが、その吸血鬼の妹が乱入してくるなり暴走しかけたと思ったら二人抱き合って泣いている。

全く訳がわからない。


魔「いったいぜんたいどうなっているんだぜ?」


いつの間にか魔理沙が近くまで来ていた。

魔理沙も私と同じで事態が飲み込めていないようだ。


とにかく、あの吸血鬼達に話を聞かないことには進まないみたいね。

吸血鬼に近づこうと足を前に出そうとして、途中で止めた。

一瞬遅れて、足下には銀色のナイフが刺さっていた。


咲夜「悪いけど、今お二人の邪魔をさせるわけにはいかないのよ」


さっきまで吸血鬼の隣に居たはずのメイドがいつの間にか進路上に立っていた。

さっきのナイフといい、今の瞬間移動といい、もしかしてコイツの能力って、


霊「あんたの能力って時間操作系ね」


すると、メイドは一瞬驚いた顔になったがすぐに表情を戻した。


咲夜「だったらなに? 言い当てたのはすごいけどただそれだけでしょ?」


確かに、時間操作が出来る事がわかっただけでは何の意味も無い。


咲夜「悪いけど、少し眠っててもらうわ。メイド秘技『殺人ドール』!!」


カードが光ったと思った瞬間、私達の周りはナイフで覆われ外から見ればナイフで作られたドームのような形になっているだろう。

無理だ、結界が間に合わないしこんなの避けきれない。

魔理沙もさっきから、力任せだったのがここにきて響いたみたいだ。

私は来るべき痛みに目を閉じて、備えるしか出来なかった。











side~彩人~



俺達は、部屋には入らずに扉の影からフランのことを見守っていた。

フランが力を渦状に放出した時は流石に焦ったが、なんだかんだで上手くいったみたいだ。


咲姫「フランはちゃんと仲直り出来たみたいですね」


彩「だな、やっぱり仲良い方が見ていて気持ちいいな。 お前らみたいにな」


咲姫と舞花はお互いに見つめ合い、はにかむ。


彩「ん? 霊夢たちの雲いきが怪しいな」


メイドさんと霊夢が何かを話しているがよく聞き取れない。

すると、メイドさんがスペカを取り出した。

メイドさんが持っているカードが光ったと思った瞬間、霊夢たちを中心にナイフのドームが出来た。

あれが全て内側に飛んでいったら、いくら霊夢や魔理沙が強いといってもひとたまりも無いだろう。


彩「ヤベッ! 行くぞ!」


瞬時に咲姫と舞花は刀へと変わり彩人の手に収まる。

頼む、間に合ってくれよ。

能力で時間の流れを100分の1にまで遅くし、ナイフのドームに斬りかかる。

今、剣速は単純計算で通常時の100倍になっているため一振りで大量のナイフが吹き飛ぶ。

全てのナイフを切り落とし、能力を解除する。


彩「危なかったな~、霊夢に魔理沙、無事か?」


霊夢と魔理沙はキョトンとしており、メイドさんはいきなり現れた彩人に驚きながらも警戒心剥き出しで睨んできた。


咲夜「貴方、いったいどうやってあれだけのナイフを?」


晴「簡単な事だよ、時間の流れを遅くすればね」


時間を止めると物質に干渉できないが、流れを完全に止めなければ限りなく0に近くても干渉できるのだ。

漫画読んでおいてよかった。


咲夜「貴方も私と同じ能力を・・・?」


彩「ちょこっと違うな、俺は止めるんじゃなくて遅くするんだ。 止める事も出来なくはないけどね」


メイドさんが悔しそうにしていると、ようやく霊夢達が我に返った。


魔「助かったぜ~、あんなの喰らったら死んでいたかもしれないな~」


霊「全くよ、それに来るならもう少し早く来なさいよ」


晴「いや、主役は遅れてくるものだろ?」


三人で話していると、脇腹辺りに鈍い衝撃が走った。

そのまま床をごろごろ転がって、停止する。


晴「いっててて、いったい何なん・・・ってルーミア」


ル「わはー」


脇腹にはルーミアが抱きついてきていた。

わはーじゃないよ、まったく。 不意だったためあちこちぶつけて痛い。

ルーミアがいるって事は・・・


チ「ここがラスボスの部屋ね」


大「ルーミアちゃん、いきなり走り出してどうしたの・・・って、皆さんもここにいたんですか?」


やっぱり、チルノ達も一緒だったか。

これで、こっちサイドは全員そろったな。


フラン「彩人! 大丈夫? なんだか受身取れてなかったみたいだけど?」


今度はフランが飛びついてきた。

今度はちゃんと受け止めることが出来た。


彩「あちこちぶつけたけど大丈夫だよ、それより仲直りできたんだな」


フラン「うん! 彩人のおかげだよ!!」


彩「いや、フランとフランの姉が頑張ったからだよ」


そう言って、頭を撫でてやる。

フランは嬉しそうに目を細めている。

うん?なんだか視線を感じるな。

見ると、霊夢、魔理沙、メイドさん、フランの姉がこちらをジト目で見ていた。

チルノと大ちゃんは状況が分かっていないのか首をかしげている。

霊夢にいたっては、なんだか怒気も感じる。


霊夢「説明、してくれるわよね?」


もともと説明する気だったからそれは構わないんだけど、なんだか恐いよ霊夢。


彩「それじゃ、パチュリー達と美鈴も呼んで、説明するよ」











先ほど、激闘を繰り広げていた大広間には大きめのテーブルが用意され、それぞれの目の前には紅茶が用意されている。

たったこれだけの用意に随分時間が掛かった。

というのも、


ル「彩人の膝の上は私の特等席なのだ~」


フラン「だめ!!フランが座るのー!」


と言った感じで二人が喧嘩を始めてしまったのが原因だ。

これでは話が進まないので、ルーミアは咲姫の膝の上、フランは舞花の膝の上に座り彩人の両隣に座るという形で落ち着いた。


紫「それじゃ、そろそろ説明してもらおうかしら?」


彩「っていうか、いつから居たの紫?」


紫「ついさっきよ」


真に胡散臭いです、本当にありがとうございました。


彩「まあ、いいや。 とりあえず、フランと始めて会ったときの事から話そうか」


俺は、あの時のことを思い出しながらぽつりぽつりと話始めた。



少年説明中・・・

少女達静聴中・・・



彩「といった感じで今に至るんだけど分かった?」


これで、大体のことは話終えたけど、チルノとルーミアは終始クッキーを頬張っていたな。


紫「相手と自分の夢を共有する能力・・・ね、どうして一番最初にその子と繋がったのかしら?」


紫がフランを見ながら言う。


フラン「分かんない。 寝ていたらいきなり白い空間に居て、彩人を見つけたの」


彩「そんなのどうだっていいだろ? 大事なのは、フランとレミリアが仲直り出来たって事なんだから」


な?っとレミリアに話を振る。


レミィ「その件に関しては本当に感謝してるわ。 べ、別に礼儀としてなんだからね!変な勘違いなんてしないでよ!」


おお、リアルツンデレ。

さっきの威厳はどこ言った?


フラン「あはは~、お姉さま照れてる~」


レミィ「ちょっ、フラン!!」


紅魔館の面々は二人のやり取りを暖かい目で見ている。

美鈴と小悪魔なんかは、涙まで流している。

それだけでも、どれだけ待ち望んでいた事かは容易に想像できる。


霊「なるほどね、だから異常なくらい成長が早かったのね」


フランとガチバトルを繰り返していたら、そりゃ強くなるわな。


魔「それにしても、何で黙ってたんだ?」


彩「夢の話をして信じるか、普通?」


魔「なるほどな」


夢の話をして、それ現実じゃね?なんて事にはならない。

せいぜい、うわっ、コイツ重症だ!ッってな感じになるのが関の山だ。

さて、説明も終わったし後やる事といったら、


彩「紅魔館で宴会しようぜ!」


レミィ「どうしてここで宴会やるのよ!?」


すぐさまレミリアが反応してきた。


彩「えっ? だって、広いし神社まで戻るのめんどいしなにより、さっき覗いて見たんだけどキッチンが広かったから?」


レミィ「なんで疑問系なのよ。 まあいいわ、咲夜宴会の準備よ。 あとパチェ、この霧を止めるわよ」


咲夜「かしこまりました、お嬢様」


そう言って、咲夜はいつの間にか消え、レミリアはパチュリー、小悪魔とどこかへ行ってしまった。


彩「紫」


紫「はい、貴方の調理器具よ」


スキマから俺の調理器具を取り出す紫。

まだ、何も言ってないのにこういう所は本当に気が利く。


彩「ありがとう。 咲姫、舞花、手伝って!」


咲姫・舞花「「は~い」」


そう言って、キッチンへと向かった。


霊「それじゃあ、私は準備が出来るまで休むわ」


魔「私は、図書館に行ってくるぜ」


霊夢と魔理沙は各々自分の目的のために部屋を出て行き、


チ「あたいはチルノよ! あんた、名前は?」


フラン「え?フランドール」


チ「じゃあ、フランちゃんだね」


フラン「フランちゃん?」


大「よろしくね、フランちゃん。 私は大妖精、皆からは大ちゃんって呼ばれているよ」


フラン「よろしくね、大ちゃん」


ル「私はルーミアだよ~、さっきはごめんね」


フラン「ううん、こっちこそごめんねルーミア」


チ「よ~し、皆で遊ぶぞー!」


フ・大・ル「「「おーー!!」」」


チルノ、大ちゃん、ルーミア、フランの4人は仲良く追いかけっこを始めた。


美鈴「私は・・・「貴女は門番の仕事に戻りなさい」痛ーー!」


美鈴は頭にナイフを刺しながら門へと向かう。


後に残されたのは紫だけ。

その顔には胡散臭い笑みが張り付いている。


紫「うふふ、本当に彩人は面白いわね。 彼が居るだけで周りの雰囲気が楽しげなものに変わっていく。 これで確信できた、彼は間違いなく幻想郷にとって必要な人間だわ。 ま、それでなくても私自身が彼を気に入っているんだけどね♪」


紫は、そのままスキマの中へと入っていった。

次は、宴会だーー!

だけど、準備編・・・だと思う。


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