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東方夢桜歌~A little tenderness and some courage~  作者: REN
修行、いや・・・日常編
12/43

夢の中での約束~dream side~

最近閲覧してくれる人が増えてきました。

うれしいです。


それではどぞー

side~彩人~



彩「んぁ?どこだここ?」


目を開けると、何時の間にやら真っ白い空間に突っ立っていた。

さっきまで宴会をしていたはずだが、記憶を探るとさっきの出来事が思い出される。


彩「たしか、酔った霊夢と魔理沙に無理矢理酒を流し込まれてそれで・・・気絶したのか」


酔った感覚は無いが頭痛がしてくるような気がする。

起きたら確実に二日酔いだ。それも強烈なやつ。

あいつら、絶対覚えてろよ。

起きたときのことはそのとき考えるとして今は目の前の事に頭を切り替える。


彩「この空間は前と同じものか?確か前は・・・ッッッ!!?!?」


瞬間、背中にものすごい衝撃が走った。

不意だったので受身を取ることもできず、イチローのレーザービームも真っ青な感じで吹っ飛んでいく。

何メートル跳んだかも分からなくなるくらいの距離を跳び、最後に思いっきり滑ってようやく静止した。

これが夢の中じゃなかったらぶつかった時に四肢がもげてたな、と笑えないことを考えながら立ち上がり後ろを向く。

綺麗な虹色の飾りがついた羽のようなものが見え、それがパタパタと動いている。

それだけで、何が起きたか理解できた。

俺は何とか立ち上がって、体に巻きついている腕を優しく解き少女へと向き直った。

少女は俯いていて、その表情は見えない。

だけど、背中の羽を見れば十分だ。


彩「よう、フラン。いい子にしてたか?」


俺はフランに話しかけた。

だが、フランは黙っている。

どうしたの?と聞こうとしたら、不意にフランが口を開いた。


フ「彩人だよね?」


彩「ああ、そうだぜ」


フ「ホントに彩人なんだよね?」


彩「ホントに、彩人だよ」


フランはまだ俯いていた。

背中の羽はだんだんと落ち着いてきて、今は止まっている。

フランは一歩一歩ゆっくりと近づいてきた。そして・・・


フ「彩人、会いたかった!」


目尻に涙を溜め、抱きついてくる小さな身体。


彩「俺も会いたかったよ、フラン」


それを柔らかく受け止め、頭を撫でる。


フ「ねぇ彩人、私ね力を上手くコントロールできるように練習してるんだよ」


彩「そうなのか?それなら俺と同じだな」


フ「彩人も?」


彩「俺も弾幕の打ち方とか空の飛び方、能力の使い方を練習してるんだよ」


フ「そうなんだ、じゃあ一緒に頑張ろうね!」


彩「そうだな、夢の中なら限界も無いだろうしな」


俺とフランは夢の中で一緒に修行する約束をした。

夢の中で修行することで二人とも完璧に力を扱えるようになるのだがそれはまだ先の話である。

それからまた二人でお話をした。

互いに住んでいる場所や最近の出来事などを話した。


フ「ねぇ、彩人には兄弟って居る?」


フランが唐突に聞いてきた。

その表情はどこか寂しそうな、悲しそうな顔をしている。


彩「俺には居ないな。フランには、兄弟いるのか?」


フ「お姉さまが一人いるよ、紅魔館の主で私の唯一の肉親。でも・・・」


そのままフランは俯いてしまった。

俺は先を促さずフランがしゃべりだすのをじっと待った。


フ「お姉さまはきっと私のことが嫌いなんだ」


フランの声は震えていた。

ギュッと服を握る手に力がこもる。


彩「どうしてそう思うんだ?」


俺は優しく聞いた。

だいたいの理由は予測できるがあくまで予測だ。

フランの口から聞くまではなんとも言えない。


フ「だって、私を地下室に閉じ込めたのはお姉さまだから」


やっぱりな、唯一の肉親に拒絶とも取れる行為をされたら誰だってそう思う。

でも、


彩「それは、本人の口から直接聞いたのか?」


フ「聞いてないよ、聞けるわけないもの。だって、お姉さまは私に会いに来てくれないッ!!」


とうとう、フランの頬に雫が流れ始めた。


フ「どうして、どうしてお姉さまは私に会いに来てくれないの?私、ずっと待ってるのにッ!」


フランの感情が爆発している。

水を溜めたダムが決壊したように感情の本流が止め処なく溢れる。


フ「ずっと、ずっとずっと、いつか来てくれるのを信じて待ってるのに・・・」


フ「どうして来てくれないの?」


俺は黙って聞いていた。

確かに胸糞悪い話だ。腸が煮えくり返るほどに。

恨まれても文句は言えない。それだけのことをしている。


彩「フランは、姉ちゃんのことが嫌いか?」


その問いかけにフランは驚いたように顔を上げた。

驚いたからか涙まで止まっている。

ちょっと意地悪なこと聞いたかな?と思いつつも


彩「フランは、姉ちゃんのこと本当は大好きなんだろ?大好きなんだけどそれを伝える機会が無いからどうしたらいいか分からない」


フランの頭を撫でながら続ける。


彩「別に地下室に閉じ込められていることについてもそこまで怒っている訳じゃない、自分を拒絶しているわけじゃなく本当は守ってくれているって分かっているから」


彩「だけど、もっと姉ちゃんと仲良くしたい、一緒に居たいけどそれができないから拗ねてるだけなんだよな?」


フランはポカンと口を開けて固まっている。

ようやく搾り出した一言が


フ「どうして・・・?」


だった。その一言には全ての疑問が含まれている。

だから、一つ一つ答えた。


彩「だって、兄弟姉妹を本気で恨めるわけない、ましてやフランは優しいからな、姉を本気で恨むなんてできない」


彩「姉が館の主って立場を考えたら力の使い方が分からないフランを自由にさせておくわけ無い、体裁があるだろうし」


そして最後に


彩「なにより、フランが俺に甘えてくるのは姉に甘えられない反動ってのもあるんだろ?」


悪戯を思いついたような顔でフランに問いかける。


フランの顔が朱に染まり、顔を隠すように抱きついてきた。


フ「まだ知りあってから2回目なのに私のこと見てくれてたんだ?」


確かに、フランと触れ合った時間はかなり短い。


彩「時間なんて関係ないよ。そいつのことを本気で知ろうとすれば30分でもかなり分かるよ」


フランはうれしそうに笑い、ぎゅーっとしてきたのでお返しとばかりにこちらもぎゅーっと抱きしめ返した。

そして、一つ提案をした。


彩「なあフラン、俺が迎えに行ったらさ、姉ちゃんに自分の気持ちを伝えてみないか?俺も一緒に行くからさ」


その言葉にフランは少し考え、


フ「彩人が一緒に行ってくれるなら、少し恐いけど伝えてみる」


そう言ったフランの目には決意の色が窺えた。

二人の体が徐々に透けていく。どうやら目覚めが近いようだ。


彩「っと、そろそろ時間か。」


フランは未だに抱きついたままだ。

目が覚めるまでこうしているつもりだろう。


彩「それじゃフラン、またな」


そう言って笑った。

対してフランは、


フ「うん、今度は一緒に修行しようね」


ニコッと笑い返してきた。

その笑顔を最後に意識が沈んでいった。


あぁ、眠い。

文才が乏しい。


感想・誤字指摘待ってます。

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