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魔女はオトコノコ!  作者: 蒼穹月


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10/15

オトコノコと店魔女の必須魔法 -1/2-

「音夢ちゃん、遊び行こうよ」

「明日から連休でしょ?たまにはお仕事休んで遊んでも良いじゃない?」


女友達に囲まれて、音夢は目をパチクリさせている。

音夢は修行中の身だ。

お仕事も修行の一環だ。

さてどうしたものかと思案する。


(ノアール留守番してくれるかなぁ)


などと考えていたらスマホが鳴った。

メロディは電話帳登録毎に変えている。

見なくても分かるスマホの表示は、『お母さん』。

音夢はビクッと肩を振るわせてから取った。


「はい」


姿勢を正し、神妙な声で受ける。


『修行中とは言え、学生でもあるのよ。遊ぶ時には思いっきり遊びなさい』


予想に反して優しい言葉に音夢は胸を撫で下ろす。ビクビクしたのが申し訳ない。と思った瞬間。


『それに、まさか呼び鈴魔法使えない訳じゃ無いわよね?

まさかね?店舗系始めるなら真っ先に習得するものね?』


直後に圧のある言葉責めに、さっきより大きくビクッとした。なんなら冷や汗も掻いている。

魔女の師匠たる母には全てお見通し。


「嫌だなぁ。勿論だよ?へへへ」


それでも音夢は出来ないとは言えない。

何故なら怒った母は怖いのだ。


『そうよね。勿論よね。なら心配せず遊びなさい』

「はい」


最後まで圧が強く、有無を言わさずプツリと切られた。


(絶対習得してないのバレてる)


ノアールがいるからついつい後回しにしちゃったのだ。

音夢は連休前に大きな宿題を抱え、途方にくれた。


(連休まで、あと、1週間無い)


そんな音夢に、女の子達は心配になる。


「大丈夫?無理しなくて良いからね?」

「そりゃ、一緒には遊びたいけど」


心配させてしまった事に、音夢は慌てて被りを振った。


「ごめんねっ。大丈夫だよっ」


萌え袖になっている両手を口の前でポスンと合わせ、眉を下げつつニコッと笑う。

座っているから上目遣いになっているのはワザとでは無い。あざとい訳でも無い。

けれども女の子達は声にならない黄色い声を上げた。

魔女じゃ無いけど心の中は通じ合っている。


(((可愛いっっっ)))


心の中で悶えつつ、平常心を装って、女の子達もニコッとする。


「ホント?行けそう?」


問えば今度こそ音夢は頷いた。


「うんっ、行くっ」


嬉しそうに笑い、心の中で習得までのスケジュールを組んだ。

暫く休む暇は無さそうだ。


(学校生活と両立するのも大変だなぁ)


自分で選んだ道。

後悔なんて無いけど。

でもやっぱりちょっと時間に余裕が欲しいと思う。


だってまだまだ遊びたい盛りなんだもの。


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