表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サ終済みソシャゲアイドルたちは、もうライブなんてしたくない!  作者: 空清水紗織
第01章:もうライブなんてしたくない!
4/10

03話:黙♡示♡録

 学園の2階、いつもの教室は今日も空っぽで、私だけが座っています。8時に始業のチャイムが鳴りますが、鳴ったところで何も起きません。廊下に出ると広いグラウンドが見えます。野外ライブの前日は、ここに特設ステージを模したものを作って練習したものです。


 更に歩くと、ダンスレッスン室、ボーカルレッスン室、収録ブースなどなど、この学園ならではの施設が並んでいます。物悲しさに身を任せてダンスレッスン室のドアを開けると、少し小さめの練習用シューズが転がっていました。学年カラーを見るに1年生用ですね。こういったシューズの片づけや床の掃除も、マネージャーの仕事だったことを思い出します。

 そうそう、ミキサーのセッティングもやってました。アイドルがやらない仕事は全部マネージャーがやるというトンデモ設定でしたね。プログラミングとデザイン以外は全てプランナーの仕事に括られる……、まるでこのゲームの運営会社のようです。まあ、おかげで何でもできるマネージャーとして暮らせているので良かったです。


 ミキサーに目をやると、いくつかのツマミが定位置ではありませんでした。どうせ元に戻すためにいじるなら、久々に曲でもかけてみましょうか。

 初期実装の3人が組んでいたユニット『Re-Boot Glitter』のデビュー曲、『Liiight Up!!!』を流すと、3人が何度も練習していた様子が思い出されて目が潤みます。マネージャーの私とは違い、アイドルの子たちは何事も練習しないと上手にならない仕様だったので、朝から晩まで踊っていたこともありました。この曲だって何万回聴いたか分かりません。ちなみにあかりは当然『Re-Boot Glitter』のセンターでもありました。ああ、アイドル時代のあかりが懐かしい……。


 他にも様々な想い出が頭をよぎります。このギターリフに合わせた振り付けが難しかったですねえ……。そして、ここで入るオケヒの音が猛烈なインパクトを……。ん? あれ、おかしいですね。こんなサイレンみたいな音、この曲には入っていなかったはずですが……。

 

 ――エマージェンシーアラート!

 

 <無の期間>がいつ終わるのか、その予測ができないか考えた末に設定したアラートが、今初めて鳴っています。運営さんが私たちの世界、――このサーバーに対して何らかのアクションを取ったようです。

 スマホのアラートを切り、持ち歩いていたノートPCを立ち上げると、現実世界の運営さんたちの様子がモニタリングできました。こういうのだってお手のもの。何でもできるマネージャーとして生んでくれて本当にありがとうございます。

 サーバーを止めるにしては妙に慌ただしい彼らの動きを、これが黙示録かと固唾を呑んで見守っていたのですが……。


「これはまた、難しいことを仰いますねえ……」


 なんだか今日は溜め息が多い一日になりそうです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ