第03章_06話:SCRIPTマシーン
「ド下手くそがああぁぁぁ!」
「うわぁ! 何よマコ、ビックリするじゃない」
「ノベルゲーをバカにしとんのかあ!」
いつものように矢作さんの作業履歴を確認していると、マコさんが烈火の如く怒り始めました。
「蒔さん、あかり、見た? このドラマパート。まずLive2Dのモーションがうるさすぎ! 大人な女性アイドルの恋詠さんが『わ~~~』って腕を振るわけないでしょ! あかりの元気らしさも表現が全然違うの!」
「あー、今回は私たちのユニット『Re-Boot Glitter』がメインのお話だったっけ。やっぱ久々に見ると、立ち絵がLive2Dで動くって豪華だよね」
「動いてりゃいいってもんじゃないのよ! 澪なんて、セリフと動きが全くマッチしてない! なんで『わたしも賛成です!』に対して、手を組んでお祈りみたいなポーズさせてるのよ! アイドルのこと好き? 矢作さんはこれで良いと本当に思ってるわけ!?」
「ま、マコさん。矢作さんはこういうドラマ演出のスクリプト組んだことがほとんどないので……」
「だからって、世に出していいクオリティじゃないわよ!」
ゲーム、特に美少女ゲームやノベルゲームが好きなマコさんには、耐えられないレベルの完成度だったようです。
「どうしましょう、これもマコさんに直してもらって、チャットで矢作さんに渡しましょうか?」
「そうね。もう直すとかじゃなくて、一から作り直しって感じだけど」
「へー、マコってスクリプトも組めるんだ。頑張ってね」
「チッチッチ。頑張るのはあなたよ、あかり。それに蒔さんも」
「……? どういうことでしょう?」
「アタシ、前々からやってみたいことがあったのよね~」
そう言いながら、持参のPCをウキウキと起動するマコさん。Webカメラらしきものも取り付けています。
「じゃーん! 見てこれ、アタシが組んだソフト」
「んー? あ、ドラマパートのUIじゃん。へー、カメラで撮った画面にUI重ねてるんだ」
「それだけじゃないわよ。あかり、カメラの前に立って、何でも良いからポーズ取ってみて」
「あ、うん……えっと、こう?」
「ほら見て、蒔さん」
「……あ、Live2Dに自動変換されてますか?」
「その通り! これは、みんなの演技を撮影して、それを自動でスクリプトに落とし込んでくれる最っ高のツールなの! まだ精度は粗いけど、適切なBGMやSEの選択に、場面切り替えを汲み取って暗転を挟む機能だってあるのよ。頑張って作ったのに、サ終前に使う機会がなかったから、ここで使いたいなーって」
「へー、凄いじゃん。……ん、てことは……?」
嫌な予感がして、私とあかりは顔を見合わせます。
「そう! 今回のドラマパートは、本当にみんなに演じてもらうわよ!」




