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●渡橋 銀杏 様 私は雨になりたいを読んで、雨も悪くないと思っちゃいました!

挿絵(By みてみん)

文学フリマ等の即売会で販売している同人小説版の表紙絵です。

作品をイメージしやすいように参考までに掲載します。

デジタル総作画は町田様、原画は当サークルのSanmAです。

◎今回の読書会作品

 渡橋 銀杏 様

 私は雨になりたい (カクヨム)


◎今回の読書会参加者

・加納友美 

 動物と話しが出来る大学一年生。

 どんな状況や作品にも、なりきりスキル発動により対応可能。

・カマキリのカマッチ

 国語力のあるカマキリ。解説役。 

・マングースのイタッチ。

 自分がなんの動物なのかわからなかったマングース。ハブと無理矢理戦わされた事にトラウマを持つ。

・神山ゆかり

 ゆるふわ天然爆弾発言娘。過去、彼との初体験を友美さんに相談して、絶句の嵐に追い込んだ。


 


 読書会は既に始まっています。


 「友美ちゃん、ゆかりちゃん、君達は雨が好きかい?」


 カマッチは、私が夜食として用意した解凍した冷凍のコオロギを両手のカマでガッチリと掴みながら私達に問いかけています。


 「え?雨?そうだね……正直、濡れるからあんまり好きじゃないな……」


 「え?友美ちゃん濡れるの嫌いなの?私は濡らしてもらうの好きだよ!」


 「…………」

 (ゆかりちゃん……何言ってんの?雨の話だよ?)


 ゆるふわのゆかりちゃんは、キャピキャピしながら、相変わらずのお門違いな返答で、私を絶句させています。


 「私がヘビと喧嘩させられた日も雨が降っていたわ……」


 イタッチはベッドの上で立ち上がり、遠い目をしながら過去のトラウマを自分でえぐっています。


 「みんなそれぞれ、雨に関しての想いは十人十色の様だな。そして、今回の作品だが、五月の雨の様に美しい、短編百合文芸作品だ」


 「うん、そうだね!なんかこの作品は文字の背景に、常に雨が降ってる様な錯覚に陥る、しんみりとした世界観じゃない?」


 「友美ちゃん、私もそれ思ったんだ!なんか濡れてきちゃったね!な~んて!キャハ!」


 「…………」

 (ゆかりちゃん?余計な一言言わないでね?私のコメント、爆弾発言の暴風雨で台無しにしないでね)


 「友美ちゃんが陥った錯覚は間違いじゃないぞ。この作品の冒頭、 五月雨は憂鬱な季節の雨だ。と言う一文。これにも意味がしっかりあるんだ。この一文があるかないかでは全く違う。無くても物語の展開に影響はないが、あると、この作品の世界観を決定的にする程に深みを与える……そう言った作者様の隠れた手法だと思ったんだ。短編作品は短い文字数の中で、こう言ったさり気ない風景から連想させる、心理描写が重要だったりする。この作品にはしっかりと描写されている!」


 「あ〜確かにそうだね!最初のこの文で私、なんかしんみりしたもん」


 「そう言えば、私がヘビと喧嘩させられたのは確か五月雨の日だった様な気がするわ……」


 「…………」

 (イタッチ……今日はどうしたの?もう、そのトラウマ話は終わりにしてね。なんで今日はみんな、私の発言を雨で流そうとするのかな?)


 「そしてこの百合文芸作品だが、そんな雨の日を舞台に、彼氏がいる同性の友達、天音さんに対して恋愛感情を持ってしまった雛さんの葛藤の物語だ」


 「ゆかりちゃん、この作品どうだった?」


 「えっとね~カマキリさんの言う通で、ベッドで横になって天井見て考えたり、さり気ない描写が雛さんの葛藤をきちんと表現してて、すごく感情移入出来たな~」


 「最後の雨の公園で話したシーンは少しビックリしたよね!」


 「うん、うん!わかる!ビックリしたけど、最後はなんか微笑ましい感じがしたよね!」


 「私もヘビとのトラウマ洗い流してくれた様な気がするわ!」


 (良かった……イタッチも喜んでくれてるね)


 「そしてこの作品が訴えたい事……僕はこう考えたんだ。雨と言うのは色々な雨粒の形、長さ、大きさがあるだろ?作中の雛さんも、色々な葛藤の止まない雨にうたれる。そしてもちろん人には色々な恋愛がある。そんな苦悩や葛藤、想いを雨と言う形で表現した作品なんだ」


 「へ〜雨って色々な流さや太さがあるんだね~。私は自分にとって適度なジャストフィットサイズがいいな~」


 「…………」

 (ゆかりちゃん?カマッチは太さなんて言ってないけど、もちろん雨の話だよね?)


 「そして、雨が止んで一筋の光が射し込む……この作品はそんな結末だ!」


 イタッチは私達の側にやって来て、テーブルの上に置いてあったクッキーをつまみ食いし、口の周りに欠片をつけたまま、笑顔で話し始めました。


 「読後感がとても晴れやかな作品ね。私、作者さんにお礼言いたいわ!トラウマ流してくれてありがとうって!」


 「あ!そうだ!マングースさんに可愛い首輪持って来たんだった!」


 「え?どんなの?」


 ゆかりちゃんのイタッチへのお土産は、シュシュの様な小さな首輪でした。


 「付けてあげるね…………ハイ!可愛いでしょ?あ、でもヘビが首に巻きついてるみたいで嫌かな?」


 「…………」


 その後、トラウマを再発した暴れるイタッチをなんとかなだめて、朝までもう一度この作品を読み、みんなで同じ晴れた夜空を見上げていました。




作者 渡橋 銀杏 様

今回はありがとうございました!


今回の作品へはこちらからどうぞ!

https://kakuyomu.jp/works/16817330657327715441

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