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第36話 遠出③

 俺は続けて澪に話し掛けた。


「…俺はイジメ解決後、澪に近付く気は全く無かった。

 何故なら俺が1番気にしているのは不幸体質の事だからな、誰も傷付けない為には俺の周りに人が居てはならない。

 何せそれで家族にまで放り出されたんだからな…。」


「動画をくれた時、さよならとか言ってたものね…。」


「憶えてたのか…。

 だがそこに誤算が生じた。

 ネッコの件があった為に、澪が俺の家に来ると言い出したからだ。

 そこからは澪も知っている通りだ、澪が不幸体質の無効化が出来る人物である事が判明した。

 確かにあの時は人が多い場所に俺と一緒に行ってくれないだろうかとは考えたが、澪が俺にとって都合のいい存在等とは全く思っていなかった。

 俺はただ、俺と一緒に居る事が出来る友達が欲しかっただけなんだ…。」


 澪は俺を見ながら、穏やかに笑っている。


「凪君、深く考え過ぎよ。

 そもそも友達って、一緒に居て楽しいから何処へ行くにも一緒に行きたいって思うものなんじゃないかしら?

 貴方の特異体質をものともしない人しか友達にはなれないんだから、私が凪君の友達になったのは必然よ。

 貴方は今まで苦労して来たのだから、少しは私に甘えなさい。

 行ける範囲で何処へでも凪君の行きたい所に付いて行ってあげるわ。」


 俺はそれを聞いて、心にあったわだかまりが解けた気がした。


「澪…本当にありがとう。

 澪のおかげでスッキリした。」


「凪君は色々とハイスペックなのに、人間関係は経験が足りないのよね…。

 これからは深く悩む前に私に相談してちょうだいね。

 あっ…経験といえば、凪君初デートなのよね?

 じゃあさっきみたいに迷子になっても困るから、今日はずっと手を繋いでいましょう。」


「…そういう澪は俺と手を繋いでいても大丈夫なのか?

 その…あれから彼氏は?」


ようやく私にも興味を持ってくれたのかしら…

 生まれてから今まで彼氏が居た事は無いし、私も初デートよ。」


「興味が無いなんて、そんな事はない。

 興味が無ければそもそもイジメに気付かなかったかもしれないし、友達になって欲しいなんて言わない。」


「あっ…うーん…ちょっと違うのよね…

 なんて言えばいいんでしょう…

 あー…、もういいわ。

 こればかりは時間を掛けないと無理みたいだし。

 それより、ここに私が持って来たカチューシャがあるのだけれど、私と2人で学校以外の場所に居る間は今度からこのカチューシャを付けてくれないかしら。」


「…カチューシャって、女性が使うものじゃ無いのか?」


「長髪の男性も使ってるし、これは男女兼用のものよ。

 さぁ、これを付ければ景色も見やすいわよ。」


 俺は言われるがまま、カチューシャを付けてみた。

 すると澪は俺を見た後、ヨロヨロとふらついた。


「…あぁ…凪君…いいわ…

 もう今日はそのままで居てちょうだい…。」


「大丈夫か澪、立ち眩みか?何がいいんだ?」


 俺は澪に手を差し伸べると、澪はその手を掴んだ。


「何が何でも、よ。

 いい?私以外の女の子が近寄って来ても、絶対に付いて行っちゃ駄目よ?解った?」


「あっ…あぁ…

 よく解らないが、解った。」


 そして俺達は恥ずかしながらも、そのまま手を繋いで、先ずは江戸城跡に向かった。

 

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