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そして、アドレーヌは眠る。  作者: 緋島礼桜
第四篇  蘇芳に染まらない情熱の空
250/360

序文









~ 第四篇   序文 ~








 

 『ヨォリの争乱』が激化していたその歴史の裏で、『エナ』はアドレーヌ王国の欠かせない資源として扱われていきました。

『エナ』によって、王国はとても変わっていきました。

『エナ』というものの液体化や結晶化が出来ることを知ると、人々はそのための機械を作りました。

『エナ』というものを人工的に作れることを知ると、人々はそのための機械を作りました。

『エナ』というものが人々の暮らしを豊かに出来ることを知ると、人々はそのための機械を作りました。


 そうして人々は、『エナエネルギー』を使って乗り物や灯りといった様々なものを開発していきました。

 以前までは実験の材料として使われていた兵器たちも活用され、人々のための生活資材として進化していきました。

『エナ』で動く機械たちは、『エナ製品』と呼ばれるようになりました。

『エナ製品』はその後約100年の間に、国民たちの身近な必需品となりました。


 けれど、そんな『エナ』に疑問を持つ人たちが現れました。

 その人たちは自らを『トオゼキ』名乗り、『エナ』をこのまま使用し続けるのは危険だと言いました。

 既に『エナ』が大切なの資源となっていたアドレーヌ王国は、『トオゼキ』は『ヨォリ』の仲間であると断言しました。

 それによりアドレーヌ王国と『トオゼキ』は対立し、いつしかそれは紛争にまで発展してしまいました。

 これが『第二次ヨォリの争乱』の始まりでした。


 けれど、長く続くと思われた『第二次ヨォリの争乱』は8年で終局を迎えました。

 そこには一人のアマゾナイト兵の存在がありました。

 そのアマゾナイトの活躍によって、最後は互いに和解し『トオゼキ』たちは自ら望んで国外へと出て行きました。

 人々はそのアマゾナイトを称え、『英雄』と呼ぶようになりました。










アドレーヌ暦0791年――

 『トオゼキ』と名乗る組織による『エナ』開発停止の抗議運動が始まる。

 アドレーヌ王国は彼らと数回の会談を設けるものの、双方の意見は平行線のままとなる。

 アドレーヌ王国第29代国王ジョンソン・デイ・リンクスは、『トオゼキ』をヨォリによる反乱組織と断定。紛争へと移行させた。

 後にこれを『第二次ヨォリの争乱』と呼ぶ。



アドレーヌ暦0794年――

 アドレーヌ王国第29代国王ジョンソン・デイ・リンクス死去。

 嫡子のカーティ・エト・リンクスが第30代国王の王位を継承。

 一方で『第二次ヨォリの争乱』はエナ兵器が投入され、悪化の一途を辿る。



アドレーヌ暦0799年――

 百年続くと思われていた『第二次ヨォリの争乱』が、一人のアマゾナイト兵の活躍により『トオゼキ』と和解。彼らは身の安全が保障される代わりに国外へと撤退することとなり、『第二次ヨォリの争乱』が終結する。

 この後、紛争終結の立役者であるアマゾナイトの兵、ルーノ将軍を称える者が急増。

 ルーノ将軍は英雄として歴史に名を残すこととなる。



アドレーヌ暦0810年――

 アドレーヌ王国第30代国王カーティ・エト・リンクスが病死。

 後継には嫡子のレイヤード・アト・リンクスがいたが同時期に病死。

 これにより甥に当たるマスナート・クー・リンクスが第31代国王の王位を継承することとなる。

 同年、英雄ルーノ将軍はアマゾナイトを退役し帰郷した。








 この時代、人々は最も『エナ』を愛し、『エナ製品』は人々の必需品となっていました。

 『エナ製品』を身体の一部と呼ぶ者さえいました。

 けれど、彼らはまだこれが間違いだったと気づいてはいませんでした。




 英雄が歴史から去って11年後。物語がまた動き出します。

 青年ヤヲ(キ・シエ)の物語から132年後、

 アドレーヌ暦0821年――


 これは己と仲間を信じ続けた一人の少女の物語です。






 *






 ~ 第四篇  蘇芳に染まらない情熱の空  ~








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