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終末までもうすぐです  作者: 七香まど
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二つの命8

 お腹も落ち着き、ぼちぼち次の目的地へと歩く。

これから行く場所はそれほど遠くない。ものの十五分でそれは見えてきた。


 それは大抵の国にある百円ショップだ。他国との違いを挙げるのであればやっぱり規模が桁違いといった点だろうか。

 扉をくぐり、赤い買い物かごを片手に店内をぶらつく。日用品や家庭で役立つ便利グッズ、お菓子もあれば災害用の乾パンなんかも売っている。

 あまり売れ行きは良くないのか、棚の奥まで並んでいる乾パンに手を伸ばし三袋を買い物かごに入れる。

 足を運べば旅人用の食料品専門店なんかもあるが、そこは百円なんてものじゃない。別にお金に困っているわけではないが、『高い食べ物』というのが昔から口に合わない。


 ぶっちゃけ乾パンの方が甘みもあっておいしい。凝った携帯食料のようなものを口にするくらいならお菓子感覚で乾パンを食べたほうが気分もいい。


「あとは……と」


 ポケット菓子をいくつか買い物かごに放り込み、次は日用品のコーナーへ向かう。


 主に子どもが使うような色は派手なものが多く、質素な小物は少数だった。

 何か目的があって小物を探すわけではないが適当に歩いていれば欲しい物も見つかるだろう。しかし、余計に物は持ち運べない。欲しいと言っても本当に必要な物だけを探す。


「あ、そういえば髪ゴム千切れちゃったんだっけ、本当はもっといいやつを買った方がいいけど、まあ、それを買うまでの代用として」


 普段はストレートの髪型も強風の日なんかは髪が鬱陶しく思うときにゴムでまとめている。もちろんその時以外でも髪型を変えたくなって使用する時はある。


 深い青色の髪ゴムを手に取る。他にも色はあったが、きらきらと光っていてなんとなく使い辛い。そのため質素な髪ゴムを探し、茶、青、黄の三色から好きな青色を選んだ。


 ここに来た目的は乾パンやお菓子を買い揃える為であり、日用品で何か買う予定はなかった。そのため他に欲しい物は見当たらず、そのまま会計へ直行した。


 この百円ショップでは主に便利グッズに力を入れているらしく、主婦層に大人気なんだとか。折角の大型店舗なのに、便利グッズに縁のない私には少し期待外れで残念だった。




 百円ショップを出て、近くのコーヒー店で一休み。注文したホットコーヒーを片手に木の椅子に腰かける。同じく木のテーブルにコーヒーを置き、時計を確認すれば、針は四時三十分の方角を指していた。


「もうこんな時間なんだ」


 細かい時間は決めていなかったが、少し時間が経つのが早く思えた。カレー屋で余韻に浸る時間が長かったのも原因だろう。百円ショップで用のないコーナーまで隅々見て回ったり、なんだかんだ寄り道が多かった。


「あいちゃんに絵本を渡すのは明日かな、戻ったら面会時間終わっちゃうし」


 本当は早く戻ってあいちゃんとお話をしたいが、ここからでは病院まで一時間近くかかる。

 面会時間自体は午後の七時までなのだが、それは家族に対しての話。家族でない人の面会時間は午後五時迄となっている。


 観光を楽しみつつ、余った時間をあいちゃんと話して過ごす予定だったが、初日から計画遂行に支障が出てしまった。また会いに行くと約束したのに翌日行かないとなると、怒って拗ねないだろうか。


「……明日、お菓子を持って行ってあげよう」


 店内の喧騒にのまれる程度の声ではあるが忘れないようにと確かに心に刻んだ。


 入国して二日目はこれで終わり。


 まだ、熱々のコーヒーに口を付ける。美味しさの中にある苦みと独特の酸っぱさは思ったよりも強く、あいちゃんをほったらかした罰のようで私はその苦さに顔を顰めた。

なんか評価の部分変わりましたね。

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