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ヤバイ彼女2 〜彼女は理想を愛しすぎている〜

ヤバい彼女2


登場人物:

ひなた…某大手企業に勤めるサラリーマン。声劇歴8年のベテラン。族種にそぐわずよ穏便なオオカミ。じつは重度のオオカミコンプレックス。


シン…某有名私立大学の一年生。声劇初心者。優しくて癒し系なネコ。人によって違う素顔があるらしい…?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ひなた「理解していた。君と接触した時から、君との関係はいつか俺に大きな傷を負わせるのだと。」


「そうして、今、俺の心に…それは深く深く刻まれている。君の俺への裏切りが…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1話 始まりはいつも優しい

ひ「さて、今日もまた声劇を始めるか」

ひ(いつものように俺、オオカミひなたはスマホのアプリにログインする。鋭く長い爪せいでフィルターが何度も壊れたのは今重要ではない。なぜなら、俺には…)

シ「こんばんは!ひなたさん!今日もたくさんお話ししよう?」

(このJDのネコのシンちゃんとお話しするのが楽し実で仕方ないのである)


ナレーション【この世界には多種多様の動物がおり、

同種族は互いに仲間意識が強く、他種族を警戒する。しかし、ネットともなると周りの目を気にせず、同種族も異種族もみんな仲良くできるのだ】


ひ(ネコのシンちゃんと出会った時、俺は不安の只中にいた。)

シン「は、初めまして!私はシンです。よろしくお願いします」

ひ「俺は、あのひなたって言います。あーそんなに怯えなくで大丈夫です。一応、肉食系ではあるんですけど」

シン「声からしてオオカミ…ですか?」

ひ(カチンと全身の毛が凍った。どうしよう…一発でオオカミってバレたよ!オオカミって小動物系からは怖がられやすい。俺、いろいろおわったかもしれないなー。)

シン「ごめんなさい。私…ダメですね」

ひ(やっぱり!どうせオオカミなんてどこ行っても嫌われ者でしかないなー。ハハハッ、完全に処刑宣告されたよーこれ)

シ「あの…私、ネコの種族なんですけど、違う種族とお話しするのは初めてでーまだオオカミ種族のことも何も分かってませんけど…」

ひ(うそ、怖くて肉食で有名なこのオオカミ族を知らないだと、どんだけ世間知らずなのこの子?!)

シン「あのよかったらいろいろ教えててください。物覚えは得意な方です!せっかく同じ趣味持ってるのでひなたさんといっぱいお話ししてもっと仲良くなりたいです」

ひ「シンちゃん…。受け入れてくれてありがとう。俺もシンちゃんと仲良くなりたいから、よろしくな」

ひ【こうして彼女の天然な性格のおかげで俺は自分がオオカミであるということに劣等感を抱くことはなくたった。むしろ、シンちゃんのおかげでオオカミであることの良さも学んだのだ】

ひ「今日はこの『赤ずきん』の声劇するけどーシンちゃんはこの赤ずきん役でどうかな?イメージ合うと思うよ?」

シ「ん?赤ずきん?可愛い声劇を選ぶのね。でも、内容はすこし子供すぎない??」

ひ「まぁそんな子供でもないよ?ほら台本読んでみて、青年漫画に出てくるヒロインっぽいキャラだよ?」

シ「ほんとだ!魔法少女赤ずきんはさらわれた家族を助けるために魔狼に立ち向かうって、戦闘系の声劇!面白そう!でも…ひなたさん」

ひ「どうした?」

シ「どうしていつもオオカミは悪者になってるんでしょう?」

ひ「え?」

シ「オオカミさんはただ生きるために食べてるだけだよ?人間だって豚や鳥を殺して食べたりするのに、オオカミを悪者扱いするなんておかしくないかな」

ひ「まあオオカミは見た目は凶悪だし、人より強い牙も持ってるからな。だから人から怖がられ、避けられ、悪者にしやすかったかもしれないね。まぁ、それより声劇始めるか」

シ「うん!私台本読み込みます!」

………………

ひ「クハハハハ、今日も人間どもを捕らえてやったぞ。これからは楽しき晩餐会だ。此奴らを骨の髄までしゃぶり尽くすのが楽しみよな」

シ「そこまでです!魔狼」

ひ「ぬっ!?誰だ!我の許可なく無断で城に侵入してきたのは!」

シ「我が名は赤ずきん。私のお祖母様の仇、ここで打ってやるわ!」

ひ「くくく、世迷言を。貴様ら人間族がこの魔狼に勝てると思うるのか!良いだろう、この狼の力とくと味わうがいい。地獄から裁きを下したえ、インフェルノパニッシュメント!」

シ「きゃぁぁぁぁあっ!」

ひ「くははははは、どうだ!まいったか!」

シ「まだまだ、純潔なる月のあかりよ、闇を滅ぼしたまえ!イノセンスルナ!」

ひ「なに!?この魔法の結界を破るとは!おのれ!」

シ「これで最後のとどめよ!燃えよ、我が怒りの果て、ブレイクファイヤ!!」

………………

ひ「はい、お疲れ様でした。赤ずきん役いいね!技キレッキレだっだよー」

シ「魔狼役、かっこよかったです!でもー最後にやられてしまうのすごく悲しいです」

ひ「まあ、声劇はそういうもんだよ。悪役っていうのは最終的に倒されるのがオチだし」

シ「そんなー。仲直りしてほしいわ」

ひ「そうかー。ところでシンちゃんは…どこかで声優の勉強したことあるんじゃないのか?」

シ「全然よー。声優の本読んでも発音とか早口言葉もうまくできないしー、ほんとど素人なのよー」

ひ【声劇においてどんなメンバーとやるかはとても大事である。滑舌や声トーン次第で自分の演技にも響く。彼女の場合、初めてとはとても思えないぐらいの高い演技力を持っていた。話し方からして嘘言ってるように思えないが、その時の俺はどこか府に落ちなかった。が、これも彼女の闇の一部であると、この頃は知るよしもなかった。】

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