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【僕のヤバイ彼女】〜ヤバイ女の残したものは〜

それから俺の元に嬉しい知らせが入った。

小学校の頃の同級生タケシが帰ってきたのだ。

久しぶりに会おうという話になった。

【足音】

ヒロ「えーと、アイツがいるのはここか。って、ここってー」

タケシ「よっ!ヒロ!元気にしてたか?」

ヒロ「まぁまぁかな?って、どうしたんだよ!その格好!」

タケシ「これか?これはちょっと色々あってだな。まぁ、場も場だか、ゆっくりしてけよー。もう何年も合わなさすぎてお前の声忘れてるとこだったよ」

ヒロ「なんだと!この薄情者めっ!」

【それから数時間後】

タケシ「あはははは」

ヒロ「全く変わらんなーお前のそーゆーとこ」

タケシ「実はさ…気づいてると思うんだけど、俺、離婚したんだ」

タケシはほらっというように左手の薬指を俺に見せつけた。

ヒロ「え…マジ…」

タケシ「ああ…。俺の体がこんなんになっちまって、妻に愛想つかれたんだ。」

ヒロ「…」

タケシ「それから思ったんだ。人間って、健康あってなんぼってな?俺みたいにもう歩くこともままならん人間は…もう」

ヒロ「なぁ…タケシ。俺は小さい頃お前に憧れてたんだ。」

タケシ「…」

ヒロ「スポーツやってる時のお前は超絶カッコよくて、キラキラしてた。そんなお前を見てると、俺も頑張らなきゃって思ったんだ。」

タケシ「でも…もう…俺にスポーツなんてもう!」

ヒロ「スポーツは何も足だけじゃない!手も頭もなんだって使える!体さえあればできるじゃあないか!」

タケシ「…っ!」

ヒロ「俺はやりたくてもそんな才能なくて普通のサラリーマンに就いちまったけどさ。お前は昔から運動神経抜群で、スポーツならなんでもこなせてた。それは今だって変わらないはずだろ!もっと自分に自信を持てよ!お前は俺のヒーローなんだからさ!」

タケシ「…ヒロ…おれ…お前にはずっとかっこ悪いとこばっかり見せてると思ってたけど…。今日だって、そのドアの向こうからどんな軽蔑の目向けられるだろうって弱気になったりしてたけど…そう言ってくれるなんて…くぅうっ…」

ヒロ「泣くなよータケシ…俺まで泣きたくなるだろ!ううっ…」

タケシ「今日はありがとうな!俺、また一からスポーツ始めてみるわ」

ヒロ「おうよ!」

あとになって、かなでがタケシの元妻だと知ったのはそれから数日後。俺は自分とかなでとのことでタケシに相談に乗ってもらった時、

タケシ「…そうか、かなでがいつも通話してた相手がお前とは…」

ヒロ「……ごめん」

タケシ「いや、いいさ。もう…俺はかなでのことはすべて許すことにした。」

ヒロ「え?」

タケシ「長い間…彼女を縛り付けてたんだ。病気になってから余計心細くて、誰か、そばにいてほしかった。でも、それが彼女を傷つけてしまったんだな。って今なら思うよ。

だから、かなでが今何しようがどうしてようが、

幸せを願うだけかなって」

ヒロ「……そうか。お互い、ヤバイ女に当たったな」

タケシ「あははは!なんだそれ!」

ヒロ「だって!ヤバイ女だろ?無休通話だの四角関係だの、イかれてるって!」

タケシ「あー当人者が言うならーマジでそう聞こえるなー?」

ヒロ「おい、今絶対そう思ってないだろー!もうー知らね!」

タケシ「あー悪かったってー。機嫌なおしてくれよー、ひろちゃん♡」

ヒロ「いつか絶対いい女見つけてくるしー!見とけよ!」

正直、最後のは冗談だ。今のところ彼女を作るつもりはない。だが、俺にはまだ生きる希望は残ってることが分かった。たった今、俺の大切な友がそれを教えてくれた。

俺がすべきことは後のことを忘れ、前にひたすら前進するのみ。そして、これからネット恋愛するであろうそこにいるあなたに伝えたい。

「甘い言葉には気をつけろ」と、な?

〜完結〜

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