①~哀れで可憐な人妻~
Part1 ひろ役の○○です
よろしくお願いします
心優しい男性。
女性にはとことん紳士を貫き
困っている人を見捨てられない
性格である。
☆☆☆
Part2かなで役の○○です
よろしくお願いします
極度な依存性のある女性
夫と子持ちで、夫の重病を支えていた。
(あらすじ)
1: (僕とかなでさんは配信系サイ
ト上で知り合った。
最初は可愛い声の子だなー
と思って彼女と色々話をした
はじめは寝落ち通話仲間で
そして、交流を深めるうちに
連絡先まで交換するように
なった。最近、彼女は生活
の愚痴を僕にこぼしていた。)
☆☆☆
2:ヒロちゃん!ね、聞いてー
旦那がまた夜に…それで
私が嫌だって言ったのに…
聞いてくれなくてそれで
…うぅ…
1: 落ち着いてかなでさん。
貴女が泣いてると僕の心まで痛く
て仕方がない。だから、焦らず
ゆっくりでいいんで
お話ししてください
全部、聞いてあげますよ
1:(かなでさんには夫がいる。けれど
その夫は過労で病に
倒れ、仕事を続けるのが困難
になった。そのせいで彼女
一人で家庭を支えていか
なければならなかった。
子供の世話、夫の介護とパート
に毎日毎日明け暮れていた。
生活は辛く、厳しいもので、
絶望的だったという。)
2:私、もうこんな生活から
一刻も早く抜け出したい!
でも、もうどうしたら
いいか、分かんないよ!
1:はい、分かりますとも
かなでさんは今の旦那さん
のこと大事にしたいと思う
一方で、頼れる人がほしい
んですよね?たしかに
それも道理ですよ。
妻に必要なのは頼りがいがあって、
養ってくれて、何より幸せに
してくれる男性です。
こんなこと言うのもなんで
すが、もしも僕が貴女の
旦那さんなら、きっと貴女を
幸せにしてあげられたのにっ!
…すみません。
2:ううん!こちらこそごめんなさい。
勝手に愚痴っちゃってて。
私ね、ヒロちゃんの声
聞いてるだけすごく幸せなの!
こうして話してるだけで…
すごく癒されるし、安心するし、
ホッとするの!
1:(幸せ、癒し、安心。
崩壊寸前の家庭の中で
身も心もボロボロになった
彼女が求めたもの。
それが僕との会話という安定剤。)
1:そうですか!ならよかった!
僕もかなでさんのために
何かできて嬉しいです
困った時にはいつでも
僕を頼ってください
僕…かなでさんの役に
立ちたいから。
1:(だけど、僕は思いもしなかった
僕のこの彼女に対する優しさが
これから、彼女の僕に対する
依存の闇をさらに深めていく
ものだとは…)
【それから数か月】
2:ヒロちゃん。私、決めたの!
1:やぁ、かなでさん。どうしました?
2:私、今の旦那さんと分かれないけど
ヒロちゃんと付き合う!だって
いつもヒロちゃん私にすんごく
優しくて、頼れるし、オマケに
声だってカッコいい!私、そんな
ヒロちゃんのこと、好きなったの!
1:かなでさん…!でも…
それはできません。
2:どうして!
1:僕は…いや、俺は
旦那さんを持ってる人と
付き合うことができません
それは不倫になりますから…
世間から白目で見られる、流石の
俺もそんなことしたくないです…
2:あんなのもう夫じゃない!
私のこと大事にしてくれないし、
養ってもくれない、おまけにもう
子供だってできない!だから
これはある意味正当防衛なのよ!
それに、私が今1番好きなのは…
ヒロちゃんだけなの…
1:俺も…かなでさんは好きですよー
でも、付き合うにしても色々まずい
と思います。かなでさん
ここはひとまず落ち着いて一旦
事情を整理していきましょう。
急いで結論を出すことでもないで…
2:だったらヒロちゃん!
私を支えるよっ!ねっ、お願い!
ヒロちゃんっ!!
私、あなたがいないと無理なの!
生きていけないの!
あなたじゃないと…私…
ひっくぅ…ひっくぅ…
1:(いけないことだとわかってい
ても、今にも心が壊れ
そうな彼女を放っておけない俺は…)
☆☆☆
1: わかりました。かなでさん
いや、かなでちゃん
今日から俺が貴女の彼氏です。
あなたを幸せにしてみせます!
2:ぁぁ…本当に!嬉しいわ!
とても嬉しいーヒロちゃん、
ヒロちゃん!だーい好き!
1:(こうして僕とかなでちゃんとの
禁断の遠距離恋愛が始まった。)