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恋い慕ふニ

あたしは朝になって目覚めた。


上半身を起き上がらせると眠い目をこする。サイドテーブルに置いてあるデジタル時計見たら午前5時半を回っていた。

ちょっと早く起きすぎたか。そう思いながらもベットから降りて荷物をしまっているカバンの近くまで行く。

中から歯磨き粉や歯ブラシ、タオルを出した。ビジネスホテルだから歯磨きセットは用意してあるだろうが。あたしは自分用を使わないと落ち着かない。

なので持ってきておいたのだ。シャワー室の中にある洗面台に行き、コップに水を入れて歯ブラシに粉をつける。

シャカシャカと歯磨きを始めた。念入りにしてから水で口を何度かゆすいだ。

「……ふう」

口の周りも水で洗い、タオルで拭いた。その後、顔もぬるま湯で洗い、水気をざっと拭き取った。後始末もしてシャワー室を出る。

カーテンを閉めたままで着替えもした。用意してあったヘアブラシで髪を整える。お化粧水と乳液だけはつけてメイクも薄くしておく。

とりあえずは身支度はできた。あたしは荷物をまとめると鍵を持って部屋を出た。持ってきているスマホを見たら午前7時を過ぎている。もしかしたら彼が気付いているかもしれない。けど、もういいやと思った。

あの人とあたしは合わない。それが今回でよくわかった。よしと気合いを入れ直して一階に降りるためにエレベーターに向かった。



一階のロビーに着くと鍵を受け付けに返す。昨日の女性が応対をしてくれた。

一通りの事が終わるとビジネスホテルを出た。スニーカーで来ているので静かに歩ける。

あたしは朝食を食べていない事にふと気付いた。仕方なくコンビニに行った。

自動ドアをくぐると人はまばらだった。男性の店員さんがいらっしゃいませと言う。

コンビニでおにぎりを2個と温かいお茶、小さなお弁当を手に取る。レジにまで持って行く。店員さんがバーコードを読み取る機械を品物に当ててお会計をする。

「全部で850円になります」

あたしは財布を出すと千円札を差し出す。店員さんは千円札を手に取る。

「では1,000円をお預かりします」

レジ機の引き出しを開けて千円札を入れてお釣り用の硬貨を出した。

「150円のお返しになります。ありがとうございました」

店員さんが一礼をするのを一瞥してコンビニを出る。今は秋口だから朝方は寒いくらいだ。

近くの公園に寄るとベンチに座りお茶のペットボトルをナイロン袋から出した。蓋を開けて一口飲んだ。温かいお茶が全身に染み渡るようで自然と体から力が抜ける。

おにぎりも開けてかぶりついた。ツナマヨ味は普通に美味しい。朝食を一人で黙々と食べたのだった。

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