プロローグ 終わりの始まり
プロローグです。
この類の小説は初めて書きます。
至らない点があるかもしれません。
ーーー激しい戦いが繰り広げられている。
この崩壊した世界に残っているのはたった二人の男。いや、高校生ぐらいの少年である。
一人の少年は世界がこうなった原因の少年を憎み、必死に殺そうとしている。
もう一人の少年からはそんな必死さが感じられない。諦めたのではやく自分が相手を殺すことを解りきっているからである。
何故なら彼は世界を守ることができたぐらいの力を持っているから。
それを相手は解っている。自分は能力を持っていないことも、あの時、能力を得ようとしなかったことで対等に戦えていないことを悔やんでもしょうがないことも解っている。そして自分が死ぬことも解っている。だけど必死に殺そうともがき続ける。
ナイフを投げ、刀で刀で斬りかかる。どちらも避けられたので腰に据えてある銃で撃つ。どの弾も彼の前で弾けて無くなる。攻撃が当たらない。それでも諦めずに必死で攻撃を続ける。
(無意味なことを…)
そう思い、刀を避け、投げたナイフを能力で弾けさせ、嘲た笑いを浮かべて相手に聞いた。
「何んで君はそんなに必死に俺を殺そうとするんだい?殺さないことも、殺しても無駄なことを解っているだろう?なあ教えてくれよ、白。俺と君の仲じゃないか」
「ふざけるな!僕が貴様を殺さないと貴様に殺された僕の家族や友人達に顔向けできないからに決まっているだろ!僕にだって貴様をこうさせた責任があるんだ!」
「へぇ。それはそれはお互いに大変だね。…今から君はもっと大変になるけど」
「なっ…」
パチンという指パッチンの音と同時に鋭い痛みと消失感が同時に白に押し寄せ、両腕が切り落とされた。両腕がは無残に地面に転がっている。
「ゔがぁぁぁぁぁ!あがぁぁぁぁぁ!」
「うるせぇよ」と言い放ち、白を蹴り飛ばした。
ついでに両足の膝から下を切り落とし、能力で止血をしてやった。最後に会話をしてやるために。
「さあ、今どんな気持ちか教えてくれよ。君の宿願は果たさず、僕の宿願であり、約束だけ果たされたこの状況を!どう思うかな?」
「…とても残念だ。何より僕は貴様を、黒斗を止めることができずに醜くしてしまった。僕はお前とずっと親友でいたかった。こうなったお前を見たらさぞ、みのりちゃんは悲しむだろうな」
そう言い切った瞬間に彼は、黒斗は止血を止めて、切り落とされた腕から肩にかけてと膝から太ももの付け根のところまで千切りをするように切っていった。そして白に歩みより、落ちている腕から刀を取り、白の胸の上に座った。
文字にすることができないほど白は絶叫している。
「お前がみのりを語るな!俺はみのりが願ったから世界を滅ぼしたんだ!そのみのりが悲しむ訳がないだろ!」
感情のままに刀を心臓に刺し、能力で白の顔など自分が座ってるところ以外を全て切り刻んだ。
深呼吸をして、自分を落ち着かせ、大の字に倒れて灰色の空を仰いだ。
そして自分のリュックサックから血のついたナイフを取り出す。
それは黒斗が愛したみのりが殺された時に使われたナイフだった。それを自分の腹に突きつけて、
「みのり、今から君の所に行くね」
そう言って自分の腹を切った。
死ぬまでの数秒、走馬灯が頭の中を駆け巡る中、黒斗は疑問に思った。
(…何でこうなったんだっけ?)
意識が朦朧として命が消えるその瞬間に、
(ああ、そうだ。あの日だ。あの日からーーー)
始まったのだと、思い切る前に黒斗の命は儚く消えていった。
少年と少女、黒斗とみのりが出会ったところからこの物語は始まる。
二人が出会ったのは世界が滅びるちょうど五年前。
ーーー二人が中学校に入学した日から始まった。
いかがでしょうか?
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